有願(うがん）と無願（むがん）

人の欲望には有願(うがん）と無願（むがん）というものがあります。人間の成長期に出会う環境の作用で将来どのように生きて行こうか。、何を目的にして行こうかが決定されます。

この環境のように生まれる夢を有願といいます。自分が子供時代に両親が喧嘩ばかりしていたとします。すると親のような結婚はしたくないと子供ながら思います。さらに両親が離婚でもすれば、

自分は結婚しないで人生を送ろうという心になりやすいのです。本質に結婚の運があったとしても育つ環境により変化して行くわけで、また小さい時に貧乏なら、お金さえあれば何でも出来ると、とにかくお金を追う人生になっていきます。

頭が良くて勉強が好きな子いたとします。ところがある事情でちゃんと学校へ行けないとします。

中学高校を出て就職して、その後年を取ってから一生懸命勉強して中年期に大学を卒業していく。

これが有願の消化です。これは立派な志です。普通の人は自分が勉強できなかったのだから子供に対してしては自分のような嫌な思いをさせたくないというので勉強を強要していき、

有願を子供に押しつけて行くことになるわけです。これでは子供はたまりません。できれば有願は自分で消化するのが理想です。

さてこの有願が消化されますと自分の本質から出てくる夢があります。これを無願といいます。実は有願に対しては自然界は何の味方もしてくれないのです。すべて自分の努力のみで勝ち取る

ものです。

自分の本質以外のものが欲望になっているのだから自然界は手伝ってくれないのです。自分の努力や注意が足りなければ、そのまま失敗に通じるわけで、

神頼みしても通じるわけがありません。だからこそ努力できる体力のある若いうちに消化するべきなのです。有願はとにかく早いうちの消化が必要ですが、

それで成功したからといっても、有願でもたもたしていてはだめで、早く次の無願の世界に行かないとドスンと不運がやってきます。さて有願を頑張り、通過して無願の世界に入ると、

天性に与えられた本質を活かすので、自然界は大いに味方してくれるのです。まず自分の成長期で生じた欲望を満たし、そこから本質に向かうのが本筋です。

有願（うがん）と無願（むがん）