今回は、ギプス固定が取れた後の痛みや違和感の正体についてお話していきます。

 

骨折や重度の靭帯損傷や捻挫などをした時は、その損傷した組織の早期修復のためにギプス固定をされる時があります。

一定期間ギプス固定をして、その後ギプスを取る事になりますが、まれにギプス固定が取れた後に痛みや違和感が残存してしまうケースがあります。

 

ギプス固定して損傷した組織の修復が済んだはずなのに、なぜ痛みや違和感が出るのでしょうか?

 

その正体は、「癒着(ゆちゃく)」や「拘縮(こうしゅく)」の可能性が高いと考えられます。

 

まず癒着の説明から。

癒着とは、いわば血糊(ちのり)のようなものです。

 

癒着のイメージ図↓

損傷した組織は少なからずその部分は出血や充血を起こします。 つまり血が出ているのです。

切り傷を負った時をイメージするとわかりやすいと思いますが、切り傷を負ったら血が出ます。→血はいずれ固まります。→固まる過程で少しべとべとした状態になっているのを経験した事があると思います。→これが血糊です。

 

骨折や靭帯損傷をした時も、たとえ皮膚の外に出血していなくても皮膚の下や骨や靭帯で出血しています。

そしてそこに血糊のようなものが発生する事になります。

つまり癒着を起こしている状態になります。

 

癒着が起きた部分は、骨や靭帯や筋肉の滑走性が悪くなり、その部分を動かすときに引っ掛かりや摩擦が生じます。

その時に痛みや違和感を感じます。

 

ギプス固定を外した後でも、骨や靭帯などの修復が終わった後でも、この癒着が残っている事があるのです。

 

癒着は、時間が経つと分解吸収されて無くなりますが、部位によっては時間がかかる時があります。

場合によって数か月から数年かかる時もあります。

 

次に拘縮の説明をします。

 

拘縮とは、簡単に言うと関節や筋肉が硬く縮こまっている状態です。

 

ギプス固定をしていると当然ですがその部位は動かせません。

 

筋肉や関節は動かさないでいると硬くなります。→硬くなった部位は拘縮が起こります。→拘縮が起きた筋肉や関節を動かすと、引っ掛かりや摩擦を生じてしまい、痛みや違和感を感じます。

ギプス固定が取れたとしても急にはその硬さは解消されません。

普段の生活を送っていれば、その拘縮はいずれ解消されると思いますが、場合によっては数か月から数年かかる時もあります。

 

【注意】

癒着や拘縮はいずれ解消されるという事を述べましたが、注意すべきはその解消までの期間です。

場合によっては数か月から数年かかる時がありますが、その間、ずっと痛みや違和感が続きます。

その間、日常生活や仕事、スポーツなどに支障が出るという事になります。

そして、その痛みや違和感をかばって他の部位に不具合が出る可能性もありえます。

 

ですので、その痛みや違和感はなるべく早急に解消しておく事を強くおすすめします。

 

【痛みや違和感を解消する方法】

・適度に動かす。

痛みが出ない範囲で適度に動かす事で、癒着や拘縮は取れて来ます。

ただ、度が過ぎると再度傷む事があるので注意しましょう。

目安は、動かした後にジワジワやズキズキといった感じが残らない程度がいいと思います。

 

・冷やさない。

癒着や拘縮は血流が良いと早く取れます。 逆に、血流が悪かったり冷えているとなかなか取れません。

夏はいいとして、冬は保温サポーターをつけたり、カイロをあてたり、お湯に浸すなどするようにしましょう。

 

・整形外科や整骨院(接骨院)で施術を受ける。

「自力で対処が難しい。」という方は整形外科や整骨院を活用しましょう。

それらで受けられる、電気治療、超音波治療、温熱療法、マッサージ、ストレッチ、鍼灸治療、関節可動域訓練は癒着や拘縮を取るのに最適と言えます。

当然、それらの知識もあるので、生活指導のアドバイスなども指導してくれます。

 

【その他】

ギプスが取れたら、多くはそのギプス処置をしてくれた整形外科でリハビリを受けるかと思います。

ただ中にはこんなケースがあります↓

・しばらくリハビリを受けていて、まだリハビリを続けたいのに途中で打ち切られた。

・リハビリを受けたいのに、リハビリは自分でして下さいと言われた。

・リハビリに通いたいが、時間が無かったり、仕事終わりの時間帯は病院が閉まっている。

 

整形外科やご自身の都合で、症状があるのにその症状を良くする事ができないでお悩みの方は実際に多いと思います。

 

そんなケースでお困りの方は、ぜひ整骨院にご相談下さい。

整骨院は、

・整形外科と同等のリハビリを受けられます。

・症状があるのに途中で中止する事はないです。

・仕事終わりの時間帯も診察しています。

 

【まとめ】

・ギプスが取れた後の痛み、違和感の正体→癒着や拘縮

・癒着や拘縮が自然に取れるのに数か月から数年かかる

・癒着や拘縮を早く取る方法→①適度に動かす ②血流を良くする ③整形外科や整骨院に通う

・癒着や拘縮を長引かせていると、痛みや違和感が続く、他の箇所に影響が出る、日常生活や仕事やスポーツなどに支障が出る

 

以上を参考にしてもらえればと思います。

 

ちなみに、当院でも癒着や拘縮を取る施術やリハビリをしております。

もしそういった症状でお困りの方は、どうぞご相談下さい。

電話→011-838-8732