認知症介護記「かいごさぶらい」上巻・Amazon 

<strong>販売中です。</strong> 

KINDLEダウンロード販売中です。認知症介護「かいごさぶらい」上巻

KINDLE版ダウンロード販売中です。小説「平剣」 販売中です。 

認知症介護記「かいごさぶらい」のブログ。-かいごさぶらい上巻 

 

サッカー小説「蹴り屋」



 

 

                   第二章 母の日常生活

                 

 

 

  

 

    

  

        「あほになってしもたんやー!」母の日常、その(52)


   2005/11/10(木) 午後 0:29 
 某月某日 認知症の介護は「人」として見続けることにある、と私は思っている。

「お早うさん、起きよ~か~」母に声をかけてから朝食の用意をする。

「さぶいねん、もう~ちょっと」

「そ~かっ、今日はな~、青天やで~、学校(デイ施設)も休みやし、ゆっくりしたらえ~わ」

「なんで、やすみや~?」

「うん、昨日な~、(学校)行って、疲れてるから、休みやねん」

「おしっこ」母をおトイレへ。便座に座ると母が。

「しんどいねん、わかれへんねん?、バカになってんねん?」と、しきりに言う。

「バカになんか、なってへんでぇ、どうしたんや?」聞き流すのはいけない。

「そんな、よ~け、カミ、いらん」トイレットペーパーを用意する私を見て。

「このくらい、いるで~?」と、私が、トイレットぺーパーを母に見せる。

「いらんわー、そんなよーけー」

「もう、済だんか~?」

「わかれへん?ちょっと、みてぇ、バカになってんねん!」

「ちゃ~んと、出てるやん、バカになんかなってへんやん」

「あんた、うそ、ゆーてるやろー、わてをバカにしてー!」

「自分のお母さん、バカになんかするかいな~」

「あんたー、わてのコーちゃうっ!」

「う~ん、、、」

「はよ、ふきんかいなっ!」なんとか、トイレを済ませ。朝食を。

「お袋ちゃんの好きなヨーグルトもあるよ!」

「どうやって、たべるん?あほになってしもたんや~」
母が、落ち着くまでゆっくり待てばよいのだ。何事もこちらのペースでやってはいけないのだ。(自分が何かを忘れてしまっていることを母は自覚しているのだ、それ故、不安になるのだ)。

 

 

 

ト書き:何度もいうようだが、認知症は、物忘れから来る「不安」の、病だと、私は、思っている。