楽しかった美瑛のドライブが終わり、私たちは、美瑛のユースへ。
当時から、食事の評判が良く、ユースの低料金で、結構お洒落なコース料理っぽいのが出る、とのことだったが、私たちが予約した時は、
「泊れますが、夕食は予約がいっぱいです。」
「?????」
そんなことあります?
普通、泊まる人全員に、食事出すキャパ、あるんじゃあ???
いやいや、これがユースです。
基本、「安く泊まる」がメインですから・・・・・・。
残念ですが、食事無で予約。
チェックイン時には、調理場からいい匂いが・・・・・・・。
そして私たちは、コンビニ弁当!
まあ、「セイコーマート」っていうご当地コンビニも楽しかったですけど。
そして、美瑛のユースで思ったことは、
「なんでこんなに、部屋の照明が暗いのか!?」
本当にびっくりするくらい暗かった。
荷物の整理もままならない。
「女性限定の相部屋で、こんなムーディーにする必要ある???」
そう言う私に、Tちゃんが可笑しそうに、「うふふふ。ホントだね、何も見えない。・・・うふふふふ。」と笑うから、二人で、リュックを手探りしながら、ケラケラ笑ってしまった。
今は改善されてるのかな?
そして朝。快晴
今日もいいことありそうだ~~~
そして、カヌーをするために、「ガイドの山小屋」へ。
(今そこでは、カヌーは、やっていないようですね。当時、数も少なかったツアーガイドも、今ではだいぶ増えたし、自然環境の変化もあり、それに伴って、業務形態、ツアー内容もだいぶ変わったようです。)
「あ!あれだね!」目的の建物が見えて、テンションが上がった時、
近くのライダーハウスの前から、聞き覚えのある声が・・・・。
「あれ!? 昨日の・・・・おはよう ガイドの山小屋、行くの~? 何するの?」
信じられないが、昨日のアイツに出くわした・・・。
あーーー。。。。 これはこれは・・・・・・、こんなこともあるんですね・・・(心の声)
「あー・・・・カヌー、やるんです・・・・。」
「え~、そうなの~? 僕もやろうか迷ってたんだよね~。あ~、でもどうしよっかな~、他にも行きたいところ、あるんだよね~・・・。残りの時間もないしな~~~カヌー、どうかな~、俺って、いろいろやりたい人だからね~」
・・・・・・耐えろ、アイス。 そうだ、こんなの旅の挨拶だ、なんてことない。
「そうですか~、迷われてるなら、そちらへ行ったらどうですか?カヌーは予約がいっぱいかもしれませんし、時間も結構食いますよ?」 耐えた! 大人だ!
「え~でも~、カヌーもやりたかったんだよね~。どうしようかな~、でも俺って、アクティブなのが好き、っていうか~、カヌーって、物足りないかな~。でも、ゆっくり川下りもいいかもしれないしー・・・・・」
延々と続く話。これ、私達、聞かないといけませんか?
こっちは予約してて、もう遅刻しそうだし、あなたの「物足りない」とか、知らん!
「あのっ!私達、行かないといけないんで。迷ってるなら、ほんと辞めたほうがいいですよ。」
「あー、じゃあ、話だけ聞いてからにしようかな。」
・・・・なぜそうなる? 辞めたら? って言いましたけど?
何故かついてくる武井モドキ。
受付でも、武井モドキの、「俺様中心トーク」は続く。
「え?空きがあるの!? でもな~、どうしよっかな~、でも俺って、準備とか時間かかるタイプじゃん?今から、ライダーハウス帰って、荷物とか準備して~・・・・・」
「スタートのお時間も迫ってますし、次の時間のツアーもございますが?」
「あーでもやるなら、早い方がいいって言うか・・・・、時間がもったいないし・・・・、でも俺って準備が時間かかるタイプだから、どうしよっかな~、っていうか・・・・。」
エンドレスな、俺様トークにうんざりしたのか、受付の人が私に、「あの、お友達ですか?」
「いえ! そういうわけじゃないです。そこで会っただけで。」思わず、首を横に振る私。
「あの、どうされますか?他のお客様の、スタートが遅れますので・・・。」
「でも俺って、ほら、準備が・・・・・・」と武井モドキが私を見る・・・。
・・・・限界・・・。
「うだうだ言ってる間に、準備するなり、辞めるなり、決めたほうが早いと思いますけどっ」
「・・・じゃあ、やろうかなあ~」
・・・なぜそうなる? 周りの空気、伝わらんか?
まあまあ、落ち着け、アイス。あいつとは違う船だ。私はTちゃんと。
癒しの女神、Tちゃんが居れば、今日も楽しくやれるわ~。
アイツと組むのは、とてもおっとりした、穏やかな大学生ラガーマン。
笑顔がとっても優しそう。声が、のんびりしてて、ちょっと、Tちゃんの話し方に似ていた。
あーほのぼの~
3人で話してたら、心がすっかり、ほんわかした。
そこへ、あいつが戻ってくる。 ま、いいんだけど。
美瑛川のカヌーは、のんびりとして、明るく陽が差し、素敵だった。鳥の声。木々の葉の音。
ガイドさんは、若い女性だった。高い、可愛らしい声で、「とっても気持ちが良いですよね~
」と、私たちの気分を盛り上げてくれた。
事前の説明で、カヌーがひっくり返ることは、めったにない、と言われたけど、私たちは見事にひっくり返った。たいして、特別バランスを崩すようなことをしたわけじゃないけど、見事に、「沈」。
まあ、水深は膝ぐらいだったし、ガイドさんは、呑気に可愛い声で「え~、びっくり~! すごーい、私も経験ない~。これもいい思い出ですね!」とか言うし。お互いのびちょびちょのズボンを見て、Tちゃんと二人で、ゲラゲラ笑った。
カヌーはとても楽しかった。
「山小屋」へ戻り、着替えを済ませると、武井もどきは、もう居なかった。
ラガーマンとTちゃんとまた少し話した。
「あの人、ちょっと変わってませんでした?」と、私。
「あーーーー。・・・・・・ちょっとね~。」と、声を揃え、同じように苦笑いする、癒し系の二人。
やっぱり少し似てる。
ほんわかした二人と話してたら、また、楽しい気持ちが戻ってきた。
どこに行くか、何をするか、もとても大事だけれど、
「誰とするか」、も、非常に重要、というお話。
そして、一人旅は、決してワガママ気ままな旅ではなく、一人だからこそ、周りへの気遣いや、感謝が必要だと思う。
一人旅は、周りの人に助けてもらうことがとても多いし、気を抜くと迷惑かけることもあるし、何より、楽しい思い出になるかどうかは、たまたま一緒になった人がどんな人かで決まる。
そうなると、自分も、「あの人と一緒でヨカッタ」と思ってもらえる人でありたい、と思うようになって、人の事を考えるようになる。
それが、一人旅の「優しさ連鎖」ではないでしょうか。