「1人で悩まないで」自殺防止、ネットで取り組み広がる

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080517-00000944-san-soci
5月17日19時35分配信 産経新聞
 硫化水素を使った自殺が相次ぐなか、インターネットを使って自殺防止や命の大切さを訴える動きが広がっている。自殺願望者の多くがネットで自殺の方法を調べているからだ。大手検索エンジンでは自殺関連のキーワードを書き込んだ場合、検索結果ページの上部には自殺防止に取り組むサイトが掲載されるようになった。3月下旬以降、全国で100件を超えた硫化水素自殺。自殺で最愛の家族を失った遺族や自殺未遂の経験者も呼びかける。「1人で悩まないで。少しでも力になりたい」(加田智之、吉原知也)

■天国への手紙

 「息子の苦しみは今でも分からない」

 都内に住む自営業、志賀朋子さん(50)の長男、暁介(ぎょうすけ)さんが自宅で首をつったのは平成13年9月。まだ20歳だった。以前から、インターネットを通じて知り合った女性から抗うつ剤を譲り受け、服用を繰り返していた。志賀さんは暁介さんが依存症の症状を出し始めるまで、そのことに気づかなかった。

 薬の大量服用で昏睡(こんすい)状態になったことをきっかけに同居を始めたが、精神科で処方される薬は増える一方だった。暁介さんの行動に注意しなければならないと分かってはいた。だが、志賀さん自身が家庭や仕事で不安を抱えており、じっくり話し合う余裕がなかった。

 「親子だといつも顔を合わせるから、相手のことを分かっているつもりになる。でも実際はコミュニケーションができていないこともある」

 暁介さんの自殺は、ショックが強すぎて悲しみも感じなかった。しばらくは涙を流して泣くこともできず、現実感のない日々が続いた。当時のことを冷静に振り返ることができるようになった今、暁介さんとしっかり向き合っていたのか悩んでしまう。

 「息子の心の重りを軽くしてあげたかった。もっとお互いの人生観について話し合いたかった」

 親を亡くした子供も同じような思いを抱いている。

 千葉県八街市の女子大生(19)の父=当時(45)=が自殺したのは平成19年1月。知人の借金の保証人になり、金銭的に苦しんでいたことが原因だった。

 一緒に海釣りに行くなど仲が良かったが、父は彼女に一言も相談しないまま自殺した。彼女が父の死を受け入れたのは1周忌の法要後。志賀さんも同様だが、身内の自殺を遺族が受け入れるにはあまりに時間がかかる。

 相次ぐ硫化水素自殺の報道を聞く度に、女子大生は「誰かに相談したの」と問いたくなる。相談してもらえなかった理由を考えると、残された遺族は無力感で途方に暮れてしまうからだ。

 女子大生は今年1月、「天国のお父さんへ」と題した手紙を書いた。手紙には、父の自殺を止められなかった女子大生の後悔の言葉が並んでいる。

 「本当はお父さんから私に手をさし出してもらいたかったんだよ。一人で悩んでいたって、どんどん暗い闇に引きずり込まれていくだけ。無力な私だけど、私はお父さんの家族なんだから。少しでも力になりたかったんだよ」

■「生きていてよかった」

 千葉県に住む男性(45)が自殺を図ったのは、41歳のときだった。

 彼は30歳過ぎから自宅に引きこもっていた。人の目につく日中は一歩も外に出ず、部屋から出るのは深夜にコンビニに行くくらい。父親から渡された金でパチンコだけをする日々だった。

 「今思えば勉強も遊びもできる環境だったのに実際は何もしていなかった。漠然と『金がなくなったら死ねばいい』と思っていた」

 金が底をつき始めると、死は現実味を増した。飛び降りがいいか、首つりがいいか。自殺の方法を考えることで時間をつぶし、夜中には自転車で飛び降りやすそうな高層ビルをチェックして回った。ビニールひもで作った首つり用のひもは、何本作ったか覚えていない。

 所持金が数百円になった年末、最後にたばこを買った。深夜、行きつけのパチンコ店の立体駐車場に行き、買ったばかりのたばこを吸った。転落防止用のさくを乗り越え足を空中に踏み出そうとした瞬間、たまたま駐車場に入ってきた車のライトが光った。

 「やっぱり死ねない」と思ったのはその瞬間。車が入ってこなかったら、間違いなく飛び降りていた。

 10年ほど会っていなかった母親と連絡を取り、同居を始めた。引きこもり支援をするNPO法人が自宅に来るようになった。そのNPO法人が主催する四国お遍路巡りに参加することを決めたが、期日が近づくに連れて眠れなくなり、初めて心療内科を受診した。

 家庭の問題や自殺未遂のことを含め、カウンセラーにすべて話したら不思議なくらい楽になった。お遍路から帰ると不眠症も治っていた。

 「自分のことを洗いざらい話せる人ができたのが大きかった」

 悩みは人それぞれだが、その悩みを分かってくれる人も必ずいる。「人に悩みを話せないときは自分から他人との間に距離を作っていた」。今ではそう思う。

 彼は今、自分を救ってくれたNPO法人で働く傍ら、介護福祉士の資格を取るための勉強を始めた。お年寄りと話をしていると毎日が楽しいという。

 「歯車はひとつ回ると、周りの人が次の歯車を回してくれる。でも最初の歯車は自分で回さないと回らない」

 彼にとって、自分の悩みを他人に洗いざらい話すことが最初の歯車だった。死にたくなるくらい落ち込むときがあっても、今では自然に誰かに相談できるという。

 「生きていてよかった。今ではそう思います」

■「問題解決」情報を共有

 自殺防止サイト「生きテク(http://ikiteku.net/ )。昨年9月に立ち上げたサイトには、読者を取材するなどして得た約100個の「生きるための問題解決ノウハウ」の実例が掲載されている。アクセス数は毎月10万ページビューを超えている。

 実例は「過労」「いじめ」など8分類されており、それぞれ苦しかった状況やどうやって解決したかなどを掲載。家事や育児に疲れた女性は東北の牧場に一人旅をし、大自然の中でストレスが一気に抜けていった経験を書いている。

 「『生きテク』は壮大なおせっかい。昔、近所にいた、何でも相談できるオヤジさんのようなサイトを目指したい」。同サイトのオキタ・リュウイチ代表(32)はそう説明する。

 自殺願望者の多くはネットで自殺方法を調べていることから、大手検索エンジンも対策に乗り出している。

 総合情報サイト「Yahoo! JAPAN」は昨年末、国立精神・神経センター自殺予防総合対策センター(東京都小平市)と連携。「死にたい」「楽な死に方」などのキーワードで検索した際、同センターのサイトへのリンクを検索結果ページの上部に掲載することにしている。

 さらに硫化水素自殺の報道が増えた今年4月下旬からは、「硫化水素 死に方」などでも同様の検索結果ページが掲載されるようになった。同社は常にキーワードの見直しもしており、現在では数10個のキーワードがあるという。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080517-00000944-san-soci


生きテク - http://ikiteku.net/



硫化水素自殺問題 - Yahoo!トピックス


<自殺意識調査>成人男女の2割「本気で考えた」 内閣府
5月16日19時38分配信 毎日新聞
 成人男女の19.1%が本気で自殺を考えた経験があることが、内閣府が16日に発表した「自殺対策に関する意識調査」で明らかになった。そのうち20.8%は「最近1年以内に自殺したいと思った」と回答。一方、自殺を考えた時に「相談したことはない」人は60.4%に上り、一人で悩むケースが多い実態も浮かんだ。

 調査は今年2~3月、全国20歳以上の男女3000人を対象に実施し、1808人から回答を得た。調査票を密封回収する留置法により回答者のプライバシーにも配慮した。自殺に関する政府の全国一斉調査は初めて。

 単純比較はできないが、厚生労働省が06年にまとめた別の報告書では、自殺を考えたことがある人は1割弱だった。今回の調査結果はこれを上回り、20代(24.6%)と30代(27.8%)で比率が高いことも分かった。職業別では「パート・アルバイト」が25.8%で最多だった。「自殺したいと思ったことがない」は70.6%だった。

 自殺を考えたことがある人の11%は「悩みやつらい気持ちを受け止めてくれる人がいない」と答えた。自殺を考えたことがない人の場合は4.4%にとどまっており、周囲の支えの有無も「自殺願望」に影響しているとみられる。

 インターネット上の自殺サイトについて「規制すべきだ」との回答は76.1%に達したが、同サイトを「見たことがある」人はわずか1.9%だった。

 一方、仕事を持っている人を対象に、うつ病になった場合に休職することへの考えを複数回答で聞いたところ、「上司や同僚に迷惑をかける」が51.7%で最も多く、「職場復帰ができなくなる」26.6%▽「昇進や昇給に影響する」18.3%--などが続いた。休職に「特に支障はない」との答えは1割未満だった。【中田卓二】

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080516-00000085-mai-soci

死にたい気持ちから身を守るために - All About

あなたに読んでもらいたいページ - 東京 いのちの電話

今、悩んでいる方へ - 自殺予防総合対策センター

自殺死亡統計の概況 - 自殺死亡の年次推移 。厚生労働省


自殺報道を見るたび思う

自ら死んではいけないのだよ

生きたくても生きられない人も居る

自分の命は大事にしなけりゃイカンのだよ


残された人の傷って 想像を絶するものがある
悲しむ人が必ずいるんだから。



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