2021年11/17日時点でデビュー済みの2歳牝馬で、来年GⅠで期待できる馬を6段階で評価し、☆3〜☆6の馬を紹介していきます。
牡馬編①〜③も是非ご覧ください。
アートハウス☆☆☆☆☆
スクリーンヒーロー産駒で、母はパールコード。新馬戦では先行し、5億円ホースのショウナンアデイブを上がり3F33.9秒の脚で突き離す強い競馬を見せた。ファミリーナンバー10-dの牝馬にはメジロドーベル、ローブデコルテ、スティルインラブなどがおり、早熟性とキレを活かして牝馬三冠戦線で活躍する馬が多い。この馬は中内田厩舎でもあるので、やはり来年いっぱいの活躍になるだろう。スクリーンヒーロー×ヴィクトワールピサなのでスピードにはやや欠けるがスタミナはあり、サンデーサイレンスの3×4のクロス持ちでキレがあるので、瞬発力勝負になりやすいオークスの有力候補。秋華賞でも勝ち負けになりそう。
イルチルコ☆☆☆
ドゥラメンテ産駒で、新馬戦2着の後に2戦目で勝ち上がり。血統表内にはロベルト、リボー、ニジンスキーなどスタミナ豊富な一方でキレに欠け、実際未勝利戦では捲って長くいい脚を使う競馬。近親にはマイルから2000mの重賞で活躍した馬が多いので、この馬もベストは2000m前後だと思われるが、キレには欠けるのでフラワーCなどで好走するタイプ。
ウォーターナビレラ☆☆☆☆☆☆
期待の新種牡馬シルバーステート産駒で、新馬戦、サフラン賞、ファンタジーSとデビュー3連勝。血統的にはロベルトのクロス、ニジンスキーなど重厚な血統なので、高速馬場よりは荒れた馬場の方が得意だろう。またファミリーナンバー4-nはタワーオブロンドン、ディーマジェスティ、ミッキーロケット、イスラボニータらを輩出しており、中山、阪神巧者が多い。牝馬三冠路線で一番向くのは秋華賞で、適度に荒れた馬場でスピード勝負にならなければ桜花賞でも好勝負できそう。距離は小回りコースであれば2000ｍまでこなせるだろうが、牝系的に年齢を重ねるほど短距離よりになっていきそう。高速馬場でなければGⅠで勝ち負け必至。
エリカヴィータ☆☆☆☆☆
キングカメハメハ産駒で、母の全兄にキンシャサノキセキがいる良血馬。国枝厩舎は新馬戦ではあまり仕上げないが、それでも新馬勝ちしているのは好印象。18頭立ての多頭数の新馬戦を経験しているのも良い。母の初仔のフラワリングナイトは馬体が小さく、エピファネイア産駒でスタミナともスピードともつかない血統構成になり現状1勝のみだが、本馬は馬体も中型で、母方の特徴を引き出すキングカメハメハ産駒で母父フジキセキなので、スピードに達けている印象。距離は1600ｍがベストで、こなせても2000ｍまで。
エンタングルメント☆☆☆
シャマーダル産駒で母父ディクタットなので芝2000ｍ前後の道悪、洋芝向き。ロベルトとノーザンダンサーのクロス持ちで血統表にはサドラーズウェルズ、ミルリーフ、ブラッシンググルームなどの名があり、重厚な血統なので切れ味勝負には向かない。おそらく叩き良化型なので新馬勝ちは評価でき、能力は高いのだろうが高速馬場では勝負にならないので、道悪のGⅠでチャンスあり。
グランデレジーナ☆☆☆☆
エピファネイア産駒で、新潟芝1600ｍの新馬戦を2番手から抜け出し完勝。半兄グランデマーレ、半姉グランデフィオーレはともに故障によりクラシックを断念していたが、ポテンシャルは高かった馬。エピファネイア産駒の獲得賞金上位10頭のうちイズジョーノキセキを除く9頭はサンデーサイレンスの3×4のクロス持ちで、ロベルト系種牡馬のエピファネイアの産駒にとってキレの補充にサンデーサイレンスのクロスは必須レベルなので、本馬もサンデーサイレンスの3×4を持っているのは良い。半兄、半姉は母母父クロフネ、三代母父カルドゥンの影響かマイルまでの馬で、本馬もエピファネイア産駒ではあるが距離は1800ｍがギリギリだろう。新馬戦で上がり3F33.4秒の脚を繰り出しているようにキレがあるので高速馬場向きで、桜花賞向き。ファミリーナンバー1-pの他の活躍馬もアヴェンチュラ、レーヴディソールなど体質の弱い馬が多いので、故障に気を付けたい。
サークルオブライフ☆☆☆☆☆☆
国枝厩舎なので新馬戦の敗北は参考外だが、そこから2連勝中のエピファネイア産駒。中山芝1600ｍの未勝利戦は、出遅れたが3コーナーから捲り、長くいい脚を使って圧勝。アルテミスSでは一転して好スタートから脚を溜め、上がり3F33.5秒の脚で差し切った。特にアルテミスSは良血馬の多いレベルの高い一戦だったのでこの勝利の価値は高い。血統的には、現状エピファネイア産駒の活躍の必須条件であるサンデーサイレンスの3×4を持っており、ヘイローやヘイルトゥリーズンの血統の濃い、キレのある血統。母母父がタイキシャトルでCaerleonのクロスがあるのでマイルがベストだろうが、距離適性の幅はありそう。
シゲルイワイザケ☆☆☆☆
エピファネイア産駒で、アルテミスS3着馬。こちらもエピファネイア産駒の活躍の必須条件であるサンデーサイレンスの3×4を持っている。母母父デインヒルは短距離向きだが、サドラーズウェルズやノーザンダンサーのクロスがあり、ほかにも血統表内にトニービン、ニジンスキー、ヒズマジェスティなどスタミナ豊富な血が存在するので、距離が伸びて良さそう。競馬センスに長けるが決め手に欠ける馬なので、GⅠでも掲示板には乗れそうだが勝ちは厳しいか。
スクルトゥーラ☆☆☆
サンデーサイレンスを含むロードカナロア牝馬らしく、芝短距離〜マイルで瞬発力を活かす競馬をするタイプ。母母はハッピーパスで、近親にはシンコウラブリイ、コディーノらがいる良血馬。この牝系は惨敗の少ない馬が多く、本馬も少頭数であれば重賞でも勝ち負けできそう。ただ小型馬なので、多頭数のGIは厳しいか。道悪はベストではないだろうが、母父ハービンジャーなのでこなせなくはない。ただ体のかなり小さい馬なので、成長待ち。
スタニングローズ☆☆☆
薔薇一族のキングカメハメハ産駒で、サウジアラビアRC3着馬。現状マイル戦を多く使われているが、エンジンのかかりが遅い割にマイルでは極端に脚を溜めないと伸びてこられない印象。このままマイルを使われていても、ペースが早くなって末脚も求められるマイルGIでは厳しいだろう。血統的にはマイル〜2400mくらいを得意とする馬が多い薔薇一族で、キングカメハメハ×クロフネなのでマイル〜1800mがベストだが、案外スプリントで雪崩れ込むような競馬をするのが良さそう。