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第二章 母の日常生活
「あほになってしもたんやー!」母の日常、その(52)
2005/11/10(木) 午後 0:29
某月某日 認知症の介護は「人」として見続けることにある、と私は思っている。
「お早うさん、起きよ~か~」母に声をかけてから朝食の用意をする。
「さぶいねん、もう~ちょっと」
「そ~かっ、今日はな~、青天やで~、学校(デイ施設)も休みやし、ゆっくりしたらえ~わ」
「なんで、やすみや~?」
「うん、昨日な~、(学校)行って、疲れてるから、休みやねん」
「おしっこ」母をおトイレへ。便座に座ると母が。
「しんどいねん、わかれへんねん?、バカになってんねん?」と、しきりに言う。
「バカになんか、なってへんでぇ、どうしたんや?」聞き流すのはいけない。
「そんな、よ~け、カミ、いらん」トイレットペーパーを用意する私を見て。
「このくらい、いるで~?」と、私が、トイレットぺーパーを母に見せる。
「いらんわー、そんなよーけー」
「もう、済だんか~?」
「わかれへん?ちょっと、みてぇ、バカになってんねん!」
「ちゃ~んと、出てるやん、バカになんかなってへんやん」
「あんた、うそ、ゆーてるやろー、わてをバカにしてー!」
「自分のお母さん、バカになんかするかいな~」
「あんたー、わてのコーちゃうっ!」
「う~ん、、、」
「はよ、ふきんかいなっ!」なんとか、トイレを済ませ。朝食を。
「お袋ちゃんの好きなヨーグルトもあるよ!」
「どうやって、たべるん?あほになってしもたんや~」
母が、落ち着くまでゆっくり待てばよいのだ。何事もこちらのペースでやってはいけないのだ。(自分が何かを忘れてしまっていることを母は自覚しているのだ、それ故、不安になるのだ)。
ト書き:何度もいうようだが、認知症は、物忘れから来る「不安」の、病だと、私は、思っている。