岡山からモニカの幼馴染が遊びにきた。友人の結婚式に出席したついでに立ち寄ったのだという。
旅費とお祝儀にお金を使ったので宿泊費を節約したいと
いうので我が苫屋に泊まってもらうことに。
モニカの泊まっている質素なゲスト ハウスでさえ、素泊まりで2500円もかかるのだ。
モニカも同伴して家でお食事会と相成る。
「あ、この梅、ウメーッす!」
気取らない、そこはかとないユーモア漂う、しなやかな精神の持ち主みたい。
超絶美人のモニカと幼馴染だったせいか、まだ結婚していない。自炊の時間もなく、よって、日頃、コンビニエンスストアのもので済ませることが多いと聞いた。
昨年、生まれて初めて漬けた「梅干し」をまず、絶賛。
お酒は甘酒にしてみた。
炊飯ジャーに麹とお米を入れて醸す。
炊飯ジャーは炊飯には使ったことがない。美味しくないのだ。
米を炊く時は鍋でガスで炊き、炊き上がったら、蓋を外して湯気を逃がす。充分、逃がしてから蓋をして5分。また蓋をとって十字に切り目を入れて4ケ所、底からひっくり返す。それ以上は触らない。また、蓋をして蒸らす。これで美味しいご飯が食べられる。
お客さんなので、普段は玄米を食べているが白米を出す。が、私は残っていた玄米ご飯に、粗挽茶と、漬物のお茶漬け。
蕪の千枚漬けを甕から引っ張り出したところ、鹿賀見君(モニカの幼馴染)の触手が伸び、「味見させてもらっていーっすか」。
「わー、爽やかー。滋味が溢れるというか、ホント身体に良さそうですね。」
いちいち、褒めてもらうと悪い気はしない。
「すんませんね、俺のために手間かけさせて」
「いいえ、簡単なの。蕪を薄くスライスして、黒砂糖と塩をまぶして甕に入れて、サランラップでゴミよけして、重石して、蓋をしておくだけ。食べる時にほら、この柚子胡椒をまぶすと、また一味違う上品な味わいになります」
「お、柚子胡椒!オツですね!」
「昨年末、無農薬のものを田吾作まーけっとで見つけて。そのまま保管しておいても黴がきては台無しなので、皮を薄く剥いて、赤唐辛子、塩を混ぜて漬け込んだのよ。漬け込むと言っても瓶に一緒に詰めるだけなの」
モニカは豆乳ヨーグルトに柚子胡椒をのせて、ちらりと蜂蜜を垂らして、大切そうにスプーンですくって口に運ぶ。
「いい香り」
「あんたはんの髪も、いい薫りだす」
甘酒で少し酔いが回ったのか、鹿賀見君がモニカにちょっかいを出す。
モニカはTV画面と柚子の香りに注意を
集中させていて気がつかない。
ドラマの再放送らしい。
火の粉。
好意を押し付けてそれを受け取らない人を殺してしまう犯罪者の話。
「あら、何処かで聞いたことのある筋書きね」
「え、何処で?こんなドロドロの話、身近にありますか?」
鹿賀見君が、手作りシューマイをパクつきながら、上目遣いできく。
鹿児島産の豚肉は、街のお肉屋さんで調達した。
店の機械ミンチにはしないで、トンカツ用のものを包丁で細かく切って、ミンチ状に。さらにお水を振り入れて、一定方向に攪拌。攪拌方向は一定でなければいけない。この作業により、細胞が傷つくことなく、肉が水分を抱き込み、加熱して口に含んだ時ジューシーになる。
皮は地の粉を調達。以前、理研の粉を使ったら翌日、必ずといってよいほど、関節が腫れた。地の粉だとその症状が出ない。めん棒が見当たらないので、粉をまとめてから寝かせて小さくちぎり、指でつまみあげたり、引っ張ったりして薄い膜のようなシューマイの皮にしたてる。肉には生姜や玉ねぎ、醤油や塩で味付けをして、皮でくるみ、蒸す。
「毒の回った水槽に住む金魚をいきなり綺麗な水に移しても、命が危ないともいうし。」
「なんですかそれ?蒟蒻問答?」と、今度は春雨のネギ生姜ソース和えを口の端からミミズみたいにはみ出させている。
次々に制覇して行く。食欲旺盛で、気持ちがいい。
モニカの細い指が菊芋チップスに伸びる。
「菊芋は小さいから皮を剥くのが大変よね」
「うん、スプーンでこそげ取るけれども、たくさんこなさなければいけないから、大変といえばそうね。皮むきもそうだけれど、干す作業がね。お天気と相談だもの」
「まだ、全部は掘り出さないで埋めてあるんでしょ」
「そう。調理する時に掘り出しに行くの」
「え!?なんですか?自家製の菊芋なんですか?!感激やなあ!」
・・なんというのか、・・・C調?
ピュアピュアが、やってきて座に加わる。
さらに強者ピュアピュアが食卓参戦となると俄然忙しくなり、台所で慌てて里芋を見つけ出し、皮をむき、1cmくらいの厚みにチョンチョン切る。
菜種油を熱して、里芋を揚げ、暖色系のイタリアンなお皿(ファーマーマーケットで物物交換した)にあけ、胡麻塩をまぶし、山羊のチーズのワイン漬けを薄ーくスライスして刻んでパラパラふりかける。
「なんですのん、コレ」
「里芋」
「イヤー、おしゃれですなー。美味い。とても里芋とは思えない。」
私の口には入らないが、ぬかりはない。サーブする前に台所の片隅に私の分は取り分けてある。
ピュアピュアが持参した青島ビールのおかげで、座はますます盛り上がる。
「この揚げ里芋山羊のチーズワイン漬け添えはビールに良く合うね」
ピュアピュアがビールを「あおしまビール」と呼んだのが、座のピーク。
モニカが鹿賀見君のために冷酒用の花垣を買ってきていた。
美味しい日本酒と腐乳のおつまみ、卵の黄身の味噌漬け。
のびるのニンニク醤油和え。
宴もたけなわ。
TV画面はニュースに変わり、子育て困る親は無視!?安倍政権「家庭教育支援法」の 仰天中身というタイトルで識者がいろいろ述べている。
「みんなが同じ方向を向きなさいという教育を家庭でも学校でもしようと。枠からはみ出ないで、従順でお上にも逆らわない、そういう子どもを育てようとしているようなものです」
学校と家庭での意見が割れないようにしようというのが、この法律の狙いと指摘する。
「また、きな臭いなあ。戦前と変わりまへんなあ」
暖気で屋根が温まったのか、雪がドサドサと音を立てて落ちる。
「いまだに少年アシベを信奉するお年寄りは多いからね」
「身の回りにしょっ引かれて神隠しにあっている年寄りがいても、自分だけは違うと思えるのかな」
「まるで外で誰かが家の壁に突っ張りしてるみたい」
「無関心なんだろうね、結局。他者に無関心なのよ」
「後見人制度促進なんとかで、高齢者を囲い込んだかと思えば、次は子供?」
「選挙権の18才繰上げと連動してるんでしよ。判断力が十分でなければ、権威に従う。投票田の開拓をしたいわけ」http://trackback.blogsys.jp/livedoor/jijihoutake/55497405
「選挙の手伝いを地方公務員がすると、新人職員でも一日40000円の日当だって。
公務員が日本を滅ぼすというスレッド、乳酸菌で有名なあの飯山一郎さんの掲示板、 放知技にカキコがあったよ。すごい沢山もらうんだね」
いつの間にか、鹿賀見君はピュアピュアと話し込んでいる。
ピュアピュアの見た初夢の話のようだ。
スーパーで買い物をしたの。
レジで支払いをして、5000円が返ってくる予定だったが、
偽札のような玩具のようなお札をオバちゃんから渡された。
「これ、5000円札じゃないですよね!
ちゃんとしたのを返してください」と抗議すると、レジのオバちゃんが逆ギレして、なんと500円玉を10枚投げつけてきたん。
周りの客はスーッと退いていくんよ。
鹿賀見君
「へ?なん?聞こえんかった。おばはんが、
どしたって?」
「レジで支払いをして、5000円が返ってくる予定だったが、
偽札のような玩具のようなお札をオバちゃんから渡された。」
「ほんで?」
「これ、5000円札じゃないですよね!
ちゃんとしたのを返してください」って述べたら、レジのオバちゃんが逆ギレし
て、なんと500円玉を10枚投げつけてきたん。
鹿賀見君
「ほーん、そして、どうなったん?
もうこんなスーパー、2度と来んわ!!っていうたん?」
ピュアピュア
「100円くれたら教えてあげます。著作権が発生します。」
-続く-