アメリカ競馬の祭典と言えば?
そう、ブリーダーズカップです。10月下旬から11月上旬の週末2日間にわたるブリーダーズカップデーでは、馬場や距離も様々なGⅠ、重賞が10レース以上設定されています。今年は現地時間11月5日(金)、11月6日(土)の二日間で重賞が14レース設定されています。今年は日本からラヴズオンリーユー、マテラスカイ、ヴァンドギャルドなどが参戦を予定していて、日本での注目度も格段に高いでしょう。
 
そんなブリーダーズカップですが、アメリカ全土の競馬場の持ち回りで開催されています。2019年はサンタアニタパーク競馬場、2020年はキーンランド競馬場で開催、という感じです。そこで気になるのは今年の開催地ですが、今年は2017年以来2度目の開催となるデルマー競馬場です。
 
デルマー競馬場は西海岸のカリフォルニア州にある競馬場で、デルマーオークスやジョン・C・マビーハンデキャップ、パシフィッククラシックステークス、ハリウッドダービーなどが開催される競馬場です。コースはアメリカの多くの競馬場と同じくダートコースが外、芝コースが内の左回り。アメリカの競馬場らしく小回りで、1周の距離はダートが約1609m、芝が約1408m、直線距離は約280m。盛岡競馬場がダート約1600m、芝約1400m、直線約300mなので、盛岡競馬場とほぼ同じ規模感だと言えるでしょう。主場4場の中で最小の中山競馬場でも比にならないほどの小ささです。
 
まずダートコースについてですが、これだけ小回りだとやはり前有利です。ただコーナーで加速できるような瞬発力のある馬であれば差しも可能で、2017年のBCディスタフでは序盤後方から2番手、最後方にいた馬がワンツーという決着になっています。馬場はアメリカの平均的な馬場で、日本やドバイよりもタイムが出やすくなっています。
 
芝コースも同じく前有利ですが瞬発力のある馬なら差しも可能です。ただBCターフの行われる12f(約2400m)やBCフィリー&メアターフの行われる11f(約2200m)のコースはコーナー6つなので、コーナーからスパートせざるを得ない差し馬は距離ロスが大きくなり、多頭数であれば内枠の馬と先行馬が圧倒的に有利になっています。馬場は、同じく西海岸にあるサンタアニタパーク競馬場よりは時計のかかる馬場になっていますが、速い馬場です。
 
最後に日本馬の適性ですが、日本のダート馬は大柄でズブい馬が多く、コーナーで加速できるような馬も少ないので、デルマーのダートレースで好勝負するのはかなり難しいと思われます。ただマテラスカイなどの外国産馬で、スピードのある馬ならチャンスがあるかもしれません。芝は、小回りコースのコーナーで加速できる馬ならチャンスがあると思われます。ただ府中巧者や長くいい脚を使うタイプには厳しいかもしれません。また、時計のかかる馬場に対する適性も必要です。現役馬では、インディチャンプやスルーセブンシーズのようなタイプはデルマー向きなのではないでしょうか。
 
 
ブリーダーズカップデー各レースの予想は11月5日に投稿予定です。