朝青龍、疑惑を全面否定=「いずれも真剣勝負」-「八百長」記事訴訟で出廷
10月3日15時57分配信 時事通信
 大相撲で八百長が横行していると報じた週刊誌「週刊現代」の記事をめぐり、日本相撲協会と力士らが発行元の講談社などに損害賠償と謝罪広告を求めた訴訟の口頭弁論が3日、東京地裁(中村也寸志裁判長)で開かれ、原告の1人として横綱朝青龍が出廷した。朝青龍は「すべて真剣勝負だ」と疑惑を否定した。
 朝青龍は午後2時10分すぎ、羽織姿で入廷。満員の傍聴席に苦笑いした後、流ちょうな日本語で宣誓書を読み上げた。
 原告側の主尋問で、朝青龍は記事について「まったくのうそです」と述べ、八百長への関与や金銭の授受を全面否定。周囲にも八百長をやっている力士はいないと強調した。
 講談社側は、朝青龍が優勝した2006年九州場所について追及。千秋楽も八百長が成立しており、対戦した千代大海は自ら土俵を割ったと主張したが、朝青龍は「真剣勝負です。そう思うのなら見る目がない」と反論した。
 記事が出た後に成績が落ちたのは、八百長がしにくくなったからではないかとの質問には、「(原因は)けがです」と不満げに語った。
 同日は記事を執筆したフリーライターの武田頼政氏も出廷し、「記事に間違っているところは何ひとつない。八百長は根深く、取り去りにくい病気だ」と批判した。
 
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20081003-00000096-jij-soci


そりゃ「八百長しました」とは言わないよね
全面否定とセンセーショナルに伝える必要もないのに
マスコミは煽りまくり

星の貸し借りは昔っから言われてた事だけどね
大問題になったのをキッカケに 変なウワサが立たないようにはして欲しい



【大相撲八百長訴訟(1)】「横綱、大関は70~80万円で負け依頼」元小結・板井氏
10月3日12時52分配信 産経新聞
 《大相撲の八百長疑惑を報じた「週刊現代」の記事で名誉を傷付けられたとして、日本相撲協会と横綱朝青龍関ら力士が発行元の講談社などに損害賠償などを求めた訴訟の弁論が3日、東京地裁(中村也寸志裁判長)で行われた。この日の弁論では、元小結・板井、板井圭介氏やジャーナリストの武田頼政氏が出廷。午後からは、現役横綱の朝青龍関が出廷、本人尋問が行われる》

  ■写真で見る■ 東京地裁前に姿を見せたやくみつる氏


 《講談社側の証人として、平成12年に日本外国特派員協会で実名を挙げて八百長を告発した元小結の板井圭介氏が出廷。八百長はあると明言し、具体的なやり方を証言した》

 講談社側の代理人「(板井氏が現役時代に)八百長はありましたか」

 板井氏「ありました」

 講談社側の代理人 「今もあると思いますか」

 板井氏「思います」

 講談社側の代理人「どう行われるのか」

 板井氏「当時は横綱と大関が(勝ち星を)買い取り、(一番)70~80万円で下位の力士に負けるよう頼んでいました。(前頭や幕内は)専門用語で『1勝1敗』と言いますが、借りが残ったら20万円支払いました」

 講談社側の代理人「貸し借りは原則か」

 板井氏「はい」

 講談社側の代理人「同じ場所のうちにか」

 板井氏「そうですね。1回、(勝ち)星を買うと、『戻してくれ』という人もいるます。戻せない場合は金を払います。1回勝つと1回負けないといけません」

 講談社側の代理人「横綱は」

 板井氏「買うのがほとんどで、『1番つくって下さい』という人もいます。金で負けるより、誰かに勝たせて欲しいという力士もいます」

 《板井氏は、八百長の具体的な方法も描写した》

 講談社側の代理人「八百長は事前に分かるのか」

 板井氏「親方からこういう相撲で勝てと。『お前は叩けばいいのだ』と」

 講談社側の代理人「相手力士とやりとりするのですか」

 板井氏「全然(違う)。親方が(指示する)。新人なら八百長は出来ませんが、『こいつは八百長やる』と噂が広がると、『俺が先に負けるので誰かに負けてくれ』と」

 講談社側の代理人「誰が八百長力士かは」

 板井氏「100%分かります。星が有利だと安心できます。(自身も)若いときはありました。それが相撲協会のルールで暗黙の決まりです」

 講談社側の代理人「取り組みは前日決まりますが、八百長はどう決めるのですか」

 板井氏「付け人を通じて相手の部屋に直接頼みます。支度部屋にいけるわけじゃないので、頼んで了解を得れば成立します。当時はそれが当たり前の世界。(頼まれれば)『はい』と簡単なものでした」

 講談社側の代理人「八百長力士は多いと」

 板井氏「正直、全体の取り組みの75~80%が八百長です」


 講談社側の代理人「金が欲しいからなのか」

 板井氏「というより、地位を保ち、長く維持したい。『一勝一敗』なら精神的に楽じゃないですか。10(番)のうち5つあれば残りの5番で3勝すれば勝ち越しになります。結局、真剣勝負でないと(上には)上がれません。数少ない『ガチンコ』が力士の生命線になると」

 講談社側の代理人「真剣勝負しかしない力士はいますか」

 板井氏「若乃花、貴乃花、大乃国だけ」

 講談社側の代理人「それ以外は八百長すると」

 板井氏「ことが多いですね」

 講談社側の代理人「プロから見て八百長は分かるのですか」

 板井氏「正直、一番限定なら(分かる)。きわどいのはありますが、3、4場所、1年間見れば、99・999%位は分かります」

 講談社側の代理人「不自然な取り組みとは」

 板井氏「力士はそれぞれの型があります。僕はつっぱり(型)で、まわしを取られない自信がありました。それが取られた場合、ほぼ八百長です。とにかく、簡単に分かるとしか言いようがありません」

 講談社側の代理人「朝青龍と(関脇の)安馬の試合では、安馬がはたき込みで負けたが、不自然なところは」

 板井氏「安馬ならバシッとあたるが、フワッとあたっている。私の目から見れば(八百長だ)」

 講談社側の代理人「立ち合いが大事だと」

 板井氏「立ち合いで一瞬に(八百長が)分かる相撲もあります」

 講談社側の代理人「琴奨菊との対戦は」

 板井氏「ああいう相撲はあり得ない。力を抜いているようにしか見えません」

 講談社側の代理人「千代大海は」

 板井氏「話が決まっていますから。ガチンコではあり得ない」

 講談社側の代理人「今でも八百長はあると」

 板井氏「残念ですけど(ある)」

 講談社側の代理人「なぜ本日証言したのか」

 板井氏「北の湖がこの裁判を訴え、(事実上)力士に『今後、八百長して良い』とメッセージを残してしまいました。正直、朝青龍のことは言いたくありません。(提訴は)絶対やっちゃいけない。仮に真剣勝負でもやるべきではありません」

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20081003-00000533-san-soci

【大相撲八百長訴訟(2)】「講談社からお金は?」「一銭ももらってない」
10月3日14時50分配信 産経新聞
 《「70~80万円で負けるよう依頼」「全体の取り組みの75~80%が八百長」「真剣勝負しかしないのは若乃花、貴乃花、大乃国だけ」。講談社側の証人として出廷した元小結の板井圭介氏が、次々と“爆弾証言”を放つ。板井氏は引き続き、相撲協会側が提訴したことで事実上八百長にお墨付きを与えてしまったと主張。協会側の対応を批判した》

 講談社側の代理人「(提訴は)許せないと」

 板井氏「というより、やっちゃいけない。『これからも八百長やっていいよ』と言っているようなものですよ。考えられません」

 講談社側の代理人「今後の相撲界を考えて、と」

 板井氏「そうですね」

 講談社側の代理人「証人にになることで有名になりたいとの見方もありますが」

 板井氏「テレビも勘弁してほしいくらい。(有名になるのは)いやです」

 《ここで講談社側の代理人は板井氏の側に寄り、八百長疑惑を報じる過去の週刊誌記事などを集めたファイルを提示した》

 講談社側の代理人「何をご存じですか」

 板井氏「うちの親方らが『週刊ポスト』に八百長疑惑を連載していました。というより、北の湖叩きをやっていました。現役時代の北の湖は男気があってあこがれ、『この部屋に入ればよかった』と思いましたが…」

 《ここで相撲協会側の代理人が反対尋問を始めた》

 相撲協会側の代理人「大鳴戸部屋にスカウトされ、年寄株を将来に、との話は?」

 板井氏「ありました。『幕内に行けば責任を持って譲るから』と」

 相撲協会側の代理人「現在の仕事は?」

 板井氏「ガラス工」

 相撲協会側の代理人「他に収入源は?」

 板井氏「まったくありません」

 《相撲協会側の代理人は、板井氏に解雇決定を下した当時の相撲協会理事会議事録のファイルを見せた。板井氏は私憤で八百長疑惑を主張していると指摘したいようだ》

 相撲協会側の代理人「(当時の決定では、板井氏は)力士の職責を果たしてないので不適当と」

 板井氏「初めて見ました。(当時)口では聞きました」

 相撲協会側の代理人「理事会の日にどこにいましたか」

 板井氏「親方になれると思い、紋付き袴を着て待機していました」

 相撲協会側の代理人「自分は親方襲名のつもりだったのにクビと。突然聞いて、どう思いましたか」

 板井氏「正直、頭に来たですよ」

 《相撲協会側の代理人は、大鳴戸部屋の記事を板井氏に見せて内容を確認した》

 相撲協会側の代理人「大鳴戸親方は、『関取になれるときは注射(八百長)』と。『私が三役になったら年寄株をやる』と」

 板井氏「幕内に上がったら、と」

 相撲協会側の代理人「入門した時に注射の話はなかったでしょう」

 板井氏「覚えていません。このときは親方のイメージを悪くするように協力したと思います」

 相撲協会側の代理人「平成12年の2月2日に日本外国特派員協会で話をし、『週刊現代』でも話をしています。あなたから話をしたのですか。週刊現代から来たのですか」

 板井氏「自分からだと思います。僕らからすれば、(八百長は)いまさらという話。感覚が麻痺(まひ)しています」

 相撲協会側の代理人「なぜ連絡を取ったのですか」

 「当時は八百長も大分減っていました。『いま話しても問題にならない』と思って」

 相撲協会側の代理人「週刊現代の知り合いの記者に言いましたか」

 板井氏「言う前に取材に来ましたが、八百長の話はしていません」

 相撲協会側の代理人「特派員協会の会見は誰から?」

 板井氏「私から。いきなり記者クラブに行きたかった。(週刊現代の報道と)同時に男らしくやりたいと」

 《週刊誌上のだけでなく、多くのメディアを通じた告発をしたかった、との説明とみられる》

 相撲協会側の代理人「具体的な根拠は示していませんね」

 板井氏「はい。(証拠の録音)テープを持っていましたが、あの場で流したら大変。八百長が無くなればよいので、擁護しました。ことが大きくなり過ぎるのも嫌です」

 相撲協会側の代理人「『スポーツ報知』では(板井氏は)『過去のデータを見れば分かる』と話したと」

 板井氏「これは初めて見ました。多分言ってません」

 《相撲協会側の代理人は、新聞記事をめくりながら板井氏の証言の曖昧さを追及する》

 相撲協会側の代理人「(出島は)『多分今日勝ちます』との話は事実ですか」

 板井氏「間違えて言ったと思います。対戦の日付を(板井氏が誤解して)間違え、訂正したと思います。だって、出島は(八百長を)やりませんもん」

 相撲協会側の代理人「なざ分かるのですか」

 板井氏「(当時は)僕に協力してくれる人もいました。『分かるから分かる』としか言えません」

 相撲協会側の代理人「事前情報があるのに間違えるのですか」

 板井氏「わかります。裏でいっぱい話してます」

 相撲協会側の代理人「平成18年九州場所、19年初場所が問題だと。『週刊現代』は『(九州場所では)朝青龍の真剣勝負は4番だけだ』と。あなたも同意見ですか」

 板井氏「全試合を観ているわけでもないし、何とも言えません」

 相撲協会側の代理人「事実としては」

 板井氏「分かりません。事実は分かりません。自分がいないので」

 相撲協会側の代理人「講談社からお金をもらいましたか」

 板井氏「一銭ももらっていません」

 《相撲協会側の代理人は、八百長試合の物的証拠がない点を追及する》

 相撲協会側の代理人「安馬関の八百長はいつ約束したのですか」

 板井氏「知りませんよ」

 相撲協会側の代理人「(先ほどの話では)付け人がすると」

 板井氏「僕らの時はそうでした。今は分かりません」

 相撲協会側の代理人「金額は。いつどう支払われたのですか」

 板井氏「知りません」

 相撲協会側の代理人「不自然とは言えると」

 板井氏「はい」

 相撲協会側の代理人「主観だが、カネや貸し借りの約束や決裁は知らないでしょう。重要な要素は何も分かっていないのでは」

 板井氏「そういう意味では知りませんね」

 相撲協会側の代理人「北の湖の『(提訴)すべきでない』との説明を」

 板井氏「今の力士に、八百長をやってもよいと受け止める力士がいる気がします。悪影響を及ぼします」

 相撲協会側の代理人「なぜそうなるのですか」

 板井氏「だって、八百長を取り締まるのが相撲協会の親方なのに、そう思いません?」

 相撲協会側の代理人「間違いだと裁判を起こすのは当然では?」

 板井氏「意味が理解できません。(八百長は周知の事実との前提で)北の湖は八百長はないと思っているんですか」

 相撲協会の代理人「(証拠は)ないでしょう」

 板井氏「はい」

 《双方のやりとりはかみ合わない。この後、講談社側の代理人から補足の質問があり、最後に裁判官が板井氏に尋ねた》

 裁判官「星の貸し借りは覚えていませんか」

 板井氏「新聞(の星取表)で、『これが八百長だ』といたずらにつけていたのが『週刊現代』で出ました」

 裁判官「それを見返して(勝ち星、負け星のやりとりを)把握していたのですか」

 板井氏「そこまで深くは…。当時は八百長の力士が対戦すると、ほとんど八百長なんですよ」

 裁判官「あなたの考えでは、残りの5番で決まるのですか」

 板井氏「はい」

 裁判官「15勝0敗は」

 板井氏「ガチンコで4連敗していたら勝てません」

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20081003-00000546-san-soci

【大相撲八百長訴訟(3)】「横綱昇進に1000万」ライターも具体的証言
10月3日15時2分配信 産経新聞
 《元小結、板井圭介氏に続いて証言台に立ったのは、記事を執筆したノンフィクションライターの武田頼政氏だ。板井氏と比べても見劣りしない大柄な体格の武田氏は、グレーのスーツ姿。黒縁めがねに口ひげ、あごひげという特徴的な風貌で、少し窮屈そうにいすに座ると、自身の経歴について説明を始めた》

 講談社側の代理人「あなたの、ジャーナリストとしての関心分野はどういったものですか」

 武田氏「元々は航空と軍事です。航空雑誌にいましたが、雑誌がつぶれちゃったので、1988年に週刊現代のライターになりました」

 講談社側の代理人「本は何か出されていますか」

 武田氏「2年前に(プロ野球の)ジャイアンツの本を出しました。あとは相撲です。オウム真理教の坂本弁護士一家殺害事件については、最初にスクープしたと自負しています」

 講談社側の代理人「(活動分野は)相撲だけではないということですね」

 武田氏「スポーツだけでは食べていけませんので」

 講談社側の代理人「いつから相撲の取材をされているのですか」

 武田氏「1988年9月ごろです。ちょうど、その年の3月に若貴兄弟が入門し、デスクなどに『おまえは体が大きいから相撲をやれ』と言われたためです。(若貴兄弟が所属していた)藤島部屋を中心に取材していました」

 講談社側の代理人「それは、何かすぐに記事にするための取材だったのですか」

 武田氏「若貴がどう成長し、出世していくのかを長期的に追うため、朝稽古や巡業先にもついて行きました」

 講談社側の代理人「朝稽古の取材というのは、何時ぐらいからしていたのですか」

 武田氏「午前5時とか6時を連日です。終わった後、親方に話を聞いたり、あと、本人達は口が堅いんですが、本人達の言葉を何とか引き出そうと

 講談社側の代理人「巡業にもついて行ったのですね」

 武田氏「ほとんど全部行きました。当時は若貴ブームで、どこにおっても大騒ぎでしたから。本当に、藤島部屋に日参していたという感じでしたね」

 《講談社側の代理人は、武田氏の取材経験を紹介することで、記事に信憑性があることを印象づけたいようだ》

 講談社側の代理人「5年以上はそういう感じだったのですか」

 武田氏「もちろん。それぐらいやっていないと仕事になりませんから。親方さんとかにどれだけ顔を覚えてもらえるか。力士からもこそっと『かわいがりにあって、悩んでいる』といった話を聞いたりね。お相撲さんの言葉を引き出すのには、時間がかかります」

 講談社側の代理人「それは相撲界の性質もあるのですか」

 武田氏「すごく因習にとらわれています。八百長問題もそうですが、表と裏の顔がはっきりしているので、裏の部分を見るには時間も技術も必要なんです

 講談社側の代理人「まずは信用してもらうと」

 武田氏「信用を勝ち取るのと同時に、『批判もするよ』という姿勢を見せて、受け入れてもらえないと週刊誌は書けません。スポーツ紙とは違いますから」

 講談社側の代理人「一朝一夕ではないということですね」

 武田氏「簡単ではないです。まったく」

 《武田氏は、閉鎖的とも言える相撲界での取材に、時間をかけて食い込んでいったという。続いて、代理人はいよいよ八百長問題に切り込んだ》

 講談社側の代理人「八百長があるというのは、いつごろどういう経緯で知りましたか」

 武田氏「(19)89年の秋ごろ、藤島部屋のある力士が国技館の前で肩を落としていたんです。ご飯に誘って話を聞くと、『昨日(前日)の段階で、相手から2万円で負けてくれと言われていた。だが、親方から絶対に八百長はするなと言われていたから、断ったが、負けてしまった』と話していました。ごく自然に八百長があることを知りました」

 講談社側の代理人「そして取材を進めていくと…」

 武田氏「八百長の問題を避けては通れないことを知りました。相撲界のためにもならない。八百長をさせないという、藤島部屋の方針にも共感していましたし、そういう不正があるのが許せなかったんです」

 講談社側の代理人「八百長は何のために行われているんでしょうか」

 武田氏「ある種の番付安定装置です。全く弱い選手が横綱になることはできません。強くないと、八百長する権利はないからです。八百長により、横綱を下の者が支える、というムラの論理があるんです」

 講談社側の代理人「どういうことですか」

 武田氏「横綱に負けてあげることで大金をもらい、その代わりに2番、3番という(勝ち)星をもらえる。それで自分の地位を保持するんです」

 講談社側の代理人「星の貸し借りというのは」

 武田氏「『星まわし』というやつだと思いますが…。今場所勝ったら、来場所お返しするよ、と。ただ、(八百長の仕組まれていない)ガチンコ(の取り組み)でも勝っておかないと、勝ち越すことは難しいんです」

 講談社側の代理人「どんなものが対価になるのですか」

 武田氏「下の子達が、『今日、両親が来ているから勝たせてよ』といって頼む場合には、たばこ1カートンとか、1~2万円。幕にはいると、50万とか、。横綱昇進がかかっていると、けたが違う。横綱昇進を1000万で勝ったという人の話も聞いたことがあります。力士の人間関係もあります」

 《武田氏は、相撲界に蔓延しているという八百長のシステムを、具体的に証言した》

 講談社側の代理人「(昨年11月場所に行った)取材の中で、八百長が広がっていたという認識はありましたか」

 武田氏「朝青龍を中心として、かなり広がっていた。朝青龍を軸に、それが展開していたと聞きました」

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20081003-00000547-san-soci

【大相撲八百長訴訟(4)】「“中盆”が支度部屋を行き来してマッチメーク」次々飛び出す力士の実名
10月3日16時31分配信 産経新聞
 《相撲界に蔓延(まんえん)する八百長問題を告発する記事を執筆した武田頼政氏は、「朝青龍を軸に八百長が広がった」と証言した。ベテラン記者の口から出た大物力士の実名に、法廷には緊張した空気が漂った》

 《引き続き質問に立った講談社側の代理人は、昭和23~24年ごろの新聞記事のコピーを次々と武田氏に示し、記事の一部や見出しを読み上げ、武田氏に感想を求めた》

 講談社側の代理人「『あれは明らかに八百長だ』『味気ない大物の取り組み』『八百長色の極めて強い相撲』『欺瞞(ぎまん)行為』とあります」

 武田氏「昭和20年代からずっと、『このままでは相撲界はダメになる』という(現在と)同じような指摘があった。これを見て驚いたし、昔のメディアの方が健全だったなと思いました」

 《代理人は、同時期に発行された相撲専門誌のコピーを手に質問を続けた》

 講談社側の代理人「ここには、『八百長かどうかは見れば分かる』とあるが、見れば分かるのですか」

 武田氏が証言「お相撲さんは、みんなそう言います。(元小結の)板井(圭介)さんに特殊能力があるわけではなく、相撲をちょっとやった人間なら見れば分かります」

 《代理人が、専門雑誌に掲載された八百長を指摘する記事を読み上げ、「これだけ八百長は蔓延されていたということですか」と尋ねると、武田氏ははっきりとした口調でこう答えた》

 武田氏「(八百長は)根深く相撲界に蔓延しています。治らない病気です」

 《続いて代理人は、八百長問題に関する日本相撲協会の見解について質問した。協会は八百長の存在は認めていない。しかし、武田氏は以前、八百長にあたる『故意による無気力相撲』を行った場合、相撲協会が力士に課す懲罰規定を巡り、協会幹部のある発言を耳にしたという》

 武田氏「89年に当時の二子山理事長らが、『懲罰規定を発動したことはない』と、オフ(非公式)の場ではっきりと言っていた」

 《八百長を前提にしたとみられる二子山理事長の発言。これが本当ならば、相撲協会の八百長対策は有名無実化していたということになる。さらに武田氏は証言する》

 武田氏「(八百長の)存在をはっきりと認め、『いい加減にしろ。おれの目は節穴じゃない』と、二子山理事長が机をたたきながら言っていたのを、はっきりと聞きました。(八百長があることを)前提としており、現在も行われていることは(協会も)よく承知していると思います」

 講談社側の代理人「相撲協会は、あなたを訴えていますが」

 武田氏「一言で言うと、盗人たけだけしい! これは犯罪。詐欺ですから。日本相撲協会がやっている詐欺行為に、僕らは警鐘を鳴らしている。文化論をやっているんじゃない。訴えてくること自体が、どういう了見だ、と」

 《武田氏は時折、語尾をふるわせながら相撲協会への怒りをぶちまけた》

 講談社側の代理人「(取材活動を行っていた)2年前、八百長は誰が主導していましたか」

 武田氏「主導は朝青龍です。『中盆(なかぼん)』という存在で、旭天山(大島部屋所属の元力士)という人間が、東西の支度部屋を行き来しながら、マッチメークというか、交渉をしていました。金額や、星の動かし方などです。国技館の支度部屋裏の通路で(交渉相手と)話していました。今は、力士同士が携帯電話でやりとりしていることもあります」

 講談社側の代理人「金額は」

 武田氏「50~100万。旭天山や直接交渉によって、決まります」

 講談社側の代理人「決まり手などについても打ち合わせするのですか」

 武田氏「最近は、どういう差し手で、どういう展開で、というところまで決めています」

 講談社側の代理人「記事の影響はありましたか」

 武田氏「非常に八百長がやりづらくなりました。まず、旭天山が(支度部屋を)行き来できなくなりました。そういう意味では、ガチンコ勝負は増えていると思います」

 《八百長の現状について、武田氏は事細かに証言した。続いて、代理人は朝青龍自身の八百長疑惑について質問した》

 講談社側の代理人「朝青龍の八百長について、具体的に情報を聞いたのはいつですか」

 武田氏「2006年の春ぐらいです」

 講談社側の代理人「どのようにしてですか」

 武田氏「いろんな人から電話がきて、『とにかく朝青龍の八百長がひどい。けいこも巡業もしないのに、そういう奴が金にあかせて星を買うことが許せない』と」

 講談社側の代理人「どういった人から聞いたのですか」

 武田氏「高砂部屋の関係者と現役力士。そのほかにもいます」

 講談社側の代理人「その情報が正しいと思った根拠はなんですか」

 武田氏「予告通りに朝青龍の優勝が決まっていくからです。9月場所が終わった時点で、『もう11月場所の朝青龍の優勝は決まってるんだ。中日が過ぎたら決まりだよ』と(情報提供者から)聞き、本当なのかと思ったが、この予告通りだった。これは間違いないと思いました」

 《武田氏はさらに、朝青龍関が八百長をしている根拠として、平成18年11月場所での千代大海関、琴光喜関との取り組みを上げ、いずれも『流れが不自然だ』と指摘した。また、取り組み前の朝青龍関の支度部屋に緊張感がないことにも言及。『ぴりぴりして近寄れなかった』という元貴乃花関を引き合いに出し、『(朝青龍関が)あれでまともな相撲がとれるとは思えない』と話した》

 講談社側の代理人「(八百長の行われる相撲は)見ていても全然おもしろくないのですか」

 武田氏「そうですね。詐欺師の試合を見ても、誰がおもしろいかと」

 講談社側の代理人「一連の記事について、内容に誤りがあったと思っている部分はありますか」

 武田氏「何一つないです。自信を持って、お送りしています!」

 《記事の正当性を主張した武田氏は、記事の目的を尋ねられると、再び相撲協会への怒りを爆発させた》

 武田氏「(相撲協会は)本当に許せない。何が嫌かといえば、力士たちが傷ついていることです。やりたくもない八百長をさせられ、抜けられなくなっているんです。人権無視も甚だしい」

 講談社側の代理人「そのような思いで記事を書いたということですね」

 武田氏「書き続けます」

 《力強い宣言を最後に、講談社側の主尋問が終了した》

 《約1時間の休憩をはさんで行われた反対尋問では、武田氏が『八百長試合だった』と証言した平成1811月場所の千代大海関、琴光喜関との取り組みについて、質問が集中した》

 相撲協会側の代理人「朝青龍関と千代大海関との一番で、八百長の約束は事前にされたということですか」

 武田氏「はい」

 相撲協会側の代理人「誰がどういう風にやったのですか」

 武田氏「旭天山だと聞いています」

 相撲協会側の代理人「力士同士が携帯電話で(打ち合わせを)やった可能性は」

 武田氏「あると思います」

 相撲協会側の代理人「どちらかは分からないということですか」

 武田氏「はい」

 相撲協会側の代理人「いつのことですか」

 武田氏「前日、もしくは後半戦が始まる前です」

 相撲協会側の代理人「いつされたかは分からないですか」

 武田氏「そのへんは、はっきりしていません」

 相撲協会の代理人「朝青龍関が払うと約束した金額は」

 武田氏「えーと、80万だと思います」

 相撲協会の代理人「その話は誰から聞きましたか」

 武田氏「申し上げられません」

 相撲協会側の代理人「80万を実際に払ったかの確認は」

 武田氏「とれていません」

 《相撲協会の代理人は、琴光喜関との取り組みについても、同様に質問。似たやりとりの繰り返しに、武田氏が『僕は相撲界全体について取材しており、一件一件についてはそんなに大切だとは思いません』といらだちを見せる場面もあった》

 相撲協会側の代理人「記事で『ガチンコでない』(八百長に関与しているという意味)と紹介された力士で、取材をした人はいますか」

 武田氏「栃東、魁皇、朝青龍です」

 相撲協会側の代理人「3人だけですか」

 武田氏「はい。そのうち、(元)若ノ鵬がちゃんとしゃべってくれるから、大丈夫ですよ」

 《元若ノ鵬関は、今後、講談社側に立って、八百長疑惑について証言するとされている。自身も会見で『アンフェアな取り組みを強いられた』と暴露しただけに、どのような証言が飛び出すか注目が集まっている》

 《この後、相撲協会側の代理人や裁判官らが記事の編集体制や取材方法などについて質問し、武田氏に対する尋問が終了した。続いて、いよいよ朝青龍関が証言台に立つことになる》

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20081003-00000554-san-soci

【大相撲八百長訴訟(5)】ついに朝青龍が証言台に 「わからない」連発の中、あの質問にムカッ
【大相撲八百長訴訟(6)完】朝青龍「あんた誰?」「言わない」…不機嫌応対も終われば余裕


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