若年層の離職、3年以内に35.9%
 1月5日の日経新聞に「若手の離職、企業の4割問題視」という記事がありました。
日本能率協会がまとめた企業の人事・教育領域の課題に関する調査結果について報道したものです。

少し内容を紹介します。
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 調査は2008年6~7月に上場企業や従業員300人以上の企業を対象に実施、860社の経営者からの回答得ています。この中で、新人・若手社員の離職を「問題だ」と考えている企業は40.5%に上ります。

 厚生労働省の統計では、大学を2005年3月に卒業した就業者のうち、3年目までに離職した人の率(離職率)は35.9%で、「3人に1人」が辞めていることになります。企業は、こうした状況に危機感を強めています。同協会は「将来の中核を担う人材が抜けることで企業の成長が思い通りに進まない」としてきしています。

 こうした事態に対してどんな施策が新人・若手などの社員の定着率向上に効果があるかとの問いに、次のような回答が寄せられています。
①業務上の課題やその解決方法を上司が助言したりする「人事考課時のフィードバックの充実」=83.4%
②教育研修制度の充実=82.1%

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 記事にあるような「3年で3分の1が退職」という事態はここのところ言われ続けてきた”現象”です。その理由は、「仕事の内容が思っていたものと違う」「めざしていたことが実現できそうにない」「いまだに年功序列でついていけない」等などいろいろあると思います。多くの企業の担当者が、記事にある①や②を指摘している点は重要ですね。企業の中の人を育てる仕組みが機能しなくなってきている、と言えるのではないでしょうか?

 ①「人事考課時のフィードバックの充実」について、私は次のようなことがポイントになるのではないかと思います。

 1)初任者研修を始め、あらゆる機会にその企業のミッション、ビジョンを語り続けているか。
 2)それを受けて、一人ひとりの社員の目標を持たせる、持てるように教育できているか。
 3)目標が明確になったら、定期的なサイクルで到達度を評価したり、次のチャレンジ目標を設定したりする援助、リードができているか。
 4)新人を支える、上司、先輩、同期の仲間など「タテ、ヨコ、ナナメ」の人間関係が築けているか。
 5)上記を推進する体制や上司のスキルが整えられているのか。

 また、これらをより効果的に進めるために、コーチングやメンタリングの考え方やスキルが大いに役立つだろうと思います。

 あなたの会社ではいかがですか?
 新人がイキイキと働いていますか? そうだとすると、きっと先輩たちも元気なはず・・・。


 次回から、コーチングやメンタリングに関する情報提供をしていきます。
 今年は暖かいクリスマスになりそうです。気候は暖かいのですが、世の中は厳しく冷たい風が吹いているようです。9月までは好景気と言っていたのに、今は急速に景気が冷え込んでしまい、明るくないニュースが多いですね。非正規社員を中心に契約解除、解雇など急激な人員整理が行われ社会問題にもなっています。
 こうした対策が進むと企業経営としては危機を乗り越えることができるのでしょうが、職場は明るくなりません。雇用不安もあり、働く人々は元気をなくしてしまいがちです。そうなると”守りの経営”となり業績もさらにダウンすることつながります。
 私はコーチングやファシリテーションを学び、企業で実践もしてきました。働く人々が元気に前向き(それこそ顔をあげて元気に)仕事ができる組織では成果・業績も上がる、と確信しています。厳しい経営環境だからこそ、そこで働く人々にスポットを当て、ビジョンを語り、勇気づけていくことが大事なのではないでしょうか。
 
 このブログでは、コーチング、ファシリテーション、メンタルヘルスケアなど、働く人々を元気にするための情報を提供していきます。また、読者の方のコメントやメールを通して、私自身も学ばせていただきたいと思います。

 どうぞよろしくお願いします。