こんにちは！

介護用品スタッフ1号です

今回は介護ベッド編第６回

「高さ上げ機能の活用」

についてお話しします

【高さ上げ機能はどういう時に有効？】

高さ上げ機能とは

ベッド全体の高さの上げ下げ

（床高の上げ下げ）の事を言います

高さ上げ機能はどういう時に有効かというと

ざっとこんな感じです

・端座位からの立ち上がり補助

・介助者のベッド上作業の負担軽減と腰痛予防

・端座位姿勢の安定性

・ベッドへの着座時の衝撃緩和

・ベッド転落時のケガのリスク軽減

これらの特徴をひとつずつ説明していきます

【端座位からの立ち上がり補助】

ベッドの高さ上げ機能で

最も有効に使われているのが

端座位（ベッド横に腰かけた姿勢）からの

立ち上がり補助です

座っている面が高ければ高いほど

立ち上がり動作が楽に行えますので

適切な高さに調整してもらうといいでしょう

適切な高さの一般的な目安としては

膝とお尻の高さが同じくらい

もしくは

膝よりもお尻の高さがやや高いくらい

が立ち上がりしやすい高さとなります

立ち上がりのしやすさだけを考えるとすれば

お尻の高さが高くなればなるほど

立ち上がりしやすい状況になりますが

あまり高くなりすぎると

足裏が地面から離れてしまいます

そこまで高いと

座った際の姿勢が不安定になり

ふらつきや転倒のリスクも高まりますので

地面に足裏がしっかりついている範囲で

お尻の位置を高くしていくといいと思います

【ベッド上介護の負担軽減と腰痛予防】

ベッド上で利用者の体位変換作業やシーツ交換など

介助者のベッド上作業をしやすくする上でも

ベッド全体の高さの上げ下げは非常に有効です

基本的に

介助者が前かがみになって作業をすることは

腰痛を引き起こす大きな要因になります

介助者の体を守るという意味でも

かがまずに作業が出来るくらいの床高調整は

とても重要です

【端座位姿勢の安定性】

先ほど

「立ち上がりしやすい高さへの調整が重要」

と書きましたが

立ち上がりだけでなく

ベッド横に腰掛けた姿勢を安定させるうえでも

高さの上げ下げは重要です

この場合の床高の目安は

本人の膝とお尻を同じ高さに

設定することが重要です

立ち上がりをしやすくする高さより

少し低めの設定となります

【ベッド着座時の衝撃緩和】

高齢者の方は

座るときに膝の踏ん張りがききづらく

勢いよくドシンと座ってしまうことが多いです

その際に床高があまりに低すぎると

座る際の高低差がありすぎて

勢いよく座った拍子に

後方にそのまま倒れてしまう恐れがあります

後方に倒れた先にサイドレールなどがあると

後頭部を柵のフレームで強打

…なんてことも（恐怖）

できるだけ座る際の高さは高くしておいて

着座時の衝撃を緩和し

ケガのリスクを防ぎましょう

【ベッド転落時のケガのリスク軽減】

ベッドは地面からどうしても高い為

万が一ベッドから転落してしまった際に

ケガを引き起こすリスクが高いです

就寝時の体動・寝返りで

床に転げ落ちてしまったり

認知症の方でサイドレールを乗り越えて

ベッドから降りようとされる方など

ベッドからの転落の危険は

常に気にかけなければなりません

そのような危険のある方については

就寝時は床高を一番低く設定し

ベッドから立ち上がる際は

立ちやすい高さに調整する

などなど

用途に合わせたこまめな調整が重要です

【ベッド前後と壁の間隔に注意！】

ベッドの高さ上げ機能を使う際に

気を付ける事として

ベッドの頭側足側のボードと

壁の間隔があげられます

ベッドの機種にもよるのですが

ベッドの高さを上げ下げする際に

ベッドの仕組み上

ベッドが前後に数センチぶれます

（円弧を描くような上げ下げ）

なので壁ぴったりにベッドを配置してしまうと

ベッドを上げ下げした際に

壁をベッドが押してしまう状況になり

最悪壁を破損させてしまう恐れがあります

だいたい前後のボードと壁の間に

握りこぶし1個分くらいの隙間があれば

壁に干渉するリスクはなくなりますので

ベッドの配置はこのあたりも踏まえて

考えていくといいと思います

【まとめ】

・高さ上げ機能とは

　ベッド全体（床高）の上げ下げの事を言う

・端座位からの立ち上がり補助として

　足裏が地面から離れない範囲で

　膝よりお尻の高さがやや高いくらいの設定が

　立ち上がりしやすい高さの目安

・介助者のベッド上作業の負担軽減と

　腰痛予防として

　介助者がかがまずに

　作業出来る床高調整が重要

・端座位姿勢の安定の為に

　この場合の床高の目安は

　膝とお尻が同じくらいの高さ調整が重要

・座る際は床高を高くしておくと

　着座時の衝撃が緩和され

　ケガのリスク軽減につながる

・就寝時は床高を一番低く設定しておくと

　ベッド転落時のケガのリスクが軽減できる

・ベッドの仕組み上

　高さ上げ時にベッドが

　前後に数センチぶれるので

　ベッド前後と壁の間に

　握りこぶし1個分くらいの隙間を開けて

　ベッドを配置することが重要

ということで

最後まで見て頂きありがとうございました！

次回は

「ベッド利用時の事故を防ぐ」

について取り上げる予定です

ちなみに

最適な福祉用具選定のお手伝いをするのは

私たち福祉用具専門相談員の仕事です

地域の福祉用具専門相談員に

遠慮なく相談していただければ

きっとより適合した機種選定を

行ってくれると思います！

ではでは。

【介護ベッドの使い方】⑥高さ上げ機能の活用