昔住んでいた地域に
お月見泥棒という風習があった。
十月の十五夜の日に 縁側に
お菓子を置いてある。
そのお菓子は子どもの分なので
勝手に持っていっても良いというもの。
昔版のハロウィンみたいな感じ。
子供がいない家はあまり用意してないし、
泥棒みたいにコッソリ
持っていく子もいれば
私は縁側から大声で持っていっても良いか
聞いていた。
風流なんてあったもんではない(笑)
今では安全対策の面からも
考えられないけれど。
昔いた地区では私が小学校を卒業して
7、8年で小学校の子供が居なくなり
いつの間にか廃れてなくなった
風習である。
今その地域は高速のインターが近くにでき、
新しい工場も参入しており
人気のエリアになりつつある。
しかしながら、一度途絶えた風習は
戻らないだろう。
もちろん現代の環境で同じことが難しい
のもある。
ただ、そんな感じで子供が訪ねて
来てくれる環境というのは
存外、心待ちにしそうな気もします。