「たべてへんわー!、ごはんもたべさせんと、あほかーっ!、」母の日常、その(111)
2006/2/14(火) 午後 0:36
某月某日 母がデイから戻るのは、午後4時前後だ。この日は何か不機嫌で、ヘルパーさんも「今日はちょっと、ご機嫌斜めでした」と知らせてくれた。

「お袋ちゃ~ん、どうしたんや?学校(デイ施設)で何んかあったんか~?」

「なにもないっ!」

「そんな~、怒らんでもえ~やん」

「おこってないわー!!」

「そうか、ほな、ご飯にしょうか、直ぐやから、ちょっと待っててな~」私は、急いで、夕食の用意をする。

「は~い、出来たよ~、熱いうちに食べよ~か!」

「ふ~ん」

「どうしたん、食べへんのんか~?おいしいで~」

「たべるわいなっー!!」

「おー怖っ!、怒りながら食べたって、おいしないで~」

「おいしいわーっ!」と、箸をつけ、座椅子に、ふんぞり返って、チビチビ食べ始めた。私は食べ終わり、片づけて、竹細工に取りかかった。母はその後、小1時間かけて。

「もう、いらん!」と、仰る。

「まだ、ちょっと、残ってるやん、もう、お腹一杯か~?」

「これわ、おくらなあかんやつやーっ!」と、母はティシュを広げ、食べ残しを、その上に載せはじめた。

「送るんか~、ほんだら、僕がやったるから、お茶でも飲んどき~」

「にいちゃん、してくれるのん、うれしいぃ!」この日、初めて笑顔を見せた。

「そら~、ちゃ~んと、送らな、あかんからなっ!」私も、母に笑顔で答える。

「そうやねん、みんな、まったはるねん、ようしってるな~」母が嬉そうに。

「心配せんでもえ~で、僕がちゃ~んと、送ったるからなっ!」

「おねがいしますぅ」どうやら、母の機嫌が直ってきたようだ。

「ちゃ~んとしてなっ!」と、安心したように笑顔を見せる。テレビのCMを眺めながら。

「あれだれや~?」と、私に話しかけて来る。私も竹細工をやりながら、いつものように、母に説明する。竹細工も佳境に入り、つい、私はそれに、没頭した。と、母が。

「にいちゃん、ごはんまだか~?」

「えーっ、さっき食べたやん」母に「さっき」は、通じない事は、百も承知なのだが。

「たべてへんわーっ!、ごはんもたべさせんと、あほかーっ!、」竹細工に夢中になって、どうやら、テレビの解説を生返事したものだから、母の逆鱗に触れたようだ。修行が足りん。