映画 「ミルク」 平成21年4月18日公開  ★★★★☆ → ミルク②
原作本 「ゲイの市長と呼ばれた男」 ランディ・シルツ作 草思社  ★★★★☆ → ミルク①
関連本 「MILK 写真で見るハーヴィー・ミルクの生涯」ダスティン・ランス・ブラック ACブックス
  ★★★★☆

読んで♪観て♪

映画 「ミルク」
私は、試写会 → 映画館 → 名画座 で計3回観ています。
このブログへの書き込みは、「初見の時のみ」なのですが、
観るたびに高評価で、実はもう一回くらい観たいと思っているくらいです。

今日手にしたこの写真集は、ショーン・ペン主演の映画の公開後に発行されたもので
「本物」の写真集ではありますが、後半には映画の映像もたくさんあって
映画のスペシャルパンフレットさながらの構成になっています。

ミルクは殺されてしまったけれど、そのほかの登場人物はほぼ健在。
ショーン・ペンはじめ、あまり本人の風貌そっくりの俳優をあてていないので、
一目で実物か映画かはわかります。
ただ、ダン・ホワイトだけは、おどろくほどそっくり!
ジョシュ・ブローリンって、ブッシュ元大統領役でもそっくりだったけど、
ここでは、本物のホワイト以外の何物にも見えませんでした。すごい。

巨大な耳とよく動く大きな目。
コメディアンというより、まるでCGキャラクターのような
インパクトある風貌のハーヴィー・ミルク。
ストレートの家庭に生まれ、ストレートの環境の中で
自分が同性愛者だと気付いた時はどんなにか苦しんだのでしょう。
でも彼が社会全体を巻き込んだゲイムーブメントの立役者となったのは
このお茶目で楽しげで、人を引き付ける魅力あるキャラクターの
おかげだったのでしょうね。

彼を支える、スタッフのメンバー。
それぞれに優秀で個性的。
唯一の女性アン・クロネンバーグ以外はほぼゲイなのですが、
実は原作本・映画の脚本を書いたランディ・シルツも、
この写真集のまえがきを書いたダスティン・ランス・ブラックも、
日本版監修の伏見憲明氏も、全員ゲイをカムアウトしています。
でも彼らの言っていることは閉鎖的でなく、
ストレートの人間にも共感をもって伝わるのが凄いな・・・
というか、両者の間の垣根なんて、初めからなかったのに、
つまらない「偏見」が、人為的な垣根を作ってしまっていただけ。
そう思えてきます。

ところで、日本のゲイの人たちって
オシャレにこだわりを持っていて、衣装持ち、
というのが私のイメージなのですが、
ミルクは、服を買ったことがなくて、
クリーニング店で引き取りてのないスーツを貰いうけたり、
靴なんて、穴のあいた靴一足しかもっていなかった、
というのはちょっと驚きました。


この写真集を見る限り、ミルクの生涯を映画化するに当たり、
ほとんど「現実をいじる」ことはせず、
「まんま」を映像化している印象でした。
でも、作品としては、3回観てもまだ観たりないほどの
すばらしい出来栄えなのは、
ただただ素材が良かったから??

実写フィルムとインタビュー映像をつないだ
20年前の映画「ハーヴェイ・ミルク」
こちらもそろそろTSUTAYAから送られてきそうなので、
こちらで、本物の「動く」ミルクに早く会いたいです。