日本語がうつくしく、人物が生々しく生きている。そして、読むたびに違う読後感がある気がします。


島村は嫌な男だなぁ。

嫌だと思いつつ、惹かれているのかもしれません。

駒子の強さも弱さも、まっすぐで羨ましい。


その人にはその人の生き方しかできないんだろうな。

人は変化しいくけれど、他の誰にもなれないし、誰のこともわからない。もちろんわかってもらえない。孤独は雪国に似て、つめたくてうつくしい。


冒頭と最後の風景描写のつめたい鮮やかさがこの物語を、人間の持つ葛藤と体温を、引き立てているように思います。


そして、繰り返される『徒労』という単語がずっしり重く、体に残ります。。



Wikipediaより☟あらすじ

雪国を訪れた男が、温泉町でひたむきに生きる女たちの諸相、ゆらめき、定めない命の各瞬間の純粋を見つめる物語。愛し生きる女の情熱の美しく哀しい徒労が、男の虚無に研ぎ澄まされた鏡のような心理の抒情に映されながら、美的に抽出されて描かれている。