アメリカの大統領選は、時間をかけた
とてもお金のかかった壮大なイベントです。
共和党の大富豪トランプ氏と
前大統領夫人で国務長官であったヒラリー・クリントン氏の
どちらかが大統領になるところまで絞られてきました。
そんな中、トランプ陣営では、イベントでの音楽の無断使用で
色々トラブルが起こっています。
ローリングストーンズの無常の世界(You Can't Always Get What You Want)
クィーンの伝説のチャンピオン(We Are the Champions)
他にもニール・ヤングやエアロ・スミス、アデルからも
イベントでの無断使用に抗議や否定的な意見が出ています
娘のイヴァンカさんの登場に使われた
ビートルズのHere Comes the Sunの作詞・作曲者のジョージ・ハリソン氏の遺産管理団体からも不快感が表明されています。
通常、こういった楽曲使用の際は、使用許諾申請をし許可をもらってから
使用料を支払う仕組みになっています。
アメリカは、こういった権利が絡む場合、契約が必要になります。
こういった仕組みを無視し、再三の警告に応じないトランプ氏は
大統領になっても同じような態度でいるのかと思うと不安になります。
一方、ヒラリー氏陣営は、ハリウッドや音楽業界からの賛同も多いようで
応援にはメリル・ストリーブが登場しました。
彼女は名門イェール大卒業、アカデミー賞ノミネート19回、
主演女優賞、助演女優賞獲得、ゴールデングローブ賞を8回受賞した
素晴らしい女優です。
二人の候補への音楽、映画、演劇界からの対応には大きな違いがあるようです。
もっともこの業界は産業規模からいったら、大きくないのですが
知名度については大きなアドバンテージを持っています。
今回の大統領選についいては、今までの選挙より動向が気になりますね。
日本でも、もちろん音楽使用に際して著作権者の使用許諾が必要です。
著作権者は、演奏・歌唱しているアーティストでなく作詞・作曲者です。
アーティストは、著作隣接権を保有しています。
著作権は譲渡が出来ますので、作詞・作曲者でなく
音楽管理会社や団体、遺族などが所有している場合があります。
使用に際しては、作詞・作曲をした人と演奏・歌唱をした人、
レコード会社などの権利会社、それぞれからの使用許諾が必要となります。
日本の地上波放送は、JASRACと使用に関して、ブランケットと呼ばれる
包括契約を締結しており、放送事業者は利益に応じた使用料を支払っています。
今回のように、権利者との間に合意がなされず
契約すら存在していないのは、契約社会のアメリカとしては
かなり珍しいケースだと思います。
大統領候補が、黙って勝手に使ってしまったのでしょうか。
こんな大統領候補で大丈夫なのでしょうか?
はなはだ理解に苦しみます。