芥川賞の候補に本谷有希子が上がっていたので、
過去の本を読んでみることに。
本谷有希子のことを初めて知ったのは、
オールナイトニッポンだった。
それも最終回。
少しだけ聞いたけど、パワフルで
いかにも劇団出身と言うような感じだった。
劇団出身の人が書く本って、
どうしても取っ付きにくいイメージが強い。
表向きはやわらかいのに、
中は社会とか色んなものに対する毒であふれているみたいな。
今回の本も、そんなかんじ。
でも、そこまで読みにくくはなかった。
逆に、読んでいくうちにどんどん引き込まれていく感じ。
「江里子と絶対」・・・引きこもりの妹とその飼い犬が、必死に生きる様子を見守る姉。
「生垣の女」・・・ダメダメな中年男のところに転がり込んできた変な女。
「暗狩(くらがり)」・・・ズッコケ三人組みたいな男の子たちが、大人の罠に引っかかる。
特に、「暗狩(くらがり)」が、秀逸。
もともと文章がわかりやすくて、落ち着いたリズムなうえに、
小学生の主人公が必死に大人に立ち向かう様子を
丁寧に書いている。
ここ最近、読んだ中でも
一番の出来かも?
まぁ、小学生5年生の子供が
大人顔負けの葛藤を繰り広げるという設定に
無理はあるなと思うけど。
そのマイナス部分を
感じさせないほど、
いい出来だった。
他にどんな話を書いてるんだろうか?
次を読むのが、楽しみ。
追記:本谷有希子が芥川賞の候補になったのは、
去年のことだったらしい。
戯曲とかでも、賞もらってるって。
すごいな。