こんばんは。たまにはちょっとだけまじめに、
精神科のお薬と、カウンセリングの話をしてみます。
精神的な問題が起こった時、多くの方は
「まさか自分がこんなことに」とショックを受けます。
でも例えば、うつ病であれば生涯罹患率は
12~18%などと言われますので、実は
高血圧や糖尿病よりも多い数字です。
それほど多く感じないのは、「私はうつ病でーす」
などと言う人は少ないことや、改善率も低くない
からじゃないかと思います。
余談ですが、うつはデリケートな人がなると
思われており、そういう傾向もあるかもしれませんが、
結構ずうずうしい人もなります。「気合が足りない!」
なんて言われがちですが、どちらかというと
宝くじみたいなもので、気合系の人だって
なる時は当然なります。
ところで、そんな時に「精神科にかかる」って
きっとハードルが高いんじゃないかと思います。
自分に限って、とか、自分が悪いからとか、
逆に周りが理解してくれないからとか、
堂々巡りになってしまいがちです。
ましてやお薬を飲むなんて、バカじゃないか。
すべて上司が悪いのに。いややっぱり、
自分がこんなだから、いけないんじゃないか・・・
やっとの思いで精神科を受診した時、
お薬は絶対に飲みたくない方もいれば、
お薬に頼りたい、という方もいらっしゃいます。
でも多分、どっちも大事だと思います。
カウンセリングは、自分が冷静になり、
将来に向かって歩き出すために、
とても大切です。でも万能ではありません。
場合によっては、カウンセリングで傷を
見つめすぎることにより、傷から離れられなく
なることもあります。カウンセリングを避けることも、
大切だったりすることもあります。
なぜ薬?と思われるかもしれませんが、
例えばうつで不安で、眠ることもできないとき、
食事が食べられないときなどは、たいていの場合、
自分の力で「よし寝るぞ」では眠れません。
そういう時はすでに、脳の中で神経伝達物質の
バランスが崩れていて、体に影響が出ているのです。
そういう時は、それを整え元の体調に戻すための
お薬を使うことは、とても大切です。
お薬は、現代社会で私たちが生きるためには、
うまく付き合っていくべき、大切なパートナーです。
海上寮も昔、結核療養所でしたが、
今は結核は治る病気となってしまいました。
自動車が、危険もありながら生活から切り離せなく
なっているように、薬も私たちの生活に重要なのです。
現在の薬は、多くの研究により作られ、
たくさんの試験によって安全性を確認して
はじめて販売されるようになります。
ですので1つの薬が世に出るまでは、
数千億のお金がかかり、30年くらいの
開発・検証期間がかかっているのです。
いや薬より自然のもの、と言われるかも
しれませんが、自然のものも無害ではありません。
塩しかり、カフェインしかり。これらは大抵の薬より
よほど有害だったりします。
自然のものがよいというのは、長年使われて
安全性が分かっている場合だけだと思います。
銀の食器が人には無害で、殺菌効果がある
なんていうのは、数千年も使われた実績が
あるからでしょう。
現在の薬は、相当安全に作られていますが、
それでも薬は、「人の体の状態を変えるために」
作られたものです。ですので、作用のある薬は、
絶対に副作用もあります。
薬は便利でとても大切な一方、危ないもの
でもあるので、病院で医師が処方するのです。
薬が絶対に嫌な方、薬を医師に勧められて
困っている方、薬をなるべく飲みたい方、
いろいろな方がいると思いますが、
飲みすぎも飲まなさすぎもいけません。
せっかくよい薬もいろいろあるのですから、
車と同じように、ぜひ上手に薬と付き合って、
一人でも多くの悩んでいる方々が、
一日も早くよりよい生活を送れるようになるよう、
祈っています。
(今日は最後まで真面目ですみません)