ユニクロのクオリティが異常である。


あのかゆい所に手が届きまくるユーザーのニーズの


吸い上げ方は、見事という他ない。ない。あるの逆。


そんなわけで今日も全身ユニクロで出社。


さすがにばれるかな、ださいかなとハラハラしておると


目もくらむような真っ赤なTシャツに


もはやデザインの域を超えた穴の開き具合で、


衣服としての機能性を喪失しておるジーパーンツを身にまとい、


先輩が涼しい顔で出社。はざまーす。


これが自由な社風というものか。



町の往来には毎晩、声を張り上げるおじさんがいて、


交通安全がどうの、犯罪がどうのと日々絶叫している。


「おまわさんありがとう!!」「不審者に気をつけて!!」


おまえだおまえ。おまわりさんお願いします。



朝は朝でスーツに身をつつんだおじさんが、


旗を掲げながら税金がどう、政治がどうと知識をひけらかしている。


医者へ行け医者へ。


通り過ぎる町の善良な市民は苦笑するしかない。


くだらない世の中。おもしろい世の中。


気の持ちよう一つっちゃね。


ターミネーターがテレビーの中を暴れ回っている。


テレービの外では今日も当たり前に平穏に夜が更けていく。


明日からまた始まるな。がんばろ。

やんなっちゃうな。やんなっちゃうな。


横並びで走っていたつもりが自分だけ


周回遅れだった時のような脱力感。


純然たる気持ちでロックンロールをかき鳴らしていた所、


近所のおじちゃんにうるさいとあっさり怒られた時のようなやるせなさ。


そんなものが日々をまとわりついている。


平日はまるで歯の抜けた競走馬。


力は入らなくても、周りは走れと怒鳴る。


間の抜けた時間のムチは鮮やかにしなる。


町に帰れば、一時の休息が待っている。


この町はまるで壊れた扇風機。


機能性はないけれど動くには動く。


全ての人に「おもしろいか?」と真顔で聞ける勇気があれば、


もう少し世界はギクシャクしている。


臆病者が世界を平和へと変えていく。


そんなに偉いか?


と僕はなんらかの人の像に投げかけた。


夜の闇がしゃんと降りてきた。


僕は静かに目からの情報を途絶した。

ああ、いやいや社会人になったからってえらそうな事を


のたまう気は全然ないんだけれど。


哲学。っちゅうもんを持った方がいいんじゃないか、と


ごく個人的盲目的推察から論じてみたいのだけど。


大学時代に何をすべきかっちゅう事をね、


まことしやかにおもんぱかるとね、


確かに国家の大計にかんかんがくがくと口角泡を飛ばす事も


まあまことに結構なことで、その為に


小難しい実学書を意識をもうろうとさせながら読破しても


よいとは思うんだけど。


そんな事よりも、大事なのはね、


自分自身の経験などによって得た人生観・世界観。また全体を貫く理念。


これすなわち哲学があった方がね。いやよいと思うわけ。


逆に言うと哲学なしで社会に飛び込んでいくという事は、


これ鎧をつけず戦場にて猛進をはかる無謀な武者のごとき体だと思うわけ。


いや、何もたまにいる哲学マニア、僕の好きーな本ーはニーチェーで、神は


死んだんでげすよ、くいっ。なんて人に語りたいが為に哲学本を読んでる、


ファッション的哲学探究者になれと言うてるわけやなくてね。


自分なりの言葉で、自分なりの考え方ができとるかって事ですわ。


別に僕はニーチェだ、ハイデガーだを熟読したこともなければ、


ヘーゲルとかヴィトゲンシュタインの思想を理解する程の頭もないがね、


簡単な事でいい。自分の哲学を持って欲しい。それだけっす。それTHE KISS。


お、これいい。使お。