年が明けたのがつい先日のことのようにも思えますが,気がつけばもう2月が終わろうとしています.とはいえ,2017年がまだ10ヶ月も残っている現時点で来年の話をするのは,日本ではこれこそ“鬼も笑う”ことだと思いますが,聯合ニュースにはきょう27日付で次のような記事が公開されていました.
●내년 공휴일 수 69일…올해보다 하루 더 쉰다() 2017/02/27
http://www.yonhapnews.co.kr/bulletin/2017/02/27/0200000000AKR20170227052100063.HTML
ごく一部の祝日しか振替休日が適用されない韓国では,祝日が日曜日と重なると休みは1日だけになってしまいますが,2018年はそのような残念な祝日が1日も無い上に振替休日が2日あるため,祝日と日曜日を合わせた공휴일(公休日)の数が1990年以降で最多になるとのことです.
公休日の日数の根拠にしている「월력 요항」というのがどんな資料なのかきになって,천문연구원(天文研究院)のサイトにアクセスしてみました.次のサイトで各年のデータが確認できると共に,今年と来年のデータはHWP形式のファイルでも公開されています.
●월력요항(한국천문연구원)
http://astro.kasi.re.kr/life/AlmanacForm.aspx?MenuID=110
HWPファイルはいずれも3ページで,最初のページが祝日と日曜日の一覧,その次のページが二十四節季と雑節の日付と,陰暦の毎月1日が陽暦の何月何日に当たるかの対照表が掲載されています.最後のページには,陽暦と陰暦の毎月1日の干支が載っています.
これを見てまず初めに気づいたのは,ふつう성탄절と呼ばれているクリスマスの祝日としての正式名称は「기독탄신일」(基督誕辰日)というようです.韓国ではお釈迦様の誕生日も祝日で,こちらは「석가탄신일」(釈迦誕辰日)といいますので,仏教とキリスト教で休日の名称が綺麗に対を成していることが分かります.
二十四節季と雑節の表の雑節には,「토왕용사」が4回も載っていて,これは何のことかと思いましたが,漢字では「土王用事」と書き,いわゆる“土用”のことのようです.日本では“土用の丑の日”という夏にうなぎを食べる日として知られていますので,年に4回もあるとは知りませんでした.二十四節季と同じく,土用も中国から伝わったもののようです.
韓国でも”夏の暑い時期,暑気払いと栄養補給を兼ねてサムゲタンなどを食べる“土用の丑の日”に似た風習があります.韓国ではそれが夏に3回あり,삼복(三伏)と呼ばれていますが,雑節の欄には초복(初),중복(中伏),말복(末伏)の日付も載っています.
この「월력 요항」という資料,日本の国立天文台のサイトでも同様の資料を公開しています.「暦要項」という資料で,そのまま韓国語に訳せば“달력 요항”となるでしょうが,달력のことを“월력”とも言うようです.次のページでデータを確認できる他,PDF形式のファイルも入手できます.
●暦要項(国立天文台暦計算室)
http://eco.mtk.nao.ac.jp/koyomi/yoko/
日本と韓国は時差が無く位置も近いので,二十四節季や土用などは日付が同一なのはもちろん,時刻もほぼ同じのようです.한국천문연구원はサイトで公開しているだけで월력요항には掲載されていませんが,国立天文台の暦要項のPDFファイルには,最終ページに日食と月食のデータも掲載されています.昨日26日からきょう27日にかけての金環日食のことも載っていますが,ひと言“日本では見られない”とだけ記されています.