日本の多くの鉄道会社にとって,3月はダイヤ改正の時期のようです.私の地元・福岡でも今月4日にJR九州がことしのダイヤ改正を行い,大手私鉄の西日本鉄道(西鉄)も,きょう25日に大幅な改正を実施しました…とはいっても,西鉄のダイヤ改正は鉄道ではなくバス路線,それも今回は主に福岡市内の話です.

 

 この話,韓国と関係があるのかと言われればそれまでなのですが,今回の改正の目玉も一つに,「福岡空港国際線ターミナル」と,西鉄天神大牟田線の「大橋駅」とを結ぶエアポートバスの新設があります.福岡空港は都心に近く,公共交通機関で市内中心部の博多駅や天神へ出るには地下鉄がとても便利です.

 

 しかしこれは国内線ターミナルの話で,それとは少し離れた国際線ターミナルから地下鉄を利用するには,空港内の連絡バスでいったん国内線ターミナルのほうへ移動しなければなりません.連絡バスは無料ですが,空港をぐるっと一周するような運行経路で,移動には意外と時間がかかります….

 

 国際線ターミナルからは今までも,博多駅経由で天神に向かうエアポートバスが運行されていましたので,地下鉄に乗るため国内線ターミナルのほうへ移動するのを避けて,国際線ターミナルからバスで市内中心部へ乗り換えなしで直接行くことも可能でした.しかし,いずれにせよ向かうのは市内中心部で,福岡市内やその近郊に行くにも,いったん中心部へ出るのが前提でした.

 

 ところが今回,西鉄大橋駅に向かうエアポートバスの新設により国際線ターミナルから市内の南部へ向かう選択肢ができて,大橋駅周辺へのアクセスはもちろん,国際線ターミナルから西鉄天神大牟田線を利用して福岡県の南部に向かうのも便利になることが期待できます.

 例えば,韓国などから訪れる外国人観光客が西鉄大橋駅周辺に宿泊してそこを拠点に観光する場合,来日や帰国時の空港移動がバス1本で済むはもちろん,大宰府や柳川などへの観光や,福岡市内中心部でのショッピングには,大橋駅から西鉄電車を利用して簡単に移動できるようになります.

 

 地方都市は一部を除いて衰退する一方なのは,福岡県も例外ではありません.今でも元気があるのは福岡市の中心部などごくわずかで,私が子どもの頃はもっと賑やかだった西鉄天神大牟田線沿線の久留米や大牟田などの繁華街には,当時ほどの華やかさは残っていません.このような街にも外国人観光客が訪れて,それが昔の賑わいを取り戻す起爆剤になればとも思います.

 

 このように,福岡を訪れる外国人観光客の拠点となる可能性を秘めている西鉄大橋駅周辺ですが,ことし8月に予定されている電車のダイヤ改正では,これまでの快速に相当する「急行」だけでなく,新たに特別快速にあたる「特急」も停車するようになるそうです.西鉄天神大牟田線の利用者はもちろん,福岡空港国際線ターミナルの利用者にも,今後さらに大橋駅の重要度が高まりそうです.


●[PDF]西鉄大橋駅~福岡空港国際線を結ぶバス路線の新設およびFukuoka Airport Busに新デザイン車両を導入します!(西鉄くらしネット)2017年03月09日
http://www.nishitetsu.co.jp/release/2017/16_140.pdf

 

●[PDF]西鉄天神大牟田線「大橋駅」が特急停車駅になります(西鉄くらしネット)2017年01月26日
http://www.nishitetsu.co.jp/release/2016/16_099.pdf

 

●[PDF]大橋エリアの価値向上について(西鉄くらしネット)2017年01月26日
http://www.nishitetsu.co.jp/release/2016/16_100.pdf