宣言通りハロウィン小説です。相変わらずの文才ですので期待なさらず。
今回は純血サイヤンズです。カカベジは勿論のこと、ちょっとタレバダが存在します。そしてキャラ崩壊が激しすぎます。無駄に長いのでご注意。
ハロウィン記念小説
サイヤ人のハロウィン
真夏のうだるような暑さはすっかり身をひそめ、風に合わせて紅葉の精が舞う季節、秋。
己の限界を超えるため、ベジータは重力室で修行していた。サイヤ人の王子はどんな季節だろうが、修行は怠らないのだ。
「9997、9998、9999、10000・・・ふう、これくらいでいいか。」
片腕での腕立て伏せを終え、スポーツドリンクでも飲もうかと重力室の外へ出る。すると、いつもは研究室やメンテナンス室へこもっているブルマが居た。
「あら、ベジータ。今休憩?はい、スポーツドリンク。」
今飲もうと思っていたスポーツドリンクを渡される。無言のまま渇いた喉を潤しているとブルマが話しかけてきた。
「明日、ハロウィンパーティーをここでするんだけど、ベジータも参加してくれない?明日はあんたたちサイヤ人メインのパーティーなの。だから王子のあんたが居ないと困るのよ。」
また厄介なことに巻きこまれた。心の中で溜息をつく。
「サイヤ人メインだと?そんな必要がどこにある。貴様らだけで騒げばいいだろう。俺は行かんぞ。」
「いや、今回はベジータは参加しなきゃ食事一週間抜きと重力室使用一カ月禁止にするわよ!分かったわね?」
「チッ、今回だけだからな。」
最強の戦闘民族の王子も宇宙最恐の妻には逆らえない。
「ふふふ、ちゃんと薬は飲めたわね。後は衣装を用意するのみ・・・」
ブルマの意味ありげな笑い声は、本日二回目の溜息をついて重力室へ戻ったべジータには聞こえなかった。
「・・・・・・・・・・・・・・うわあああああ!!!」
次の日、カプセルコーポレーションに悲鳴が響き渡った。
悲鳴の主はベジータ。 彼は鏡の前で尻もちをつき、自分の姿に驚きを隠せなかった。
頭にはふさふさとした耳、お尻の方には狼の尻尾が生えていたのだ。
自分にこんなことができるのはブルマしかいない。
ベジータは超化しかねない勢いでブルマの研究室へ乗り込んだ。
「おい、ブルマ!これはどういうことなんだ!」
「むにゃむにゃ・・・あと五分。寝させて。」
怒鳴ってみるも返ってきたのは間の抜けた返答。めげずにもう一度声を掛ける。
「これはどういうことだ!」
ようやくブルマはこちらを見て、やがてほほ笑んだ。それも純粋な笑みではなく、どこか邪な笑みである。
「あら、ベジータ、似合ってるじゃない。とっても可愛いわよ。」
「可愛くてたまるか!今日のパーティーにはこんな恰好では行かん!」
パーティーへ行けない口実ができた。心の中でほくそ笑んだべジータだったがブルマの方が一枚上手だった。
「あ、そう。じゃあ、重力室の使用禁止+ビンゴ大会のあの歌をパーティーで流すわよ。それでいいんだったら行かなくていいけど。でも、ちなみに孫君のお父さんとかあんたのお父さんも呼んであるから。」
どうあがいてもこいつにはかなわない。
「くっ・・・」
言葉に詰まったべジータを見てブルマは満面の笑みを浮かべた。
「決まりね。早く服に着替えて。」
「おい、ブ・・・」
「返事は?」
「はい・・・」
またしてもブルマに完全敗北したべジータであった。
さて、ところ変わってここは孫家。
朝からチチはハロウィン用のお菓子作りに精を出しているので、悟空達男性陣は珍しく親子で遊んでいた。
「よっし、じゃあ今日は釣りしてみるか!手を使ったら負けだかんな。」
「うわあ~い!兄ちゃんも一緒にやろうよ~!」
「悟天、はしゃぎすぎると転ぶぞ。」
「は~い!うわっ!痛っ、!」
「ほら、言わんこっちゃない。」
「ははっ、悟飯の方がオラよりも父ちゃんらしいな。」
「実の父親が何言ってんですか。お父さんはいつでも僕達にとってはお父さんですよ。」
「まあ、そうだな。」
たわいない会話をしながらのんびりと釣りをするほほえましい親子。だが、途中から話はある方向へ曲がっていった。
「悟飯、そういやおめえピッコロとはうまくいってんのか?」
「ええ、夜に神殿へ行ったらピッコロさんの部屋は僕のために開けてくれてるんですよ~。いっつも寝た振りしてるんですけど、起きてて僕の事待ってくれてるんです!」
「そうなんか~。でもビーデルっちゅう女の子と付き合ってんじゃねえのか?どっちの方が好きなんだ?二股?・・・だっけ、そういう事はいけねえんじゃないのか?」
「もちろんピッコロさんですよ!勿論ビーデルさんの事は好きですけど、どちらかというと家族愛に近いんです。それにビーデルさんのお父さんは大金持ちですから僕と結婚すれば家計の負担も軽くなるかと・・・まあそんな事口が裂けても言えませんけどね。」
「ははっ、違えねえや。オラ達の食費があるからな。」
「そうですね。ところでお父さんはべジータさんとうまくやってますか?」
「ああ。あいつみんなといるときはあんまりなんだけどオラといるときには積極的なんだ。この前なんか上目遣いで『カカ・・・ヤろ・・・』とか言ってきてさ可愛すぎて気絶するかと思ったくれえだ。」
「あのべジータさんが…人ってわからないものですね。」
「トランクス君だってそうなんだよ~。」
悟天乱入。
「へえ~、悟天。おめえトランクスの奴とくっついてんのか。」
「うん!ツンデレのギャップが堪らないんだよね~」
「兄ちゃん知らなかったよ。あのトランクスが・・・」
もう釣りのことなどすっかり忘れてお互いのパートナーのノロケ話を繰り広げる孫家の男達。これは永遠に続くと思われたが・・・
「悟空さー、悟飯ちゃん、悟天ちゃん~!メシできただよ~!」
チチ(が作った昼食)によって中断された。夕方に近いが、それまで空腹をだれも主張しなかったので、よっぽど会話が弾んでいたのだろう。
「分かった~今行く~!よしっ、悟天、家まで競争だ!」
「よ~し、負けないよ!」
家に帰ると、美味しそうな料理が所狭しと並んでいる。どれもチチ手製の料理だ。
「いっただきまーす!」
ガツガツ・・・モグモグ・・・咀嚼する音と食器の音だけが響く。
20分後・・・
「ひゃあ、食った食った。ごちそうさま。」
「ごちそうさまでした。」
「おいしかった~。ごちそうさま。」
皿を高く積み上げてようやく胃袋も満足したようだ。3人はハロウィンパーティーに向けて準備を始めた。
今回は純血サイヤ人と混血orそれ以外という分類で会場が分かれている。なので悟飯たちはそれぞれで準備を進め、パーティーをすることしか知れされていない悟空はブルマにもらった袋を開けた。
少し大きめの袋にはマントらしい服一式と、小瓶、それと手紙が入っていた。
「孫君へ
パーティーが始まる前にこの薬を飲んでちょうだい。ちょっと犬歯がむずむずしてくるけど、心配しないでね。この薬はあんたを吸血鬼みたいに見せる物だから。効果は一日。副作用は・・・そうね、血を見たくなるくらいかしら。それと会場(っていっても私の庭だけど)へ行くときには一緒に入れてある服を着て、スーパーサイヤ人になってね。あっちの方が服に似合うから。ちなみにあの服はママお手製だからサイズもぴったりよ。というわけでよろしく~
天才科学者ブルマ 」
「へえ~、吸血鬼か・・・べジータを襲えってことかな・・・」
都合のよい解釈をしながら薬を飲む。するとすぐに歯のあたりがむずむずし、鏡を見ると、犬歯がいつもより鋭く、長くなっていた。さすがは天才科学者、何でもありというのは彼女もそうではなかろうか。
服は彼女の母ブリーフ夫人の手作りである。いかにも中世らしいデザインで有名ブランドだといわれても違和感はないほど精密に作られている。どうやらお菓子作りだけではなく裁縫の腕前もプロ顔負け。才能の無駄遣いではないかとは思うが彼女は作ること自体が好きらしい。
全員の支度も済んだところで、そろそろ行こうかと超化し、額に手を当てたが、瞬間移動するなとブルマに言われていたことを思い出し、飛んでいくことにした。悟飯たちはミスターサタンの庭だが、悟空はカプセルコーポレーションの方角へ飛ぶ。もう太陽はこのような騒ぎにはベジータは出ないだろうと半ば諦めながらも気を探ると、重力室ではなく、庭にいた。
「え・・・じゃあもしかして・・・!」
今までのスピードは何だったのかというほどのスピードで飛ばし、庭へ降り立った。
すると・・・
「カ、カカロット・・・」
灰色で毛並みの良いふさふさの耳と尻尾が生えたベジータが服を隠すように椅子にちょこんと座っていた。しかも服装は白と黒で単調ではあるが、ゴシックロリータ。スカートは風にあおられればめくれるほど短いが、ギリギリで見えないという生殺しの状態である。
あまりの絶景に声が出せずにいると、べジータが近寄ってきて、ちょっと背伸びをすると頬を赤く染めると、
「トリックオアトリート・・・」
とつぶやいた。その声で我に返り、にっこりと笑うと、服の中に入っていたお菓子を取り出す。
差し出されたお菓子にしばらくぼうっとしていたベジータだったが、お菓子を受け取ると、
「菓子くらいで俺様が喜ぶと思っていたのか!感謝なんかしてないんだからな!」
と可愛すぎるセリフを吐き捨てると、カプレルコーポへ逃げるように入って行ってしまった。
「べジータの奴めちゃくちゃ可愛かったな~。襲いに行くか。」
額に手を当て、瞬間移動をしようとしたそのとき・・・
「カカロット!久しぶりじゃねえか!」
「糞ガキが。でかくなりやがって。」
自分とよく似た男がどこからわいて出たのか二人立っていた。
「んっ?・・・父ちゃん、ターレスも!」
「王子が仮装してるってブルマから聞いたんだ。行かないわけにはいかないだろ?」
「けっ、あの女に甘い言葉吐きやがって・・・聞いている方が気持ち悪いぜ。」
「まあいいじゃないか。俺のおかげでまた王子に会えるんだぜ。」
「まあそれもそうか。」
蟹頭三人で会話が続くように思えたが良く見ると、バーダックの背後にもじゃもじゃ頭が居た。
「カカロット、久しぶりだな。親父たちも俺を置いていくなよ。」
「兄ちゃん!相変わらずだな。」
「よし、これで全員揃ったな。じゃあ、早速始めるか・・・って王子はどこだ?」
「あっ、べジータならコーポの中に入ったままだった!迎えに行ってくる。」
すると、奥の部屋からベジータとブルマの声が聞こえてきた。
「おい!どういうことだ!ちゃんと菓子をもらったのに服が戻らないぞ!」
「だってあんた、最後までしてないじゃない!孫君にキスしなきゃ、元には戻れないわよ~!」
「そ、そんな・・・!ターレスやバーダックたちもいたのに出来るか!」
「じゃあ今日はずっとそのままね。じゃあね。」
ぶちっと音を立てて通信音が途切れて所からどうやらブルマと会話していたようだ。ブルマは今日のために仕掛け付きの服を作っていたのだ。話の内容からすると悟空からお菓子をもらいキスすることで服は元に戻るらしい。部屋から出てきたべジータに抱きつく。
「ベジータ・・・そうだったんか~!」
「貴様とはしないからな!」
「何でだよ~!いっつもしてるのに?そうか~このかっこでオラとしてえのか?可愛い奴だな・・・」
「そんなんじゃ・・・!」
あわてて否定しようとしたベジータだったが、思わずカカロットの横顔に釘付けになってしまった。超化した姿はいつものへらへらのした締まりのない顔ではなくサイヤ人の男を感じさせ、吸血鬼をモチーフにした中世風の黒のマントは糖蜜色に輝く髪に良く似合っている。少し長くなった犬歯は一層いセクシーに見せいつも以上にかっこいいと思ってしまい、自分でもわかるくらいに頬に赤みが差す。
「ベジータ・・・」
カカロットはベジータの顎に手を添えると、腕を腰にまわし、ぐっと引き寄せた。漆黒と翡翠色の瞳が混じり合う。そして二人の唇が重なりかけた瞬間・・・
「おーい、王子~、カカロット。早く始めるぞ~。」
とても絶妙なタイミングでラディッツの声が聞こえた。
「・・・!」
ベジータはばっと離れると、庭へ駆けて行ってしまったが、その場に残された悟空は
「必ず、べジータからキスさせてやる。」
と決意をし、ゆっくりと庭のほうへ歩き出した。
「トリックオアトリート!いえーい!」
所狭しと並べられた料理を頬張りながら、お酒の瓶を次々と空けていく蟹頭二人とベジータ+もじゃもじゃ。バーダックは日本酒、ターレスは赤ワイン、ベジータは甘めのカクテル、カカロットは副作用にあるように血に近い赤ワインを飲んでいる。もはやハロウィンが何なのかさえ理解していないご様子。ただのドンチャン騒ぎだ。わいわい騒ぎながら飲んでいた二人の会話は次第にべジータへと移っていった。
「そういや俺らの王子サマはカカロットとよろしくやってるのか?」
「それは俺も気になってたぜ。俺の息子は王子とうまくできてるか?」
「お、おい・・・親父たちやめろよ・・・」
もじゃもじゃの制止も聞かず酒の酔いに任せとんでもないことを質問し出す蟹頭達。
「なっ・・・/////」
ボンッと音が立ちそうなほど、真っ赤になったべジータ。その代わりに悟空が答える。
「ああ、毎日修行の後は夜のフュージョンだ!あの時のベジータはめちゃくちゃ可愛いんだぜ!いつも可愛いけどな~」
「そうか・・・俺のとこもそんな感じだぜ。バダっていっつもあんな感じだけど、夜は『あっ・・・ターレスッ・・・もうっイク~!』とか言って可愛いんだぜ~。やっぱツンデレって最高だな~」
「父ちゃんとターレスとくっついたのか~良かったな~。オラのとこも今日悟天とトランクスがくっついてるって聞いたぜ」
「おいっレタス!勝手なことほざいてんじゃねえ!ひくっ・・カカロットに・・・ひっく・・・」
すっかり出来上がってしゃっくりを繰り返しているバーダックをお姫様だっこで抱きかかえ、愛しそうに額にキスを落とす。
「んじゃ、こういうことで客間のベッドと風呂借りるぜ。」
ベジータや悟空の返事も聞かず、勝手にコーポへ入って行ってしまった二人。
「俺たちも行くか。」
アルコール濃度の低めなカクテルをちびちび飲んでいただけなのに顔は桃色に上気している。尻尾も所在なさそうに揺れており、服は少しずれて色白の肌がちらちらと見え、視覚を刺激する。
「カカロット・・・」
とろんとした目で見つめられ、心臓がどくんと高鳴る。
ブチッ!
ついに悟空の理性の糸が切れた。その場で押し倒すと、半ば強引に唇を重ねる。
「え・・・?カカ・・・んっ・・・ふあ・・・」
訳の分からないまま悟空の唇を迎えたべジータは呼吸ができず苦しそうにドンドンと悟空の胸を叩いた。
さすがにやりすぎたかと思い、一旦離してやると、ごほごほと咳込んだ。呼吸を整えているべジータを抱きかかえると額に手を当て、瞬間移動した。
ぽふっと二人が落ちたのはべジータの寝室のベッドの上。
早速ベッドへ組み敷き服を脱がせながらべジータに尋ねる。
「オラにもお菓子くれよ。トリックオアリート。」
「えっ・・・」
そんなこと言われるとは思ってもいなかったベジータは言葉に詰まったが暫く考えるとそっぽを向き答えた。
「それなら俺を食えばいいだろう・・・」
と。
二人だけの甘いハロウィンの夜が更けていく。
「カカロット・・・王子・・・俺はおいてけぼりかよ・・・」
ラディッツの声は闇夜に消され聞こえなかった。
FIN
ぷは~。記念とかいいながら長くなりました。ここまで読んでいただきありがとうございました!
裏シーンは一応考えていましたが時間がないので断念。尻尾とかメイド服使ってしたかったんですが。リクエストあれば書くかもしれません。
あと、ラディファンの方申し訳ありませんでした!これでも私はラディ大好きです(笑)