マーラー 交響曲第九番カラヤン指揮。最後に残るのは命のふるえ。死を予感した人間が、なんらの統一的響きを創造できず、敗残の分裂的音しか残しえなかったのは、時代の悲劇であったかもしれない。ただ、最後に直線的に聞こえてきたのは、呼吸の残余とおぼしき命のふるえ。