「育休概論~育児休業を取得した男の人のお話~」⑦ | 海上寮ブログ「今日ものんびり」

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千葉県旭市の、海の近くの精神科病院です。海上寮のことを紹介しつつ、気持ちが沈みがちな時でも何となく読むことができる、そんなブログを目指しています。海上寮(http://rosario.jp/kaijoryo/)もよろしくね。

 みなさんこんにちは、海上寮ブログ番外編『今日もあじょにもかじょにも(旭弁)』です。

 

 スポーツジムには、固定された自転車をこぐマシンがありますよね。

全世界の自転車マシンに発電機を付ければ、そこそこ発電できると思うのですよ。

もしかしたら原発も要らなくなるくらいに。電力を使って、

マシンの液晶に速度なんか表示していないで、スポーツジムのマシンには

すべて発電機を付ければエコ活動になると思うのです。

 

 ということで、前回に引き続き、海上寮のエコ男こと海上寮男性職員の私が、

育休、育児などについて、お話をしたいと思います。

 

 

 第6話『常識の隠れ蓑』

 

  「今の若いもんは、なってない」という言葉は、いつの時代になってもなくならない。

この理論からいくと、日本は時代を追うごとに弱体化していっていることになる。

『若いもん』が、次世代を担っていく訳なのだから。実際はどうか、そうでもないのではないか。

例えばTVもデジタル放送になったし、福祉も日々進化している。

進化した技術同士がうまく繋がって、生活がしやすくなっていたりする。

 

 最近の福祉の考え方は、障害があるなしに関わらず、

『皆が生活しやすく』という事に重点が置かれるようになってきている。

先のTVの件、現在は、設定次第でニュース等の生放送にも字幕を表示させることができる。

元々は聴覚障害者のための機能だが、TVの音を出せない人にもやさしい機能である。

我々も、赤子の睡眠を妨げないために、TVの音量を下げ、字幕機能を使うことにしていた。

慣れるとなかなか便利である。アクション映画も問題なく観ることができる。

会話だけでなく、(爆発音)や(咳払い)、(♫~)などの字幕もあり、わかりやすい。

(♫~)のBGMの表現に関しては、自分が映画音楽の作曲者になったような気分で、

赤子を抱きながらTVで映画を楽しむことができた。

 

 生後1ヶ月経った。1ヶ月経つと、短時間の散歩が赤子の成長に良いらしい。

3人で近所をぷらぷらすることにした。散歩は、一番健康に良いという話もある。

体一つでできるし、年配の方なども散歩している方は多い。

道端で、知らないおばさんとすれ違った。「こんにちは」と挨拶すると、

「ありゃ!犬抱いてんのかと思ったら、あーかちゃんでねーかこりゃ!」と

旭流の挨拶を返してもらった。最近は、犬を抱いて散歩する人も多いようだ。

 

 犬の散歩なのか、人間の散歩なのかわからないが、

それは、赤子も歩いていないので我々にも同じ事が言えるのだろう。

我々はすぐにそのおばさんと友達になった。

おばさんが言うには「私達が子育てしていた時代は、男が育児をすると『バカだ』と言われたもんだよ。

夫は育児なんか何一つやらなかったよ、それが当たり前の時代だった。

今はいいねぇ、男の人が手伝ってくれるんだから」と教えてくれた。

 

 常識や価値観は時代によって変わる、その時の常識が未来では非常識になっていたりする。

いつの世も、多くの人がその時代の常識を頭にかぶり、皆と同じだと安心感を得ようとする。

先のおばさんの話、当時の男性は育児をどのように捉えていたのか気になってしまった。

女性の育児や周囲の協力体制についてはだいたい想像ができる。

当時は拡大家族が多く、育児に関して協力してくれる家族が多かったり、

地域同士の結びつきが濃く、地域全体で子供を育てるという仕組みになっていたのだろうと容易に想像ができる。

 

 しかし、男性の意識はどうだったのか。

誰だってバカにされたくない、バカにされないように育児をしたくてもできなかったのか、

オレの背中を見て育て的なスタンスが流行っていたのか、

年功序列や終身雇用等で男性の職や収入が安定しすぎて男が偉すぎたのか、

もしや侍の時代だったのか、等、考え込んでしまった。

 

 ただ、ひとつ言えるのは、おばさんの発言からすると、

当時、少なくとも『妻は夫に育児を手伝って欲しいと思っていた』ことがわかるということ。

これは、いつの時代も変わらないのに、時代や常識、社会の仕組み等によって、

それが妨げられてきていて、現在も尾を引いているのではないかと思うのである。

育児に関して、どの時代がより良かったのか、今後、どう常識が変わっていくのか、

考えてみるのも面白いかもしれない。そんなことを考えながら、夕日が沈む前に帰路につくことにした。

 

 ちなみに先程のおばさんは、「近所の分譲地が数年前にたくさん売れたが、

若い人が来なかったから、ここ何年も赤ちゃんを見たことがない」とか、

「最近買い物に行く所は、〇〇というスーパーだ。ここが一番良い!」とかいろいろ教えてくれた。

こういう生の情報の方が、ネットの情報よりも、ピンポイントで役に立ったり、

人間味がある情報だったりして、役に立つものだったりする。

うちの赤子も、空気を読んで、おばさんの話をじっと聞いていたので、将来なにかの参考にしてもらいたいと思う。

 

 次回、衝撃の最終回!20分拡大スペシャル!あなたはこの感動の嵐に耐えられるか…!