私は以前乾物の商品開発も行っていたことがある。

 

働いていた会社のメインは海苔

 

私は海苔が好きで必ずおにぎりには巻いていたし、朝食には味付けのりを毎日食べていた。

 

ところで海苔が育つイメージってどんなイメージでしょうか?

 

昔子供のころテレビで見た海苔の宣伝は「でーたらぼっちが昔、田植えをマネて海苔を海で育てた」とか言っていた。

 

私は勝手にきれいな海に青々とした海苔が波に揺られている何ともまあ平和なイメージを持っていた。

 

同時にままごとで汚いどぶにはえている藻を拾ってきた枝ですくっては平らに干し、海苔だ!と遊んでいた。

 

 

乾物の会社では私は「海苔がどうやったらさらに売れるんだろう」ということが一つの課題でした。

 

頭をひねったり、外を時々見たりして「あーでもない、こうでもない」とぶつぶつ言っていた。

 

するとそれを見た常務が「開発ちゃんよー、海苔ってどんなところで育っているか知ってるか」といきなり聞いてきた。

 

「でーたらぼっちが」とは答えなかったが「きれいな海で網を置いておくとそれに勝手に海苔の種がくっついて育つんじゃないですか」

 

と答えた。

 

するとニタリと常務は顔が緩み、「海がきれい?それは違うなあ。海苔の産地はわかるか?海苔って海が汚ければ汚いほど育つんだよなあ」という。

 

つまり海が汚れているというと海水が栄養で満たされているということ。

 

私の実家のある愛知の三河湾・・・夏の海水浴で黒い海を歩いていたら、うんこを踏んだことがある。海の表面には油が浮いて、底が見えないくらい綺麗じゃない。

海苔の産地だ・・・

 

松尾芭蕉があまりの美しさに言葉をなくし「松島や。ああ松島や」と言ったという海・・・・今だったら松尾芭蕉は言葉をなくすことないと思う。だってそんなにきれいとはいえない。

海苔の産地だ・・・

 

有明海苔・・・私は有明海には行ったことがない。どうだろう。海はきれいだろうか。せめてきれいであって常務が私をおちょくるために冗談を言ったと信じたい。