雅子さま:48歳の誕生日 東宮職医師団の見解

◇雅子さまの誕生日に際しての東宮職医師団の見解◇

 

皇太子妃殿下におかれましては、皇太子殿下のお支えを受けられながら、ご自身が懸命に努力され、ゆっくりとではありますが、着実に快復されてこられました。しかしながら、今なお心身の状態の波が続いておられ、そのため引き続きご治療を必要とされる状況にいらっしゃいます。

 

そうした中で、昨年3月以来、妃殿下は愛子内親王殿下の学校での問題の対応に懸命に取り組んでこられました。妃殿下には、必ずしも万全でないご体調の下、内親王殿下が安心できる環境でご通学がおできになるように、母親としてこまやかな気配りをされながら、学習院初等科をはじめとする関係の方々と丁寧に相談を続け、内親王殿下を全力で支えてきていらっしゃいます。

 

そもそも、こうした学校へのお付き添いは、学校側と協議を重ねたあげくに、内親王殿下が学校生活に戻ることができる唯一の方法として始められ、続けてこられたものであり、これは妃殿下にとってご体調面からも非常な努力を要するものでありました。

 

妃殿下のこうしたご尽力の結果、内親王殿下のご通学に関わる問題は良い方向に向かうようになっており、お付き添いなしのご通学がおできになる日々が出てくるようになりました。

 

こうしたなか、この春の東日本大震災の際には、災害の大きさに非常に心を痛められ、被災者に寄せる思いを強くお持ちになり、さまざまな工夫をされてご体調を整えられながら、専門家のお話を複数回にわたりお聞きになられた後、被災地をお見舞いのためご訪問になられました。

 

ご体調の波がおありになりながらも、妃殿下ご自身が頑張られてご訪問がかなったことは、東宮職医師団としては着実なご快復の兆候であったと受けとめました。

 

こうした状況のなかで、東宮職医師団としては、最近、週刊誌を中心として、ご病気に苦しまれながらもさまざまなご活動に懸命に取り組んでいらっしゃる妃殿下のご努力を否定するかのような、悪意ともとれる誤った情報に基づく報道が、関係者とされる人物の発言の引用を含めてなされていること、そしてそのことに対して妃殿下が心を痛めていらっしゃることへの強い懸念を表明いたします。

 

このような報道はこれまでも繰り返されていて、これが続くことは、妃殿下の更なるご快復の妨げになるのみならず、ご病状の悪化にさえつながります。

 

妃殿下は、ご体調に波がおありのなか、できるだけのことをしたいと誠意を持って懸命に頑張っていらっしゃいますが、そのご努力を否定するような批判的な報道が繰り返されますと、妃殿下は自信をなくされますし、安心して先に進むこともおできになりません。

 

心のケアが重要な社会的課題になっているなか、このような心ない報道が平然と繰り返されている現状に、東宮職医師団は専門家として憤りを覚えるものであり、この状況が改善されない限り順調なご快復は望めないと考えております。

 

皆様におかれましては、何よりも、妃殿下がいまだにご病気ご治療中であり、その中でご快復に向けて力を尽くしていらっしゃることを理解していただき、温かく見守っていただきますよう重ねてお願い申し上げます。

毎日新聞 2011年12月9日 5時00分











皇后陛下のお言葉を思い出します。

「どのような批判も、
  自分を省みるよすがとして
    耳を傾けねばと思います」




素晴らしいお言葉です。
妃殿下のお耳に届けばいいのですが。