おんがく→silkworm nine



メンバーは心当たりのある人に声をかけてみた。みんな快く引き受けてくれた。
月に何度か集まる日を決めて、専用のアドレスを作って連絡を取り合う。
スタジオに入った事があまり無かったから結構ドキドキした。

曲は「人魚姫」

前から「バンドだったら面白いだろうなー」と妄想(笑)していた曲。
ドラムとベースとギター、それからキーボード。
あっという間にわたしの拙い音楽が彩られていく。

楽譜が読めない、書けないと「ほんとに音楽やってんの?」と思われるわたしに代わり、キーボードのNが楽譜を作ってきてくれた。

人と作る音楽は最高に楽しい。自分以外の誰かと、同じ曲をなぞっている。呼吸して、跳ねて、笑う。
ただ、バンド慣れしていないわたしはとても音痴でした
張り上げた声は下手くそだけど気持ち良くって、また少しだけ音楽が好きになる。

練習の後のファミレスも、まるで放課後みたいだ。


「バンド名何にしようか?」

「カイコさんが決めてよ」

こうして「とち男」が誕生したのです。