崖っぷちの秋

冷たい汗に濡れた前髪を
涼しい風が乾かしてゆく


打ち上げ花火は
色っぽい音と共に闇に吸い込まれ

遠い空とうろこ雲に姿を変えているだけ



すべてなんでもないこと
すべてなんでもないこと



空っぽの空に響き渡る
泣きたくなるほどに
せつない音楽

くっきりとした月の輪郭をなぞる
狂おしいタンゴ



崖っぷちの秋

ただの美しすぎる一日



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