年々増え続ける日本の韓流ファン。最近では“イケメン俳優”だけでなく、K‐POPの男女アイドルグループも次々と日本に上陸、日本人ファンを魅了している。しかし、こうした韓流芸能人が実は韓国内では「反日」を叫んでいるとしたらどうだろう。知られざる韓流芸能人の「独島パフォーマンス」の実態をレポートする。

 

韓国と言えば、世は韓流、K‐POP。ここで気になるのは、日本で活動する韓流スターやアイドル(以下、韓流芸能人)が竹島に対して、韓国内でどう発言しているかだ。

 

結論から言えば、彼らも韓国人。そしてあくまでも大衆迎合の人気商売だから、韓国で行なう言動は「当然、独島は韓国領」「日本の領土主張は妄言(たわごと)」、そして「独島、韓国を愛してます」ということだ。

 

言動はおおむね2つのパターンに分けられる。

 まず、公式の場で「独島は韓国の領土です」「日本の領土的欲望に怒りを感じます」などとぶちあげる直接糾弾スタイル。次に国内の独島関連イベントなどで「独島は我が領土」を歌う(そうした歌まであるのだ)などして間接的に領土的主張と愛国心をアピールするスタイル。

 

今年の2月には俳優、ソン・ジュンギが日本でのロケ中、日本人を相手に「キムチは韓国の食べ物。独島は我が国の領土」と強調したことが報じられ話題となった。これは前者のパターンに当たる。

 

2005年4月には俳優のチャ・インピョが台湾での記者会見で「独島は我が領土」を歌ったが、台湾人が竹島問題や独島の歌に関心があるとは思えないから、これは多分に韓国内の世論と人気を意識したパフォーマンスだったのだろう。これが後者のパターンに当たる。


韓国では「独島は韓国領」というのは常識以前の問題で、そう思わないのは「売国奴」「非国民」という認識だから、芸能人が独島関連発言をしたり、キャンペーンに参加することは、言わば当然のことなのである。

 

さらに、最近になるまで韓国の芸能人が日本で活動するということはほとんどなかったため、これらが特に問題になることはなかった。

 

状況が変わったのは2005年2月。韓国駐在日本大使の「竹島は日本の領土」という発言が問題となり、韓国ですさまじい反日運動が起こった。その時、すでにブームになっていた韓流芸能人の独島認識に関心が集まったのだ。こうした中で苦境に立たされたのが、他ならぬヨン様(ペ・ヨンジュン)である。

 

ペ・ヨンジュンは05年3月17日の記者会見の席上、竹島に対する自らの態度を明らかにしなかったことが問題となり、21日に自分のホームページを通して「独島は大韓民国の領土」という文章を載せざるを得なくなった。ペ・ヨンジュンは電話取材に「私も韓国人として独島発言は頭に来る」と答えたと伝えられた。

 

これとは対照的だったのがイ・ビョンホンで、独島問題では沈黙を通した。05年3月21日に映画『甘い人生』の試写会の席上で、イ・ビョンホンが独島問題についてまったく発言しなかったことが逆に話題になった。

 

ただし、この映画の監督であるキム・ジウン監督は記者会見の席上「独島は韓国のものです」と述べている。ちなみにこの映画の内容は独島とはまったく関係のない内容である。

 

イ・ビョンホンは独島問題を理由に日本でのプロ野球の始球式とフジテレビ系列の番組『SMAP×SMAP』の出演を辞退したとも報じられている。関係者の弁として「日本の代表的スポーツ、娯楽番組に出て笑うことができる気持ちではない」と報じられたが、イ・ビョンホン自身が公式の場で独島に対して言及することはついになかった。


当時、独島問題が連日連夜マスコミに大きく取り上げられ、日本に対する糾弾集会やデモが盛んになると、黙っていてはまずいと思ったのか、この機会を利用して自分が愛国者であることをアピールして人気上昇を図ろうという下心なのか、それとも純真無垢な愛国心の発露なのか、独島とまったく縁もゆかりもない芸能人が盛んに独島関連発言やパフォーマンスをするようになった。

 

それを報じるマスコミも独島とはまったく関係のない場で独島に関する質問をぶつけ、芸能人の愛国心をテストしようとする傾向が見られるようになった。

 

05年3月、女優のハン・ヘジンが自分のドラマ出演料の一部を独島守備隊に寄付することを明らかにし、独島問題に関して「日本で活動するのは気が重い」などと発言。

 

同じ頃、俳優、イ・ジョンジンは映画『マバド』(内容はこれも独島とは無関係)の試写会における記者会見で「独島は韓国の土地ということは当たり前の事実」「日本はとんでもない」などと語った。

 

また、この映画に出演した女優キム・ウルドンとその息子ソン・イルグク(俳優)らも「独島を守り抜こう」と発言、「独島守護」を目的とした募金活動などを行なっている。

 

4月にはキム・テヒとイ・ワンの姉弟が韓国のスイス親善大使としてチューリヒなどを訪問、独島が韓国の領土であることを知らせるためのTシャツや「独島は我が領土」のCDを配布すると報じられた。

 

また俳優、キム・レウォンは独島守護のためのサイン会などを開催し、「独島探訪団」という団体を率いて独島を訪問する計画を明らかにしている。

 

ただし、当時はこうした芸能人の独島関連の言動が日本国内で大きく問題とされることはなかった。日本人の竹島に対する関心の低さゆえである。それを十分計算に入れて「日本での活動を放棄する覚悟」で発言する強硬派も現われた。


08年7月、女優、ク・ヘソンが国内マスコミのインタビューに答える形で独島は韓国領土であると主張した後、「日本政府の意図がまったくわからない」と日本政府の姿勢を批判した。「このような考えが今後の日本での活動の障害となるのなら、敢えて活動を中止する」とまで述べている。ク・ヘソンの知名度が日本では低いため、当然この発言が芸能活動の障害になることもなかった。

 

このころ、日本での韓流は映画、ドラマからK-POPへとその中心が移りつつあった。その最中、アイドルグループ「少女時代」が「独島は我が領土」を歌うという珍事が起こった。

 

これは08年6月にソウルのオリンピックメイン競技場で行なわれたドリームコンサートのリハーサルの出来事で、本番では歌われなかった。ところが、このリハーサルの模様が動画投稿サイトに投稿され、日本国内でネットを中心に韓流芸能人の独島関連言動を批判する声が高まった。

 

今年に至っては、こうした言動をまったく報じないまま韓流芸能人を出演させているテレビ局に対するデモまで発生するにおよび、ようやく韓国人も独島関連言動が日本における芸能活動の障害になってきたことを認識しはじめたようである。

 

国内では称賛の対象であり、人気獲得の手段となっている独島関連言動が、国外では反感と指弾の対象となり、韓国が国家規模で推進している「文化コンテンツ事業」の足を引っ張る結果となっていることは皮肉な限りである。

http://news.nifty.com/cs/magazine/detail/sapio-20111013-01/1.htm




少女時代が熱唱 「独島は我が領土」

http://www.youtube.com/watch?v=HlAy1bo1hnQ