益々わたしへのイビリが激しくなりました。
「勉強しないのなら魚釣り行くぞ」と
朝早くから起こされ
強制的に連れていかれます。
わたしは
わたしが父と魚釣りにいけば
母も姉も静かな時間を過ごせることを
理解していました。
渓流釣りは地獄でした。
川の水が流れる岩の上を
ぴょんぴょん渡りながら
わたしが座れそうな
大きめの岩にたどり着くと
わたしをそこに待たせて
父はずっと奥に入っていくのです。
わたしは
川の水が流れる岩の上で
ひとり
何時間も
何時間も
何時間も
待たされるのです。
山奥の
川の中の岩の上にです。
熊が出てきたらどうしよう。
川の水で溺れたらどうしよう。
現実から逃れるために
わたしはよく
空想の世界に
身を置くことが増えました。
母がお休みの日曜日は
夜、絵本を読んでもらえる
唯一の時間でした。
姉と
代わりばんこで
何冊もおねだりしましたよ。
母が一緒の布団に入り
わたしが眠るまで居てくれる。
日曜日は特別な日。
とっても幸せだったけれど
毎日は
とっても
寂しかった。
父からの虐待④に続きます。