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フィギュアスケート 全日本選手権 女子SP - スポーツナビ
<女子ショートプログラム結果>
演技終了後、観客の声援に応える浅田真央

浅田が首位に浮上!
浅田が69.12で首位に躍り出ました!
見事な演技を見せた浅田、得点は70点台に乗りませんでしたが、演技後は大きな笑顔で観客の声援に応えました。
http://sportsnavi.yahoo.co.jp/bcast/live/show/2
真央久々笑顔、ミスなし「明日につながる演技」

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20091226-00000660-yom-spo.view-000
真央ミスなし笑顔、SP今季自己最高
12月26日15時23分配信 読売新聞
フィギュアスケートのバンクーバー五輪最終選考会となる全日本選手権。浅田真央(中京大)は、ほぼミスのない滑りで69・12点の今季自己最高をマークした。
浅田は、冒頭のトリプルアクセル(3回転半ジャンプ)からのコンビネーションを、2回目のジャンプが予定の3回転から2回転になったものの、今季初めて形にした。
続く3回転フリップとダブルアクセル(2回転半)も無難にまとめ、演技終了後に久しぶりの笑顔がはじけた。
浅田は、グランプリ(GP)シリーズ今季開幕戦のフランス杯、続くロシア杯で、武器のトリプルアクセルの不調からSPで3位と6位、総合で2位、5位と低迷しており、以来全日本までの約2か月間、アクセルへの入り方を微調整するなど、ジャンプを軸にした滑り込みを続けてきた。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20091226-00000660-yom-spo
真央、首位!スッキリ笑顔で五輪王手
「フィギュアスケート全日本選手権第2日」(26日、大阪なみはやドーム)
残り2つの五輪出場枠に挑む女の争いは、大混戦の様相を呈した。女子のショートプログラム(SP)が行われ、浅田真央(19)=中京大=がトリプルアクセル(3回転半ジャンプ)は回転不足と判定されたものの、69・12点で首位発進。中野友加里(24)=プリンスホテル=が0・22差の68・90点で続き、鈴木明子(24)=邦和スポーツランド=が67・84で4位につけた。村主章枝(28)=AK=は6位と出遅れた。五輪代表に内定している安藤美姫(22)=トヨタ自動車=は68・68点で3位だった。
◇ ◇
総立ちの観客の真ん中に、笑顔を取り戻した浅田がいた。一瞬の間をおいて、今度は顔をゆがめる。そして、ひとみを潤ませた。「SPは今大会の一番のヤマ場だと思っていた。それを1つクリアできた」。満足感が口をついた。
演技直前、顔をこわばらせるほどの緊張感に襲われていた。課題だった最初のトリプルアクセル。回転不足で減点対象となり、完ぺきではなかったが、着氷して勢いに乗った。「アクセルは百発百中じゃないけど、そういうことを心がけてやってきた。1回転とか失敗ではなく、一応、跳ぶことができた。滑る前は緊張を抑えるのに必死。後半は今年初めて楽しく滑れた」と振り返った。
経験したことのない不振に悩み苦しんだ。5位に惨敗した10月末のロシア杯後、この日を目指して、やれることはすべてやってきた。プログラムを見直し、複数のジャンプを修正。「プログラムは半分以上変わった。(開幕当初とは)違った『仮面舞踏会』だったと思う」と明かすほどだ。
大一番で新プログラムを初披露するリスクは、少javascript:void(0);なくない。試合と同じ状況を想定したシミュレーションを、何回も繰り返すことで精神的な不安を取り除いた。「2カ月間、しっかり納得がいくまで練習してきた。練習を信じてやるだけ」。自己暗示にかけるように、言い聞かせてきた。
30選手中、9番目という早い滑走順だった。前夜は大好きな焼き肉を食べてリラックス。午前7時20分の公式練習に備えて4時台に起床して、大会に備えた。「きょうの感じはよかった。落ち着いてできたのが一番。明日につながった」。大会4連覇と初めての五輪代表。大混戦を勝ち抜いて、2つの目標を達成させる。
http://sportsnavi.yahoo.co.jp/winter/skate/figure/headlines/20091227-00000014-dal-spo.html
強くて美しい戦いの序章
全日本選手権、女子ショートプログラム総括
2009年12月27日(日)
■浅田が跳んだ一本のトリプルアクセル
やっぱり女の子は、強い!
全日本選手権女子シングル。さすが、これだけのフィギュアスケートブームを支えてきた選手たちのぶつかり合いは凄まじい迫力で、見る者をひたすらに圧倒する。
ショートプログラム(SP)、上位が予想された6選手中5選手がジャンプはノーミス、それぞれのすべてを出し切る演技を見せてくれた。
まずは、全国民が彼女の不調を心配していた、といっても過言ではない浅田真央(中京大学)。
今シーズン7回挑んで成功は1回という確率のトリプルアクセルを、トリプルフリップのような難度の低いジャンプに置き換える案はあったと聞いている。レベルを落としたプログラムを滑ることに、浅田自身が納得するかどうかが、勝負の分かれ道ではないか、と。
しかし本番で彼女が跳ぶことを選んだのは、トリプルアクセル。この状況であくまでアクセルを選択してきたことは、無謀とさえいえるだろう。今季これだけ跳べていないジャンプに、なぜそこまでこだわるのか? ここまで巨大なプレッシャーのかかっているなか、なぜ自分がこの場所であのジャンプを跳べると思うのか?
その答えを、浅田は実際に跳ぶことで示して見せた。そして回転不足ながら着氷し、演技後には、見たこともないような満面の笑顔を見せた。さらにミックスゾーンで今日の演技について聞かれ、答えた言葉はひたすら「練習通りにできました」「練習通りにやれば、できると思いました」
フィギュアスケート、特にシングル種目は、一か八かの部分が多いスポーツだと思われがちだ。ジャンプを転んでしまったら、どんなに評価の高い選手でも勝てないし、試合ごとの運不運もあるのだろう、と。
しかし最後の最後、一番大事な時に、どれだけ自分の心を強く持って冷たい氷の上に立てるか。その日の体調も、ジャンプの調子も、天の神様のご機嫌も左右するのだろう。しかし一番大きな要素は、「これまでどれだけの練習を積み重ねてきたか」、その事実……でさえなく、「練習をしてきた、だから大丈夫」と選手自身が思えるかどうかだ。
浅田は、自分の人生のかかった舞台で、自分のしてきた練習を信じた。それは、誰の思惑よりも、誰の声援よりも、誰の支えよりも強いものだった。そしてその結果、浅田は一番自分の欲しかったものを得たのだ。
あの、今年初めて見せる花のような笑顔。そしてまずは一本、アクセルを降りることができた、その自信を。
■見せたい演技がある
極端なことをいえば、浅田と彼女の演技とのあいだに、他者はいなかった。彼女が信じたものは自分だけで、自分自身が納得するためだけに、浅田は滑った。
それに対して、目いっぱい自分のスケートで観客と対話し、他者の声援や後押しをすべて自分の力に変えようとしたのが、鈴木明子(邦和スポーツランド)だ。
「五輪選考のこと、順位や得点のことは、なるべく考えないように。それよりも大事にしたのは、『自分には見せたい演技があるんだ!』という気持ちです」
観客に、見せたいものがある。届けたい思いがある。「勝ちたい」という強い気持ちをその思いに置き換えることで、鈴木はプレッシャーを抑え込むことに、まずは成功した。それは彼女が自分と自分のスケートの間に他者がいるということ、その他者=観客が、たった一人で氷の上に立つ自分を助けてくれることを知らなければできないことだ。
鈴木は、他の選手のような実績や大舞台での経験、また強力なジャンプを持たない。その代わりに、フィギュアスケートは見るものがあって初めて成立するスポーツなのだということを、知っている。
コンビネーションジャンプ、ステップからのトリプルジャンプ、そしてダブルアクセル。決められたジャンプ要素をすべて完ぺきにこなしたとき、「良かった!」というように観客席が大きく沸いた。少なくない数の観客が、3つのジャンプをまず成功させることが重要だと知っていて、まずはそれを鈴木が成し遂げたことに大きな歓声を上げたのだ。このとき、彼女がどれだけ客席の支持を得、彼女のスケートがどれだけ待たれているかを知った。ほんの数年前まで、最終グループで滑ることも、テレビで演技が放映されることもかなわなかった彼女が、である。
そして見せ場であるストレートラインステップを決めた瞬間、芝居でいうところの「ジワ」が客席のそこかしこでおきた。彼女の動きのあまりの華麗さに、大歓声ではなく、うおーという声にならない声を人々が発したこと、人々の見えない鳥肌が確かにそこにあることが、その場の空気でわかったのだ。
「お客さんの拍手も、歓声も、全部聞こえていました。それは滑る前からのこと。滑っている間も歓声が聞こえてくることで、あ、自分は落ち着いているんだなって、わかったんです」
鈴木自身、そして観客。両者がいて初めて、鈴木のSP「アンダルシア」は完成をみた。
■究極の精神戦へ
自分の練習を信じた浅田。他者の存在を認め、味方につけることに成功した鈴木。
ふたりだけではなく、今季最高のSPを見せた中野友加里(プリンスホテル)も、得意のルッツで転倒しつつも最後まで自分のスケーを滑った村主章枝(AK)も、それぞれが「自分の持てる武器」で、まずはSPを戦った。
たとえば浅田は、まだ他者と対話するスケートを身につけていないが、練習さえ信じれば跳べることを知っている。
たとえば鈴木は、始めて五輪に挑むことの厳しさをまだ知らないが、自分のスケートが人を魅了することを知っている。
自分の持てる武器を知っている——それこそが彼女たち、フィギュアスケート日本女子チームの強さなのだろう。
そして今日、女子シングルフリー。強くて美しい選手たち、その最高峰6人が、全員同じ氷の上に揃って戦う。30人の中にばらばらに散って滑ったSPとは比べ物にならない、緊張感。あの場に立ったことのある者以外、誰にも想像がつかない、究極の精神戦が始まる。
http://sportsnavi.yahoo.co.jp/winter/skate/figure/text/200912270003-spnavi.html
第78回全日本フィギュアスケート選手権大会
スポーツナビ ウィンター フィギュア
@niftySportsフィギュアスケート特集
(財)日本スケート連盟
関連過去記事
スポーツ@フィギュアの話 - http://ameblo.jp/kakomonogatari/theme-10001901254.html
http://blog.goo.ne.jp/ms1229jp/e/8680743ce8a4fc0aa8fd28e733c82356
http://blog.goo.ne.jp/zen-en/e/d10ededb152a9235bde62a9b82a6c018
http://iitaihoudai.cocolog-nifty.com/iitaihoudai/2009/12/post-faae.html
http://slow-snow.seesaa.net/article/136646065.html
フィギュアスケート 全日本選手権 女子SP - スポーツナビ
<女子ショートプログラム結果>
1位 浅田真央 69.12 2位 中野友加里 68.90 3位 安藤美姫 68.68 4位 鈴木明子 67.84 5位 村上佳菜子 60.28 6位 村主章枝 58.70 7位 今井遥 55.98 8位 後藤亜由美 55.96 9位 藤沢亮子 55.82 10位 高山睦美 54.92 | 11位 中村愛音 54.60 12位 武田奈也 54.54 13位 村元哉中 53.34 14位 西野友毬 53.26 15位 澤田亜紀 51.48 16位 國分紫苑 51.12 17位 村元小月 50.06 18位 友滝佳子 49.02 19位 毛間内かれん 48.50 20位 淀粧也香 47.04 | 21位 水津瑠美 46.94 22位 萩原綾子 45.70 23位 日置檀 43.60 24位 瀬藤愛里 41.50 25位 佐藤菜乃初 40.80 26位 石川翔子 39.54 27位 井上はるか 37.68 28位 菊地妃奈子 37.10 29位 小原美咲 36.40 30位 大熊奈生子 35.80 |
演技終了後、観客の声援に応える浅田真央

浅田が首位に浮上!
浅田が69.12で首位に躍り出ました!
見事な演技を見せた浅田、得点は70点台に乗りませんでしたが、演技後は大きな笑顔で観客の声援に応えました。
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真央久々笑顔、ミスなし「明日につながる演技」

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真央ミスなし笑顔、SP今季自己最高
12月26日15時23分配信 読売新聞
フィギュアスケートのバンクーバー五輪最終選考会となる全日本選手権。浅田真央(中京大)は、ほぼミスのない滑りで69・12点の今季自己最高をマークした。
浅田は、冒頭のトリプルアクセル(3回転半ジャンプ)からのコンビネーションを、2回目のジャンプが予定の3回転から2回転になったものの、今季初めて形にした。
続く3回転フリップとダブルアクセル(2回転半)も無難にまとめ、演技終了後に久しぶりの笑顔がはじけた。
浅田は、グランプリ(GP)シリーズ今季開幕戦のフランス杯、続くロシア杯で、武器のトリプルアクセルの不調からSPで3位と6位、総合で2位、5位と低迷しており、以来全日本までの約2か月間、アクセルへの入り方を微調整するなど、ジャンプを軸にした滑り込みを続けてきた。
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![]() 浅田に迫る演技を披露し、声援に手を振る中野友加里 | ![]() 67.84を記録し、上位に浮上した鈴木明子 |
真央、首位!スッキリ笑顔で五輪王手
「フィギュアスケート全日本選手権第2日」(26日、大阪なみはやドーム)
残り2つの五輪出場枠に挑む女の争いは、大混戦の様相を呈した。女子のショートプログラム(SP)が行われ、浅田真央(19)=中京大=がトリプルアクセル(3回転半ジャンプ)は回転不足と判定されたものの、69・12点で首位発進。中野友加里(24)=プリンスホテル=が0・22差の68・90点で続き、鈴木明子(24)=邦和スポーツランド=が67・84で4位につけた。村主章枝(28)=AK=は6位と出遅れた。五輪代表に内定している安藤美姫(22)=トヨタ自動車=は68・68点で3位だった。
◇ ◇
総立ちの観客の真ん中に、笑顔を取り戻した浅田がいた。一瞬の間をおいて、今度は顔をゆがめる。そして、ひとみを潤ませた。「SPは今大会の一番のヤマ場だと思っていた。それを1つクリアできた」。満足感が口をついた。
演技直前、顔をこわばらせるほどの緊張感に襲われていた。課題だった最初のトリプルアクセル。回転不足で減点対象となり、完ぺきではなかったが、着氷して勢いに乗った。「アクセルは百発百中じゃないけど、そういうことを心がけてやってきた。1回転とか失敗ではなく、一応、跳ぶことができた。滑る前は緊張を抑えるのに必死。後半は今年初めて楽しく滑れた」と振り返った。
経験したことのない不振に悩み苦しんだ。5位に惨敗した10月末のロシア杯後、この日を目指して、やれることはすべてやってきた。プログラムを見直し、複数のジャンプを修正。「プログラムは半分以上変わった。(開幕当初とは)違った『仮面舞踏会』だったと思う」と明かすほどだ。
大一番で新プログラムを初披露するリスクは、少javascript:void(0);なくない。試合と同じ状況を想定したシミュレーションを、何回も繰り返すことで精神的な不安を取り除いた。「2カ月間、しっかり納得がいくまで練習してきた。練習を信じてやるだけ」。自己暗示にかけるように、言い聞かせてきた。
30選手中、9番目という早い滑走順だった。前夜は大好きな焼き肉を食べてリラックス。午前7時20分の公式練習に備えて4時台に起床して、大会に備えた。「きょうの感じはよかった。落ち着いてできたのが一番。明日につながった」。大会4連覇と初めての五輪代表。大混戦を勝ち抜いて、2つの目標を達成させる。
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強くて美しい戦いの序章
全日本選手権、女子ショートプログラム総括
2009年12月27日(日)
■浅田が跳んだ一本のトリプルアクセル
やっぱり女の子は、強い!
全日本選手権女子シングル。さすが、これだけのフィギュアスケートブームを支えてきた選手たちのぶつかり合いは凄まじい迫力で、見る者をひたすらに圧倒する。
ショートプログラム(SP)、上位が予想された6選手中5選手がジャンプはノーミス、それぞれのすべてを出し切る演技を見せてくれた。
まずは、全国民が彼女の不調を心配していた、といっても過言ではない浅田真央(中京大学)。
今シーズン7回挑んで成功は1回という確率のトリプルアクセルを、トリプルフリップのような難度の低いジャンプに置き換える案はあったと聞いている。レベルを落としたプログラムを滑ることに、浅田自身が納得するかどうかが、勝負の分かれ道ではないか、と。
しかし本番で彼女が跳ぶことを選んだのは、トリプルアクセル。この状況であくまでアクセルを選択してきたことは、無謀とさえいえるだろう。今季これだけ跳べていないジャンプに、なぜそこまでこだわるのか? ここまで巨大なプレッシャーのかかっているなか、なぜ自分がこの場所であのジャンプを跳べると思うのか?
その答えを、浅田は実際に跳ぶことで示して見せた。そして回転不足ながら着氷し、演技後には、見たこともないような満面の笑顔を見せた。さらにミックスゾーンで今日の演技について聞かれ、答えた言葉はひたすら「練習通りにできました」「練習通りにやれば、できると思いました」
フィギュアスケート、特にシングル種目は、一か八かの部分が多いスポーツだと思われがちだ。ジャンプを転んでしまったら、どんなに評価の高い選手でも勝てないし、試合ごとの運不運もあるのだろう、と。
しかし最後の最後、一番大事な時に、どれだけ自分の心を強く持って冷たい氷の上に立てるか。その日の体調も、ジャンプの調子も、天の神様のご機嫌も左右するのだろう。しかし一番大きな要素は、「これまでどれだけの練習を積み重ねてきたか」、その事実……でさえなく、「練習をしてきた、だから大丈夫」と選手自身が思えるかどうかだ。
浅田は、自分の人生のかかった舞台で、自分のしてきた練習を信じた。それは、誰の思惑よりも、誰の声援よりも、誰の支えよりも強いものだった。そしてその結果、浅田は一番自分の欲しかったものを得たのだ。
あの、今年初めて見せる花のような笑顔。そしてまずは一本、アクセルを降りることができた、その自信を。
■見せたい演技がある
極端なことをいえば、浅田と彼女の演技とのあいだに、他者はいなかった。彼女が信じたものは自分だけで、自分自身が納得するためだけに、浅田は滑った。
それに対して、目いっぱい自分のスケートで観客と対話し、他者の声援や後押しをすべて自分の力に変えようとしたのが、鈴木明子(邦和スポーツランド)だ。
「五輪選考のこと、順位や得点のことは、なるべく考えないように。それよりも大事にしたのは、『自分には見せたい演技があるんだ!』という気持ちです」
観客に、見せたいものがある。届けたい思いがある。「勝ちたい」という強い気持ちをその思いに置き換えることで、鈴木はプレッシャーを抑え込むことに、まずは成功した。それは彼女が自分と自分のスケートの間に他者がいるということ、その他者=観客が、たった一人で氷の上に立つ自分を助けてくれることを知らなければできないことだ。
鈴木は、他の選手のような実績や大舞台での経験、また強力なジャンプを持たない。その代わりに、フィギュアスケートは見るものがあって初めて成立するスポーツなのだということを、知っている。
コンビネーションジャンプ、ステップからのトリプルジャンプ、そしてダブルアクセル。決められたジャンプ要素をすべて完ぺきにこなしたとき、「良かった!」というように観客席が大きく沸いた。少なくない数の観客が、3つのジャンプをまず成功させることが重要だと知っていて、まずはそれを鈴木が成し遂げたことに大きな歓声を上げたのだ。このとき、彼女がどれだけ客席の支持を得、彼女のスケートがどれだけ待たれているかを知った。ほんの数年前まで、最終グループで滑ることも、テレビで演技が放映されることもかなわなかった彼女が、である。
そして見せ場であるストレートラインステップを決めた瞬間、芝居でいうところの「ジワ」が客席のそこかしこでおきた。彼女の動きのあまりの華麗さに、大歓声ではなく、うおーという声にならない声を人々が発したこと、人々の見えない鳥肌が確かにそこにあることが、その場の空気でわかったのだ。
「お客さんの拍手も、歓声も、全部聞こえていました。それは滑る前からのこと。滑っている間も歓声が聞こえてくることで、あ、自分は落ち着いているんだなって、わかったんです」
鈴木自身、そして観客。両者がいて初めて、鈴木のSP「アンダルシア」は完成をみた。
■究極の精神戦へ
自分の練習を信じた浅田。他者の存在を認め、味方につけることに成功した鈴木。
ふたりだけではなく、今季最高のSPを見せた中野友加里(プリンスホテル)も、得意のルッツで転倒しつつも最後まで自分のスケーを滑った村主章枝(AK)も、それぞれが「自分の持てる武器」で、まずはSPを戦った。
たとえば浅田は、まだ他者と対話するスケートを身につけていないが、練習さえ信じれば跳べることを知っている。
たとえば鈴木は、始めて五輪に挑むことの厳しさをまだ知らないが、自分のスケートが人を魅了することを知っている。
自分の持てる武器を知っている——それこそが彼女たち、フィギュアスケート日本女子チームの強さなのだろう。
そして今日、女子シングルフリー。強くて美しい選手たち、その最高峰6人が、全員同じ氷の上に揃って戦う。30人の中にばらばらに散って滑ったSPとは比べ物にならない、緊張感。あの場に立ったことのある者以外、誰にも想像がつかない、究極の精神戦が始まる。
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第78回全日本フィギュアスケート選手権大会
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