キングオブコント決勝進出者8組が決定
9月1日、コント日本一を決める大会「オロナミンC キングオブコント2009」の決勝進出者が決定し、東京・赤坂サカス サカス広場 SACAS STAGEにて決勝進出者による記者会見が行われた。

ベテランからアマチュアまで、合計2584組のエントリーの中から決勝まで勝ち上がったのはインパルス、サンドウィッチマン、しずる、ジャルジャル、天竺鼠、東京03、モンスターエンジン、ロッチの8組。

無名の若手の台頭が目立った昨年と比べ、今年はいわゆる“レッドシアター芸人”と呼ばれる人気の若手芸人(しずる、ジャルジャル、ロッチ)が決勝まで勝ち上がった。テレビという貴重な舞台で場数をこなした結果がこの大会にも生きた格好だ。

インパルス、モンスターエンジン、東京03、ジャルジャル、しずるは昨年準決勝で涙を飲んだが、今回晴れて決勝に進出。独創性の高いコントを構築し、実力には定評がある彼らが決勝の舞台でどのようなネタを繰り出すのか注目だ。

昨年から唯一2年連続で決勝進出したのは天竺鼠。大阪の準決勝でもアグレッシブなコントで大爆笑を誘っており、昨年以上に元気なところを見せてくれそうだ。

M-1王者サンドウィッチマンが得意のコントで決勝に進出したのも見どころ。司会のあべこうじから「M-1だけじゃなく、どこまで賞取っちゃうんですか?」と振られた富澤は「取れるものは全部取ろうと思ってます」と自信満々に宣言した。

優勝の自信を見せたサンドウィッチマンと好対照だったのが東京03。「(ここに来れただけで)もう十分ですね」(角田)、「達成感でいっぱい。決勝進出が目標だったのでこれ以上のことは考えてない」(飯塚)、「欲を言うなら決勝進出が決まった余韻を楽しみたかったので、この記者会見が翌日じゃない方がよかった」(豊本)と必要以上に謙虚な姿勢が、会場の笑いを誘っていた。

しずるは「(決勝進出が決まったこと聞いて)ネタじゃなくて2人で抱き合ってしまいました。僕らには同期がたくさんいるんですが、その中でも抜きん出てキングになりたいです」(村上)、「離れたくはないです、村上とは」(池田)と、コンビ愛を強調。ロッチのコカドは「発表で自分たちの名前があってからずっとぼーっとしている。緊張を通り越してます」と戸惑いつつも、「僕らは漫才ができない。コントしかできないのでこの舞台で羽ばたきたいと思います」と意気込みを示した。

モンスターエンジン西森は決勝進出を「むちゃくちゃうれしい」と素直に表現。普段劇場では漫才ばかりの彼らだが、最近は単独ライブなどもあり、コントに力を入れていることを明らかにした。

インパルス板倉と天竺鼠川原は終始ボケ倒し。「同期のロバートが昨年で今年は僕ら。来年はコンマニセンチが出るでしょう」「1000万円取ったら赤と白のボーダーハウスを建てたいですね」(板倉)。「唯一の2年連続決勝と言われるんですが、そんなことはないんですけどね……」「優勝して1000万円取ったら、あとは年を取って死んでいくだけ」「1000万円取ったら西森さんの工場にプレゼントしようと思ってます」(川原)

昨年の決勝戦は、第1段階が準決勝で敗退した芸人たち100人による審査で2組を選出し、第2段階では敗れた6組のファイナリストが優勝者を決めるという独特の審査方法が話題を集めたが、今年は審査方法がリニューアル。決勝進出者8組がそれぞれ2つのネタを披露し、ネタの合計得点が高い芸人が優勝するというシステムに変更された。

決勝戦の審査員は、昨年と同じく準決勝で敗退した芸人たち50組100名。彼らによる無記名の採点で行われる。1回目のネタ順は抽選。2回目のネタ順は1 回目の得点が低い順番に行う。1回のネタにつき、持ち点1人10点の計1000点満点で採点。2回の合計2000点満点のうちもっとも得点が高かった芸人が優勝となる。このシステム変更がどのような結果をもたらすかにも注目だ。

会見では抽選が行われ、決勝1本目のネタ順が下記のように決定した。

1. 東京03(プロダクション人力舎)
2. ジャルジャル(よしもとクリエイティブ・エージェンシー)
3. モンスターエンジン(よしもとクリエイティブ・エージェンシー)
4. ロッチ(ワタナベエンターテインメント)
5. 天竺鼠(よしもとクリエイティブ・エージェンシー)
6. しずる(よしもとクリエイティブ・エージェンシー)
7. サンドウィッチマン(フラットファイヴ)
8. インパルス(よしもとクリエイティブ・エージェンシー)

http://natalie.mu/owarai/news/show/id/20609

「キングオブコント2009」東京準決勝レポート
昨日8月31日、東京・赤坂BLITZで「キングオブコント2009」の東京準決勝戦が行われた。

山本吉貴による小気味よいMCのもと計48組が次々に登場。当日の台風で飛行機が運航せず森三中が不戦敗になるというアクシデントがあったものの、ほかには大きなトラブルもなく熱戦が繰り広げられた。

出場者のネタは下記の通り。

●エネルギー
子供が一人ぼっちで鬼ごっこをしていると、狂言師が一緒に遊ぼうと近寄ってくるが……。いちいち動作の遅い狂言師と、イライラする子供のやりとりが見どころとなっていた。

●劇団イワサキマサオ
サンドウィッチを万引きした男とそれを追いかける店員のおばさんのコント。万引き犯の口調が昔の黒澤映画風になっていて、徐々におばさんの口調まで古くさい言い回しになっていく。

●カレー
東京の準決勝で最初に会場が沸いたのがこのコンビ。内容は、企業の面接官と入社志望者との最終面接。面接官が「膝を曲げずに椅子に座ってください」「今の気持ちを8文字で言い表してください」などと無茶ぶりし、それに見事に応えていく志望者のやりとりが会場の笑いを誘った。

●ハイキングウォーキング
「キモひげ危機一髪」という「黒ひげ危機一髪」を等身大バージョンにしたネタ。間違った穴に刀を刺すと、キモひげが飛び出して“おしりにもんまり”をすると説明するが、果たして“おしりにもんまり”とは……!?

●ななめ45°
8年間離ればなれで暮らしていた父親と子供が喫茶店で偶然の再会を果たすが、その喫茶店を経営するおじいさんが、実は父親の父親だったことが判明。偶然の再会が二重に重なり、混乱する3人の小気味よいやりとりが印象的な彼らの代表作。

●2700
童話「桃太郎」をリズムネタで表現。一度聴いたら忘れられない「♪どんぶらこっこ、てぇーれー。♪どんぶらこっこ、てぇーれー」のリズムに合わせて巨大な桃が流れてくるが、おばあさんの力では持ち帰ることができず……。昨年決勝戦に進出した新進気鋭コンビの次なる一手で、会場のウケも大きかった。

●ビーグル38
老人2人によるお笑いコンビが公園で一般人にネタを見てもらうというコント。ボソボソとしゃべる老人のセリフをもう一人の老人が通訳する「あらびき団」などでもおなじみのネタを本来のメンバーの3人で演じた。

●キングオブコメディ
教習所を舞台にしたコント。生徒は登場するなりカーステレオの音量を全開にしてPUFFYの「渚にまつわるエトセトラ」を大熱唱。そんなやっかいな生徒を前に教官は……。

●インスタントジョンソン
病院の院長をカラオケで接待する2人の営業マン。気持ちよさそうにアン・ルイスの「あゝ無情」を歌う院長に合いの手を入れる2人だが……。テレビでもおなじみのネタだが会場は大きく沸き、笑いながら拍手する観客も。

●シソンヌ
洋服屋で試着する客と店員のコント。客が求めているのは逮捕されたときに頭の上からかぶせるための洋服だが、それにツッコみもせず「それでしたら……」と、次々に提案する店員。Wボケのかけあいが見どころだった。

●鬼ヶ島
授業中に“『もののけ姫』ごっこ”に興じる男子生徒と女子生徒。その遊びに代理教師が巻き込まれていくが……。

●ザ・パンチ
医者と父親が深刻そうに語り合っている。その内容は「娘さんの病名は……ブスです」というもの。女性客が多い会場で大きく勝負に出たザ・パンチだが、爆発はならず。

●ニブンノゴ!
床屋の店員2人が次に来た客を笑わせようと企むが、たまたまやってきたのは暴力団風の怖い男。店員2人は、それでもなお笑わせにかかる。

●ロザン
プロ野球選手が入院中の少年のところに見舞いにやってきた。「ホームランを打ったら手術を受けると手紙に書いてあったけど、俺には無理や」と、正直に話すが、少年は聞き入れず……。

●ジャングルポケット
修学旅行の夜、2人の男子生徒が女子部屋を訪ねようと廊下を歩いていると、生活指導の教師に遭遇。教師はかたくなに女子部屋に行かせまいとするが、その真の理由とは……。

●エレキコミック
教室で大便を漏らしてしまった生徒と、それをいち早く見つけた友人。漏らした生徒は最初のうちはごまかしていたが、すぐにごまかしが効かなくなり、最後には開き直って好きな子に告白までしようと試みる。最初から最後まで下ネタ1本で通したが、会場は引くことなく大きな笑いで包まれていた。

●や団
銀行強盗と銀行員2人のコント。銀行強盗のナイフを奪った2人は、さっきまで怯えていた態度を豹変させて反撃に出るが、今度は強盗がピストルを取り出して……。

●NON STYLE
同じ房でつながれたさくらんぼの男と女。自分の頭が一カ所虫に食われてしまったことを気に病み、別れようと言い出す女に対して、男は優しさを見せるが……。笑わせてホロリとさせて驚かせるという、4分間の中に喜怒哀楽のさまざまな感情が詰め込まれたコントだった。

●アンジャッシュ
「自分の彼女が浮気をしているのではないか」と、友人に相談を持ちかける男。ところが、彼女の浮気相手が友人だったことが判明し……。アンジャッシュ得意の勘違いネタを4分間の構成でコンパクトに表現。

●はんにゃ
童謡「ゆかいな牧場」のメロディーに合わせて“あったら嫌なこと”を歌い合う「イヤイヤヨゲーム」。

●東京03
古くからの代表作「コンビニ強盗」。臆病すぎる店長と何事にも動じない店員のいるコンビニに強盗がやってきた。ナイフをちらつかせる強盗は、必要以上にビビリまくる店長と、涼しい顔で応対する店員を前に「ちょうどいいのはいねーのか!」とキレて……。3者3様のキャラが見事にハマり、会場も爆発。


●ハマカーン
息子を誘拐された父親が身代金を持って犯人に指示された場所に到着。その場所にはホームレスのおじさんがいて、父親に話しかけてくる。実はそのホームレスは扮装した警官であることが判明し……。

●インパルス
墓参りをしている若い男のもとに、遠くから「ワシの娘を返せ!」と怒鳴り込んできた中年。いきなり若い男の顔面を殴るが、すぐに人違いであることがわかり……。舞台を大きく使ったコントで会場も沸いていた。


●ダイノジ
つい数秒前のことを忘れてしまう“メモ魔”の不動産屋と、住まいを探しに来た客のネタ。前半にメモしたキーワードが徐々に混乱を招く引き金になっていく。男性客の笑い声が目立った。

●しずる
椅子に縛り付けられた男と、その男のこめかみにピストルを向けるもう一人の男。縛り付けられた男が不意に発した「冥土の土産に……」の言葉に「“冥土の土産 ”ってどういう意味だ?」と2人して悩みはじめ、その謎を解く課程で徐々に友情が芽生えていくというネタ。ストーリー構成や演技力が観客の心をつかみ、最後には大きな拍手も。


●グランジ
「我慢できない症候群」にかかった少年とその母親が、医者の診断を受けるというコント。ある曲を医者が口ずさむと、少年は合いの手を入れるのを我慢できず、先走って声を出してしまう。ここでも会場は大きく揺れるほどの爆笑が。

●アップダウン
ボクシングの勝者インタビューネタ。何をしゃべっても甲高い声になってしまうボクサーと、それをおちょくるインタビュアーの駆け引きが笑いを誘っていた。

●アルコ&ピース
振り込め詐欺の電話をかけている男が、電話先の男から返り討ちに遭って右往左往するネタ。意外な展開が繰り広げられる時事ネタ風コントに観客も釘付けに。

●サンドウィッチマン
美容院を舞台にした、美容師と客のオーソドックスなコント。彼らが敬愛するバカルディの名作「美容室」を彷彿とさせながらも、サンドウィッチマンらしいダークな笑いが随所に表れた完成度の高い1本。この日の会場で上位に入るほど大きな笑いを獲得していた。


●ジューシーズ
演技が大好きな3人が次々に設定を変えながら、いろいろな役柄を演じていく。寸劇の合間のブリッジで、3人が全力ではしゃぐ姿が爆笑を呼んでいた。

●ラバーガール
遊園地のアトラクションにいるツアーコンダクターと客のネタ。魔物を倒す「ミステリーツアー」に出かけるコンダクターと客だが、ノリノリなのはコンダクターだけで……。

●どきどきキャンプ
ある番組で家族と感動の再会を果たした男と、番組司会者のやりとりをコントに。再会を果たした男は、喜びと感謝の気持ちを曲にして届けようとするが、彼が歌う曲はデスメタルばかりで、次々に司会者からダメ出しされる。

●ドランクドラゴン
古くからの代表作「喫茶店」。間が悪い上にバカ丁寧な反応を示すウェイターと、そんなウェイターに翻弄される客のやりとりは王道感漂うものだった。

●COWCOW
この日唯一スクリーンを使ったコントを展開したCOWCOW。犯人を追い詰めた警察が逐一ブログを更新して、逮捕するまでを実況中継するというもの。演技と同時進行でスクリーン上にブログの画面が映るという新機軸のコントで、観客の反応も上々だった。

●トップリード
ワインソムリエが客のオーダーに応じたワインを用意する。1つ1つの味を寸劇で表現するのだが、客はしっくりこない顔を浮かべ……。

●Wエンジン
思いやりのある野球部の顧問と、その優しさを素直に受け止められない不器用な生徒のやりとりをコントに。口をふさいだまま大声で思いを伝えようとする、チャンカワイのおなじみの流れも取り入れられていた。

●ザブングル
漂白剤を入れすぎてシャツを台無しにした男が、その苛立ちを犬にぶつけていたところ、犬の飼い主が現れて……。

●ピース
1 本角を持つバケモノと、バケモノを飼い慣らしている心優しい主人のコント。3万円のお小遣いをもらい、主人とともに原宿にジーパンを買いに来たバケモノ。ところがバケモノは、目的地の近くで「やっぱりジーパンはいらない」と言い出す。その理由を主人が問いただすと……。笑いながらも心温まるピースらしさ全開のネタだった。

●ロバート
文化祭の出し物でジャパニーズ・レゲエを披露しようとする学生2人。そのうちの1人が、ストリートでジャパニーズ・レゲエをやっている親戚のお兄さんを呼び寄せるが……。得意の歌ネタで今年も決勝進出を目指したロバートだが、東京準決勝で唯一のタイムオーバーとなってしまった。

●フルーツポンチ
共通の好きな女の子がいる親友同士のコント。ネタ本編もウケていたが、大事なセリフを亘が噛んでしまったことによる笑いのほうが大きかったのが印象に残ってしまった。

●ロッチ
取調室での刑事と容疑者のネタ。取調中に刑事がカツ丼を電話で注文するが、その要領の悪さに苛立ちを隠しきれない容疑者。最初無口だった容疑者が徐々にヒートアップしていく様が圧巻で、会場も沸きに沸いた。


●ペナルティ
自転車が故障して困っている人のもとにやってきた修理屋のブルース・リー。自転車は無事に直ったものの、なぜかブルース・リーが必死の形相で追いかけてきて……。

●TKO
右も左もわからない新入りのレスラーが、ケガで試合に出られないマスクマンの代理役に抜擢されるというネタ。

●かまいたち
CDショップにやってきた客と店員のネタ。ある曲のCDを探すためにうろ覚えの歌を店員に口ずさむ客。店員は「こういう曲ですか?」と、その歌を歌い出すが……。予想外の展開で進んでいくコントで会場も爆笑の渦に。

●ジャルジャル
寿司屋のオーナーと従業員が「しりとり」で勝負するネタ。一度セリフが飛んだら修復するのが難しそうなコントを見事に演じきったジャルジャル。4分間の中に何度も山場が訪れ、客席も大きく沸いた。


●天津
激安賃貸料のマンションに引っ越してきた男の部屋に幽霊が現れる。ところがその幽霊は偶然にも家主と同級生で……。

●THE GEESE
アメリカかぶれの日本人がニューヨークで強盗に遭うネタ。日本人が英語を話すたびに発音の間違いを1つ1つ指摘され、徐々に英会話スクールに発展していく。途中、音響のミスで大オチの音が出てしまうというアクシデントに見舞われたのが不運だった。

●トータルテンボス
回転率を上げたいファミレスの従業員と新入りのアルバイトのやりとりをコントに。

既報の通り、東京準決勝から決勝に進出したのは東京03、インパルス、しずる、サンドウィッチマン、ロッチ、ジャルジャルの6組となった。決勝での彼らの活躍に期待しよう。

http://natalie.mu/owarai/news/show/id/20639

「キングオブコント2009」大阪準決勝レポート
8月28日、大阪・松下IMPホールで「キングオブコント2009」の大阪準決勝戦が行われた。

大阪の準決勝には21組が登場し、MCの土肥ポン太の失笑確実のギャグとともに、熱戦を繰り広げた。

出場者のネタは下記の通り。

●さかなDVD
行列のできるラーメン屋「宝来軒」のラーメンをインスタントにしたいと懇願する代理店の男と、断固拒否する店主とのやり取り。初代から味を守り続けている店主の頑なな心に仕方なくあきらめるも、サブ企画としてラーメンおにぎりやラーメンアイス、パチンコ台など、懲りずに依頼する代理店の男。そのどうしようもなさに、現代のビジネス残酷物語が垣間見られた。

●シャングリラ
弟が好きな女性の告白にいてもたってもいられなくなり、死んだはずの兄が復活して手助けをするという内容。とはいえ、結局は混乱を招くだけで……。

●ソーセージ
いつもは忙しい父親が、たまに子どもたちと過ごしてみたら、その“大人過ぎる実態”に衝撃を受けたという内容。

●銀シャリ
現代にタイムスリップした侍がカリスマ美容院を訪れるが話はかみ合わず……というネタ。鰻の侍キャラがいい味を出していたが、規定の4分30秒以内にネタを収めることができず、オチまでたどり着くことができなかった。

●ドレッドノート
受験戦争の荒波に呑まれて、結局は頭がショートした学生のやり取り。全コント中もっともシュールな内容だった。

●ザ・マンモス
吉本新喜劇の今別府と宮崎のコンビ。そんな彼らが繰り広げたのは、DVDレンタル屋でどの映画を見ようか迷っている青年と、青年に手を差し伸べる水野晴郎の間で繰り広げられるコント。今別府のあまりにも残念な感じのやるせなさが、存在感を放っていた。

●かりんとう
取調室で容疑者を調べている警部と、そんな彼をギャルの様にジャマをする記録係のやり取り。声がカン高いふたりのやり取りはネタ以上に彼らの印象を強くしていた。

●モンスターエンジン
競馬の実況中継を半世紀していた老アナウンサーが、クビになったあともその座に固執し、ある大胆な手段で復活するという内容。西森演じる“老いてもなおプライドの高い男キャラ”が多くの笑いを誘っていた。

●三日月トリオ
UNOで遊ぶ子ども3人のありがちな光景が、徐々に3人の関係性が崩れていき、最後には狂った様相を呈するという演劇的コント。坊主の里重のキャラは多くの人の目に焼き付いたのでは。

●天竺鼠
まるで一触即発、ケンカでも起こりそうな荒々しい口調の会社員二人の、実は礼儀正しくも熱い友情にあふれた関係を描いたギャップコント。シュール過ぎず、ベタ過ぎず、まさにいい塩梅の笑いで会場の空気をつかんでいた。


●プラスマイナス
電車に乗ったはいいが、独特の口調、声質の車掌に振り回される男の悪夢。兼光演じるなんとも言えない車掌に、見ていて妙な胸騒ぎを感じた人も多いのでは。

●サバンナ
八木扮するスーパーの店員に高橋少年が一方的に「助けられた」と言いながら恩返しするコント。しかし、恩返しの中味はどれもがうっとうしいもので、腹を立てさせることに関しては天下一品の高橋の才能が爆発していた。

●ゼミナールキッチン
ちゃぶ台で食事をする夫婦。倦怠期かと思いきや、荒々しい口調とは裏腹にお互いのことを愛して愛してやまないというコント。しかし、最後に会場の誰もが予想し得なかった意外などんでん返しが。賛否両論だが、間違いなくこの日一番の“驚き笑い”を獲得していた。

●GAG少年楽団
見た目はオタクか草食系という感じの転校生に興味を持った同級生が、実際に話しかけてみると抱いていたイメージが裏切られていくという内容。展開がこなれており、転校生キャラを演じる宮戸が良い“ウザイ感”をたっぷり出していた。

●ファミリーレストラン
宴会の合いの手として「フゥーフゥー」というかけ声を上げて生計を立てている男たちの話。母親が入院したことで「仕事を辞める」と言い出した社員。彼を激励すべく社長が一世一代の「フゥー」を連打するが……。

●DA-DA
甲子園の開会式でふざける選手の模様をコントに。サイレンのマネをしたり、選手宣誓をむちゃくちゃにする彼ら。果たして甲子園の結果やいかに。

●D・N・A
肩がぶつかった男たちのケンカ。しかし、ただのケンカではなく、ひん死の男性がイリュージョンマジックで反撃に出る。DIY感溢れる彼らのイリュージョンには会場から多くの拍手が送られていた。

●はだか電球
合唱部の生徒とクセのある女性顧問とのやり取りをコントに。課題曲「ルージュの伝言」を練習するが、顧問のマイペースぶりに振り回される生徒。やり取りだけでなく、顧問役の後藤のブサイクぶりにも多くの笑いが起きていた。

●ビーフケーキ
「4」と「6」という数字に扮したコント。「休みを取りたい」と言った「5」のために、両隣の数字である彼らが対策を練るという不条理劇のような内容で異彩を放っていた。

●チョップリン
商品の検品のアルバイトに来た新入りと、仕事を教えるベテランとのやり取りをコントにした彼らの代表作。ティッシュペーパーを検品するという無間地獄のような仕事に何とも言えないオフビートなオチを付け、実力派芸人としての面目を示した。

●ザ・プラン9
事故で島に取り残された3人の男女。ボートで助けが来るも、ボートには一人ずつしか乗れない。結果、次のボートを待つまで島には2人が残されるが、残された 2人には何らかの因果関係が生まれ、怒濤の展開が繰り広げられる。演劇的な展開をわずか4分に凝縮する彼らの技量が光った。

既報の通り、大阪準決勝から決勝に進出したのはモンスターエンジンと天竺鼠の2組となった。決勝での彼らの活躍に期待しよう。

http://natalie.mu/owarai/news/show/id/20600

キングオブコント2009オフィシャルブログ
キングオブコント2009公式サイト

YouTube - KINGOFCONTE


去年は全然興味無かったけどねぇ
今年はNON STYLEが準決勝までいったから
なんとなく情報としては注目
TBSのOAの無いエリアだしさ

サンドが取ったらスゴイなぁ
個人的にはモンエンに期待かな。


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