1月9日は成人の日と言うことで全国各地の成人式の模様がTVで紹介されてて 袴やスーツを着てどんちゃん騒ぎをしている若者の姿を懐かしいな〜と言う気持ちで見ていました。
それと同時に僕が捕まったのも成人式が終わって2週間くらいしてなのでその当時の苦い思い出も一緒に思い出していました。
自分の身内の話になりますが 弟が今年20歳になります。弟と僕は6歳違いなので僕が捕まったのが五年前なんですが その当時弟14歳です。そんな弟が20歳かぁと思うと時の流れは物凄く早いなぁ〜と改めて感じます。
さてこうやって五年前の記憶をたどると成人式の記憶より捕まった当初の記憶の方が頭に残っています。
僕は成田空港の税関で捕まったですね。
税関という所はとても厳しい所でここで捕まれば 荷物は着てる服以外全部没取されるんです。そして留置所に入れられます。留置所は お菓子がかえたり タバコが買えたりするんですが僕の場合税関で荷物を全部没取されているんでお金も没取されました。何も買えません。
その当時の僕は1日に3箱も吸うヘビースモーカーでとにかくタバコが吸いたかったんです。
だって ロスから日本までのフライトで14時間かかるんですが その間タバコは吸えません。もう成田空港に着いた時にはタバコー タバコー…ってなっていました。ほんでやっとタバコ吸えるわ〜で税関で身柄を拘束されます。成田空港に着いたのが夕方5時なんですが朝の5時までのまず食わず吸わずの状態で取調べです。その間 税関で 「タバコすわしてもらえないんですかね?」ときくと「留置所に行ったら吸えるよ」とにかく留置所に行ってタバコが吸いたいという気持ちだったんですね。
でもよく考えると
お金がない。借りる事も出来ない。残念…残念

そんなイライラした気持ちで留置所に着いたんですが
そこの殺伐とした雰囲気にあっとうされました。
昼間なのに建物の中はどんよりして暗いし 同じ部屋の人は腕に和彫り入っててめちゃガタイいかつい人で怖そうやし えらい所にきてもーたなって。
捕まったのも初めてで不安で胸がいっぱいになりました。
でもその人 話してみると良い人で 親身になって僕の話を聞いてくれました。
その人は当時の僕より2歳年上の22歳で詐欺と傷害で捕まっていました。
話をきいてもらって気が楽になりました。
会話してると「高田くんはタバコ吸うの?」
「はい 吸います」
「じゃー あと少ししたら運動の時間があるからその時吸おうよ」
「おかね没取されたんで買えないんです」


それからしばらくして警察官が呼びにきて 畳8畳くらいのスペースに連れていかれました。
時間は30分で 爪をきったり 髭をそったり タバコを吸ったりするこができます。
タバコは 二本までしかすえないという制限があります。
みんな フィルターギリギリまで大切に吸います。
めちゃ吸いたい‼️
仕方ない…

すると
同じ部屋の和彫りの人が僕の肩をたたいて 「高田くん一本あげるよ」
僕「そんなん悪いですよ。二本しか吸えないんですから吸うて下さいよ」
和彫り「もう俺気持ち悪いし 吸ってよ。高田くん吸わないならこのタバコ捨てちゃうよ」
「じゃー頂きます\(^o^)/」といってなけなしのタバコを貰いました。
1日に二本しか吸えない環境でその内の一本を人に与えるって凄い事ですよ。
僕はこの時にこれが本間の優しさなんだと思いました。

物が溢れてる時 自分が満たされている時に人に与えるのは本間の優しさじゃないと思うんです。なぜかというと 自分の身は削られていないからです。
金持ちが 被災地の方に物資を支援したり お金を寄付したりするのはいいことです。でも 偽善に違い優しさだと思うんです。僕はこの経験のおかげで人に優しくなれました。
和彫りの人 今何してるか分かりませんが 貴重な経験をありがとうございました。
僕の人生の中で間違いなく あの一服が一番美味しい一服でした。
とまあ こんな感じで五年前の事を振り返ってみると胸がホッコリする思い出を思い出しました。