小学生の忘れ物は「箱ひとつ」で変わります
「うちの子、だらしないんですよ。
プリントもどこにあるかわからないし、言っても聞かなくて」
保護者の方から、こんな相談をよく受けます。
そういうとき、私はだいたいこう答えます。
「箱ひとつで終わりますよ」
すると、ほとんどの方が少し驚いた顔をされて、
「箱ですか?」と聞き返されます。
はい、箱です。
特別なものはいりません。家にあるもので大丈夫です。
■ 忘れ物で一番困るのは「見つからないこと」
忘れ物というと、「持っていかなかったこと」をイメージしがちですが、
実際に一番困るのは、
「明日持っていく」と書かれたプリントが、家のどこかにいってしまうことです。
あれは本当に大変です。
家の中をひっくり返して探しているうちに、
何日も前のプリントや、出していなかったものまで出てくる。
親は絶望しながら怒り、
子どもは泣く。
そして、
「この子はだらしない」
という認識が、親の中に残ってしまいます。
■ 怒りながら手を貸しているから、余計に腹が立つ
このとき、親はただ怒っているわけではありません。
探すのも親、
準備するのも親。
「あなたがやらなきゃいけないことを、なんでママがやらなきゃいけないの」
そう思いながら手を貸しているから、余計に腹が立つのです。
■ だから先に「仕組み」を作る
ここで必要なのは、
子どもを責めることではなく、流れを決めることです。
おすすめは、家に「学校用の箱」をひとつ作ること。
帰ってきたら、
・カバンの中身を全部出す
・プリントは箱に入れる
・宿題は机に出す
・明日の用意をする
■ 「何もない日」もメモを入れる
ここがポイントです。
プリントがない日も、
「プリントはない」
「連絡はない」
と、一言メモを入れるようにします。
そうすると、
本当に何もなかったのか
ただ出し忘れているのか
が分かるようになります。
この習慣は、忘れ物対策だけ
でなく、
メモを残す力や、短く伝える力の練習にもなります。
■ 親は箱だけ見ればいい
親は全部を見る必要はありません。
仕事から帰ったら、その箱だけ確認すればいい。
もし何も入っていなければ、
「今日はお手紙ないの?」
と一言聞くだけで済みます。
その日のうちなら、
「あ、忘れてた」
で終わります。
これが数日後になると、怒りは一気に大きくなります。
■ 手を出しすぎない。でも放置しない
子どもができないときは、
「あなたのやることだから、ママは全部は手伝えないよ。
でもやり方は教えるね」
と伝えます。
教科書はここ、プリントはここ、と分けて置かせて、
「明日いるものはどれ?」と考えさせる。
全部やってあげるのではなく、
やり方を渡す。
この距離が大事です。
■ 続けるためのちょっとした工夫
子どもなので、忘れる日はあります。
そんなときに毎回怒るだけでは続きません。
たまに、箱の中にメモを入れてみてください。
「毎日頑張って箱に入れてくれてありがとう。これはお礼です」
そう書いて、小さなお菓子を入れておく。
するとその箱は、
怒られる場所ではなく、
見てもらえる場所に変わります。
■ 最後はニコニコで終わる
準備が終わったら、
「明日○○があるんだね、楽しみだね」
「帰ってきたらどうだったか教えてね」
と声をかけてみてください。
学校の準備は、
忘れ物を防ぐ時間でもありますが、
明日を気持ちよく迎えるための時間でもあります。
ガミガミで終わるより、
ニコニコで終わるほうが、ずっと続きます。
忘れ物をゼロにするのは難しいです。
でも、
親子で怒りながら探し回る時間は減らせます。
まずは、家にある箱をひとつ決めるところからで十分です。
