汝の内なる宇宙を旅せよ

汝の内なる宇宙を旅せよ

さまざまな事象の降り注ぐ 

この空間に 

投げ込まれた 私達。

無数の喜びに巡り合い 

無常の海に身を清められ。



内なる宇宙の旅の記録を 綴ります。

一粒の麦、もし地に落ちて死なずば、唯一つにてあらん。


死なば、多くの実を結ぶべし 


    -ヨハネ伝第12章24節-


                                                 Truth                                                                        

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傾きかけた太陽の光に
満開の桜が照り映える。
 
精一杯 身を膨らませて
光を吸い込もうとしているかのよう。


川の水は花を愛でる人の
感嘆の溜息にも
無頓着に
淡々と流れていく。

 

「・・ねえ、悪意は乗り越えられる
ものなの?」

 

 

「は?  またまた・・・
鈍感力とかって
どこかのライオンみたいな人が
言ってたけれど」

 

 

 

 

モニカはワンピースの裾に貼り付いた
花弁をそっとつまみながら言う。

 

 




「悪は取り除くものではなく、
乗り越えるものだと
どこかで読んだのよ」

 

 

 

「でーもー、チョモランマのような
巨峰を 乗り越えようとして
遭難したりするよね。

 

 

まあ、あれを
取り除くよりは乗り越える方が
現実的だけれど。

 

 

要するに、悪の方を触るのではなくて
自分がスタスタ移動して目的地に
ついちゃえばよいということなのかしら。」

 

 


「そんな簡単には行きたい所へ
辿り着けないよ
ということなんだろうね」




はなびらが川面を流れていく。




「誰かを守るには
剣を振り回さなくても
山のように
そこにいるだけで良いという
考え方もあるね」




「ああ、そうね。
山も実はいろいろ苦労してるのかもね。

本当はすくっと立ち上がって
スタスタ別の所へ歩いて行きたいのかも・・」




「だーめーよー。
山が動いていっちゃ。 

風の通り道に
なっちゃう。

 

 

里の風土が変わる。
住み着いていた狸や狐の居場所が
なくなる。


ハンターに狩られて
ジビエにされちゃう」

 

 

 

 

 

 

「山もそれを慮って
泰然と座しているのだろうけれど。

 

 

 

猟師に勝手に踏み込んで来られるわ
山肌を削られるわ
挙句に住み着いてる狸や狐が
ハンターの弾をよけた拍子に
岩肌に弾が撃ちこまれたり。

山もたまらずに鳴動したりして
みたくなるわけ。」
 

 

 

風が冷たくなってきた。
空も薄墨色に暮れなずむ。

 

 

 

 

 

「・・・せやねえ・・・。

 

 

 

あんたはん、不合理を
唄にしてみなはれ。  」



「うた?」



「どうにもならない状況にある場合
ただ心の静けさを保って
動かないでいることが
最善の策であることがあるやん。

その時に必要なのは
自分の心を治めることやで。

あ、お腹空いてきた。
あの店でやすも。」




大きな伊万里焼の壺が窓辺に飾られた
軽食喫茶をモニカは指差した。


-続く-

https://youtu.be/HNvTh_3iayM 宇多田ヒカル 桜流し
https://youtu.be/ljFWOMfcqEE レミオロメン 粉雪

粉雪がティラミスにふりかけたココアパウダーのように

空き地をメルヘンチックに見せている。



「パウダースノーやな。スキーには最適や。」


「スキーするの? 私は小さい頃、ソリ遊びで痛い思いをしてから縁がない」

ピュアピュアが鹿賀見君に聞く。



「スキー場でバイトしたりしたからね。


大人になってからは

恐怖が邪魔をして

なかなか習得できない。


子供は楽しい!ことにつられて

滑りたい!と欲求して

みるみるうちに滑れるようになる。


大人になってから滑れようになるのは

ハードルが高い。」



モニカは小さい頃から、家族で泊りがけで

雪質のいいスキー場に出掛けてスキーを楽しんでいた。



「アンタはんは大人になってから滑れるようになった口やろ?」




坊さんに教えてもらったのだ。

正確には住職をしているインストラクター。






スキーの技術レベル別に分けられて小集団での演習。



一通りのボーゲンの練習後、

いきなり高台に連れて行かれて

「直滑降しなさい。」




怖かった。



注意事項は


両腕を広げて風を受けるムササビのような体勢で


前のめりで来い。(先生は下で待っている)




絶対にへっぴりごしになるな。
重心を後ろに置くと転倒する。



さあ、滑る順番が来る。上から下を見下ろすと

初心者には傾斜がきつ過ぎるんですけど。



引き返したい。


ひよえー、転倒せずにいったとしても、
果たして止まれるかなぁ?

考え出すと恐怖は止まらない。



下では「来い!」と号令がかかる。




ままよ!
ダッと滑り出す。



スピードが増す。


怖れが囁きだす。

危ないよ。
スピードを緩めなよ。

思わず耳を傾けそうになる。



ダメ!

良いイメージを!




腕をしっかり広げる。ムササビのように。


前のめり!


板と一体になり、前のめり!



そうだ!スピードを恐るな!



高速で移動する板に一体化すれば恐怖はない。



薄氷のような空気に顔を叩きつけながら

滑り落ちる。

はは、やった。やった。

安定している。





いつの間にか傾斜は緩まり、


修羅の世界から穏やかな平地に滑り込む。




高速で滑る板と一体化する感覚、恐怖を克服した後は、

滑れるようになる。



雪のコブを切って滑ったり、雪の日が楽しくなった。




たったあれきりで滑れるようになった。


教えてくれた人が優れていたんだなあと


今、思う。




j-lyric.net/artist/a00eecd/l03e164.html 「嘘と煩悩」作詞:KREVA、作曲:KREVA
「もう、知りません!」

ピュアピュアは目を見開いて

立ち上がり、数歩、歩いたところで


「イタタタッ」と声を上げた。



「雪道を履きなれないブーツで歩いたせいか、

足の裏に水膨れができたみたい・・・・」




ええっ、また、ヤワな足の裏だことと、

すっかり面の皮の厚くなった私は咄嗟に思ったが、

鹿賀見君は、直ぐにそばに寄って

傷口を確認している。




「あらら、肉球みたいにパンパンに

なってはる」


「あー、本当だ!グミみたい。」





ピュアピュアは恨めしそうに呟く。


「うら若いムスメは、足裏に肉球ができて

困っています。


皆さん、熱弁をふるって、

唇はたいそう熱いようですが、

指先はかじかんでピクリとも

動かないのですね。


手袋でも編んでプレゼントしましょうか」




「私は、雪の柄のがいいな。パウダーブルー

に白い雪の結晶にして。」



「指先が冷たいのは血行が悪いんだよなぁ。

もっとガソリン入れるかな」




「肉球ができるって、ああた、猫に変身しかけとるんやでえ。」



年上族の心ないからかいの声に、頬を紅潮させて
ピュアピュアは立ち去ろうとするが
痛くて歩けない。


「針で刺して、中の水を抜いてやれば
楽になるし、感染しなければ
すぐに回復するよ。」

鹿賀見君が提案する。



「イヤイヤ!!
針で刺すと痛いもの!」



「でも、パンパンに水膨れが
膨れていたら
ずーっと痛いよ?


どのみち、何処かで押されて
潰れるし、その時はやはり痛いんだよ」




「・・・・今、針を刺してしまえば
瞬間、痛いかもしれないけれど
これで痛みはなくなるってことだね・・



ふん、しょうがない。

ほれ、刺してもいいよ!」


足を放り出す。




鹿賀見君はモニカが携帯用裁縫セットから差し出した針を

ライターの火で炙って

慎重に、水膨れに突き刺した。




「痛っ!!」


ポツンと血が。皮と水の部分を越えて

皮膚の中までついてしまったらしい。





半泣きのピュアピュアを尻目に

玄米由来の乳酸菌液をたっぷり傷口に

スプレーする鹿賀見君。




「二、三日は頻繁にスプレーしておけば

直ぐに元に戻るよ」



「・・・シクシク・・・」







モニカが一言。

「鹿賀見君、いかんなぁ、女の子を泣かせちゃあ」



-続く-

 
 
人間一人を身体からひねり出す

体験をしていない性は

その分、努力が必要かも。


生命を生み出す時に伴う痛みを

知らないで、

生命を扱ったりしている。


実感が伴わないのだ。



頭では分かっているようで

心では感じとれない。




お金ばかり追いかける暮らしも

心を荒ませる。



損得しか考えない暮らしは

心を収縮させ、渇望をもたらす。

渇望は貪りに転じ



どれだけ所有しても

心の渇きは癒されない。


自ら貪りの牢獄に籠城して

際限なく苦悩する。




女性は生命を自らの身体から

生み出す感覚を知る機会を持つ。




出産に尋常ではない苦痛が伴うのは

苦痛の代償に得た生命を

命がけで守らせる為ではないか?





おさなごの笑顔は

何物にも代え難い。


おさなごの顔はいつも

うっすら光を帯びている。


瞳の奥には無限が映る。



幼子は目を見張るスピードで成長する。


若い親は自分の気づいていなかった摂理が

この世に確かに存在することを知る。

「著作権といえば」

モニカがココアのカップを

掌で包み込み

息を吹きかけながら言う。

 

髪が顔にかかるのを、軽く払って、

片方の髪の毛を耳にかける。

 

ふっくらした耳朶に

収まる、上質の真珠。


「凛子ちゃん、パンダの郷でJazz習い始めたじゃない?

銀行辞めて、フラーっとパンダの郷に行っちゃって、

なんかいろいろやってると思ってたら、
お稽古の発表会の

チケット買ってくれって」


「あー、私のところにも言ってきた。
スケジュールが合わなかったから

また次の機会に行くって言っておいたけれど。

凛子ちゃんはもともと才能があるからね。でもなんでわざわざ習うんだろ?」


鹿賀見君がトイレに立つ。

 

「何やら知らない土地で、
友達を作るのに必死で、勧められるままに、

流されたっていうのが真相みたいね。」

 

ピュアピュアが、
甘酒をひっくり返して、
慌てて、

ボロきれで拭いている。酔いが回ってきたらしい。


「そうみたいね。もともとは、金欠になったから
唄でも歌ってお小遣いを

稼ごうというプランを立てていたもの。

もともと歌がうまいから、あの子。

それで、最近の歌を歌うと著作権の絡みで、お金を払わなきゃいけないから、 面白くない。Jazzなら、払わなくていいんじゃないかな。Jazz歌うわーって言っていたような気がするのね。それが、何故か、儲けるどころか月謝払って、習い事をしていたという・・・」

 


「うひょー。稼ぐつもりが?

しかし、唄を歌ってもお金を取られることを考えなきゃいけないなんて。投資のつもりだったのかしら。急がば回れ、だったのかも知れないね。レッスン受けて上達したら、歌える場も広がると考えたんでしょ。」

 

部屋の暖気のせいか、モニカの頬はポッと紅がさしている。
瞳は月夜の河のようにきらめきを湛えている。


「それが・・・・・もともと、とっても歌の上手い子だったのに、あの時は吃驚したわ。・・・・・ド下手なの」

 

 

「そっかー。唄なんて魂の呼吸みたいなものだもの。きっと凛子ちゃんその頃は魂が凍えかけていたのよ。」


鹿賀見君がトイレから戻ってきて
またピュアピュアの隣に座り込む。

 

「バッヂと交換でどうかな。今、手持ちがなくて」

鹿賀見君が切りだした。


へ?バッヂ?
気の抜けた声を出すピュアピュア。


ポケットから出したのは缶バッヂだが、

一見シルバー風。

 


「あきません」

きっぱり断るピュアピュア。


「なんでー。ケチ」

 

「あきまへん。

あんさんに、一度、ひと通り事の次第を

丁寧に話しました。


それなのにあんさんは、

聞いていなかった。


誠心誠意、語りかけて、話し終わって

「何が?」と言われた時の衝撃、

あんさん、分かりまっか?


だから、もう、あんさんには

話はしません。」

 

 


鹿賀見君、コップに残った青島ビールを飲み干し、



「何が?」

 



-続く-

きっぱりと 雪が来た。

 

季節ごとに自然が差し出してくれる風景の何と象徴的なこと。

 

 

 

一夜にして周囲の風景が変わってしまうことを

毎年、幼子はその目に刻みつけて大きくなる。

 

四季がはっきりとあるということは
一年に4回も、

舞台転換があるということ。

 

なんと恵まれた国土だろう。

 

 

日本にははっきりとした四季がある。

 

これはgiftだ。

 

 

こんなにたくさんの手紙を貰っているのだから、

ひとの心の中の河にも四季が映り込んでいることだろう。




凍りついているだけで。

 

陽光が降り注げば

緩やかなせせらぎとなり。

サラサラ音を立てて

流れ出すだろう。

https://youtu.be/SmaeIlqqNCM 宇多田ヒカル 忘却 featuring KOHH

陽射しが出てきて、寒気が緩む。

雫の中に光を閉じ込めて滴り落ち、

氷柱つららはますます鋭くなる。


とととととととん
とととととととん

滴り落ちる水の音。

 

「小さい大工さんが屋根を叩いている」

 

大工さんにそろそろ

お茶にしましょうと声をかけて

休んでもらいましょう。

 


ドスンドスンと音を立てて

 

屋根から雪が落ちる

 

向かいの家のおさなごが呟く。

 

またお相撲さんがきて

家の壁にツッパリをかましている。

稽古関、行って戦ってきて     

 

あい、ごっつあんです!  

どすこいどすこい。

 

 

岡山からモニカの幼馴染が遊びにきた。友人の結婚式に出席したついでに立ち寄ったのだという。

 

旅費とお祝儀にお金を使ったので宿泊費を節約したいと

いうので我が苫屋に泊まってもらうことに。

モニカの泊まっている質素なゲスト ハウスでさえ、素泊まりで2500円もかかるのだ。

 

 

モニカも同伴して家でお食事会と相成る。

 



「あ、この梅、ウメーッす!」

 

気取らない、そこはかとないユーモア漂う、しなやかな精神の持ち主みたい。
超絶美人のモニカと幼馴染だったせいか、まだ結婚していない。自炊の時間もなく、よって、日頃、コンビニエンスストアのもので済ませることが多いと聞いた。

 

 

昨年、生まれて初めて漬けた「梅干し」をまず、絶賛。

 

 

お酒は甘酒にしてみた。
炊飯ジャーに麹とお米を入れて醸す。

炊飯ジャーは炊飯には使ったことがない。美味しくないのだ。
米を炊く時は鍋でガスで炊き、炊き上がったら、蓋を外して湯気を逃がす。充分、逃がしてから蓋をして5分。また蓋をとって十字に切り目を入れて4ケ所、底からひっくり返す。それ以上は触らない。また、蓋をして蒸らす。これで美味しいご飯が食べられる。
お客さんなので、普段は玄米を食べているが白米を出す。が、私は残っていた玄米ご飯に、粗挽茶と、漬物のお茶漬け。

 

蕪の千枚漬けを甕から引っ張り出したところ、鹿賀見君(モニカの幼馴染)の触手が伸び、「味見させてもらっていーっすか」。


「わー、爽やかー。滋味が溢れるというか、ホント身体に良さそうですね。」

いちいち、褒めてもらうと悪い気はしない。


「すんませんね、俺のために手間かけさせて」

 

「いいえ、簡単なの。蕪を薄くスライスして、黒砂糖と塩をまぶして甕に入れて、サランラップでゴミよけして、重石して、蓋をしておくだけ。食べる時にほら、この柚子胡椒をまぶすと、また一味違う上品な味わいになります」

 

 

「お、柚子胡椒!オツですね!」

 

 

「昨年末、無農薬のものを田吾作まーけっとで見つけて。そのまま保管しておいても黴がきては台無しなので、皮を薄く剥いて、赤唐辛子、塩を混ぜて漬け込んだのよ。漬け込むと言っても瓶に一緒に詰めるだけなの」

 

 

 

モニカは豆乳ヨーグルトに柚子胡椒をのせて、ちらりと蜂蜜を垂らして、大切そうにスプーンですくって口に運ぶ。

 

 

 

「いい香り」

 

 

「あんたはんの髪も、いい薫りだす」

 

 

 

甘酒で少し酔いが回ったのか、鹿賀見君がモニカにちょっかいを出す。

 

 



モニカはTV画面と柚子の香りに注意を

集中させていて気がつかない。

 

 

 

ドラマの再放送らしい。

 

 火の粉。

 

 

好意を押し付けてそれを受け取らない人を殺してしまう犯罪者の話。

 



「あら、何処かで聞いたことのある筋書きね」

 

「え、何処で?こんなドロドロの話、身近にありますか?」

 

 

鹿賀見君が、手作りシューマイをパクつきながら、上目遣いできく。

 

 

鹿児島産の豚肉は、街のお肉屋さんで調達した。

 

 

 

店の機械ミンチにはしないで、トンカツ用のものを包丁で細かく切って、ミンチ状に。さらにお水を振り入れて、一定方向に攪拌。攪拌方向は一定でなければいけない。この作業により、細胞が傷つくことなく、肉が水分を抱き込み、加熱して口に含んだ時ジューシーになる。

 

 

皮は地の粉を調達。以前、理研の粉を使ったら翌日、必ずといってよいほど、関節が腫れた。地の粉だとその症状が出ない。めん棒が見当たらないので、粉をまとめてから寝かせて小さくちぎり、指でつまみあげたり、引っ張ったりして薄い膜のようなシューマイの皮にしたてる。肉には生姜や玉ねぎ、醤油や塩で味付けをして、皮でくるみ、蒸す。

 

 

 

 

「毒の回った水槽に住む金魚をいきなり綺麗な水に移しても、命が危ないともいうし。」


「なんですかそれ?蒟蒻問答?」と、今度は春雨のネギ生姜ソース和えを口の端からミミズみたいにはみ出させている。

次々に制覇して行く。食欲旺盛で、気持ちがいい。

 


モニカの細い指が菊芋チップスに伸びる。

 

 

 

「菊芋は小さいから皮を剥くのが大変よね」

 

 

 

「うん、スプーンでこそげ取るけれども、たくさんこなさなければいけないから、大変といえばそうね。皮むきもそうだけれど、干す作業がね。お天気と相談だもの」

 

 

「まだ、全部は掘り出さないで埋めてあるんでしょ」

 

 

「そう。調理する時に掘り出しに行くの」

 



「え!?なんですか?自家製の菊芋なんですか?!感激やなあ!」


・・なんというのか、・・・C調?

 

ピュアピュアが、やってきて座に加わる。

 

さらに強者ピュアピュアが食卓参戦となると俄然忙しくなり、台所で慌てて里芋を見つけ出し、皮をむき、1cmくらいの厚みにチョンチョン切る。

 

 

菜種油を熱して、里芋を揚げ、暖色系のイタリアンなお皿(ファーマーマーケットで物物交換した)にあけ、胡麻塩をまぶし、山羊のチーズのワイン漬けを薄ーくスライスして刻んでパラパラふりかける。

 

 


「なんですのん、コレ」

 

「里芋」

 

 

「イヤー、おしゃれですなー。美味い。とても里芋とは思えない。」

 

 

私の口には入らないが、ぬかりはない。サーブする前に台所の片隅に私の分は取り分けてある。

 


ピュアピュアが持参した青島ビールのおかげで、座はますます盛り上がる。

「この揚げ里芋山羊のチーズワイン漬け添えはビールに良く合うね」

 

ピュアピュアがビールを「あおしまビール」と呼んだのが、座のピーク。

 

 

モニカが鹿賀見君のために冷酒用の花垣を買ってきていた。

 

美味しい日本酒と腐乳のおつまみ、卵の黄身の味噌漬け。

のびるのニンニク醤油和え。


宴もたけなわ。


TV画面はニュースに変わり、子育て困る親は無視!?安倍政権「家庭教育支援法」の 仰天中身というタイトルで識者がいろいろ述べている。

 

「みんなが同じ方向を向きなさいという教育を家庭でも学校でもしようと。枠からはみ出ないで、従順でお上にも逆らわない、そういう子どもを育てようとしているようなものです」

 

 

学校と家庭での意見が割れないようにしようというのが、この法律の狙いと指摘する。

 


「また、きな臭いなあ。戦前と変わりまへんなあ」

 

暖気で屋根が温まったのか、雪がドサドサと音を立てて落ちる。

 

 

「いまだに少年アシベを信奉するお年寄りは多いからね」

 

 

「身の回りにしょっ引かれて神隠しにあっている年寄りがいても、自分だけは違うと思えるのかな」

 

 

 

「まるで外で誰かが家の壁に突っ張りしてるみたい」

 

 

 

「無関心なんだろうね、結局。他者に無関心なのよ」

 

 

「後見人制度促進なんとかで、高齢者を囲い込んだかと思えば、次は子供?」

 

 

「選挙権の18才繰上げと連動してるんでしよ。判断力が十分でなければ、権威に従う。投票田の開拓をしたいわけ」http://trackback.blogsys.jp/livedoor/jijihoutake/55497405
 
「選挙の手伝いを地方公務員がすると、新人職員でも一日40000円の日当だって。

 

 

公務員が日本を滅ぼすというスレッド、乳酸菌で有名なあの飯山一郎さんの掲示板、 放知技にカキコがあったよ。すごい沢山もらうんだね」

 

 

 

 

いつの間にか、鹿賀見君はピュアピュアと話し込んでいる。

 

 

ピュアピュアの見た初夢の話のようだ。

 

 


スーパーで買い物をしたの。

 

レジで支払いをして、5000円が返ってくる予定だったが、

偽札のような玩具のようなお札をオバちゃんから渡された。

 

「これ、5000円札じゃないですよね!

ちゃんとしたのを返してください」と抗議すると、レジのオバちゃんが逆ギレして、なんと500円玉を10枚投げつけてきたん。


周りの客はスーッと退いていくんよ。

 

鹿賀見君
「へ?なん?聞こえんかった。おばはんが、
どしたって?」


「レジで支払いをして、5000円が返ってくる予定だったが、

偽札のような玩具のようなお札をオバちゃんから渡された。」


「ほんで?」

 

「これ、5000円札じゃないですよね!

ちゃんとしたのを返してください」って述べたら、レジのオバちゃんが逆ギレし

て、なんと500円玉を10枚投げつけてきたん。

 

 

鹿賀見君
「ほーん、そして、どうなったん?
もうこんなスーパー、2度と来んわ!!っていうたん?」

 

 


ピュアピュア

 

「100円くれたら教えてあげます。著作権が発生します。」

 

 

-続く-

 

 

響くうちは

破れそうな太鼓でも

とっておけば?

響くということは

沈黙の日本では

ありがたいことだもの。


荒波逆巻く大海原で雷が

降り注ぎ、息も絶え絶えに

縋り付いた板切れ。

 

SOSは届かない。


とりわけ人々が一年の労働から

解放される7日ほどは・・・

 

正義の味方も飲酒遊ばす。

 

波に呑まれる訳にはいかないから

気を取り直しまた打ち直す。


響いた。


遠いところでドドドーンと。

響いただけで、波の冷たさを忘れられた。


それだけのこと。

それだけのこと。

https://youtu.be/XN4I1od02Dw Billy Joel

スーパーではもう節分についての

アナウンスが流れる。

https://youtu.be/4XoZvPPXcxM

昨年末は12月24日にはすでに店先に

注連飾りが並べられていた・・・・

 

注連縄は工藝展で入手済みだったので

庭の南天の実と南天の葉、剪定しないで

伸ばしておいた松の枝で自家製注連飾りを作った。

 

門松の逆さ吊りのような感じ。


「アートぽくて良い」とモニカは褒めてくれたが、 ピュアピュアは辛辣だ。

 

「残酷な逆さ吊りで、見せしめですか。

新年早々縁起が悪いので外しませんか?」


わざとドアをバターンと閉め、


「あ、落ちていました。縁起が悪い!縁起が悪い!」 と騒ぎ立てる。


モニカは目のはじに涙をためて笑い転げている。

 

「あ、お腹の筋肉が攣った・・・・」

 

くくく、と苦痛に耐えながらそれでも笑いを

堪えきれないモニカ。


新年早々、笑の筋肉武者修行ですか、大変ですねと

思い遣りの声をかけながら、私は落ちた注連縄を

元の位置に戻していた。


モニカが言う。

「左義長にもっていかないと。」


「ひえ、もう左義長かいな。

早いなあ。」


 
他にも分けてあげたお家から

回収して、持って行くことにする。


道路は昨夜から雷鳴とともに降り出した雪が

融雪装置の吐き出す水でドロドロになっている。


ミラが側を走り抜け、泥がコートにかかる。

年寄りかと思ったら、まだ若い人が 運転していた。

 


まあ、としの初めからスケジュールが

詰まって気忙しいわねというと、


ピュアピュアが教えてくれる。

 


「おやびん、知らんやろうけど、

[年末から2ケ月だけ付き合って]

というスタイルが

巷にあるんでっせ。」


モニカと私「・・・・?・・・」

 

「クリスマス、お正月、バレンタインとイベント要員として 確保し、ホワイトデー前に別れるんだって。」


ふーん、狡猾な女もいたもんだ。

ボーイフレンドも体裁の一つなのかぁ。

 

 


・・・・・・・ホワイトデー前に別れる・・・

・・・え? お と こ?!

 

 

いやはや、はらほれ。

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