「なんでもさせて~、わてがせんならんのに、ごめんな~!」母の日常、その(72)
2005/12/9(金) 午後 0:26
某月某日 最近の母は比較的落ち着いてきた。夜中の徘徊がない日も珍しくなくなった。生活のリズムが良くなって来たのだろうか。それとも朝晩冷え込むからか。

「ねるっ!」と、母が一言。

「うん、分かった、お布団敷くから、ちょっと待ってなっ」

「はよして~な!、ねむたいねん」

「直ぐ出きるよ~」午後10時前、座椅子で気持ちよさそうに「うつらうつら」していたが我慢できなくなったらしい。

「お袋ちゃん、おしっこ、行っとこか~?」

「あいよ」

「はい、此処やで~」

「こんなとこやったん?せまいな、しらんかった~」

「はい、此処に、座ろ~うな」母をゆっくり便座へ座らせる。

「にいちゃん、ハー、どないしたん?」

「うん、これか?、鬼歯やねん、格好悪いけど治らんねんて!」

「ふ~ん、あかんのかいな~、あぁおしっこ、でた~、ふっふ~ん」笑顔を見せる母。

「ほんまや!元気な証拠やで!、良かったなっ」トイレを済ませ、洗面を済まし、母を寝床へ。

「お休みなさい」と声をかけ、私はキッチンで食器を片付けに。

「にいちゃん、なにしてんのん?がしゃがしゃ、うるさい」

「うん、洗いもん、片づけてんねんやんか~、お袋ちゃん、音に敏感やからな~」

「そうか~、なんでもさせて、わてがせんならんのに、ごめんな~」と母が寝床から。

「ちょっとしかない、直ぐ終わる、ゆっくり寝~や」

「あいよ」この日は、夜中に二度ほど、トイレに行っただけで、徘徊は無かった。

「何日ぶりかな~、こんな日は」もう、私の記憶も定かではない。