ZZR1100Dの不調の原因は・・・

アイドリング不良による修理依頼

症状は2000rpm以上は問題ないがアイドリングが不安定で

走行中にエンジンが止まってしまうと言うものでした。

実走行してみると確かにアイドリングせず止まってしまい

アイドリングしている時もタコメーターの針が不安定に動いている状態

走行距離は45000キロほど

オーナーに話を聞くと数件のバイク屋に頼んだが治らないとのこと

ご自分でキャブ調整やガソリンフィルターの交換などしたとのことでした。

低回転の不調の原因で考えられるのはキャブ関係、点火系、バルブ関係

まずは、エンジンの圧縮を計ってみました。

全気筒12以上あり上がりかたも遅くはない。

プラグは少しくすぶった感じ

本人の了解を得てバルブクリアランスの調整と

イグニッションコイルとプラグキャップの交換をする事に

45000キロ走行ではじめてのバルブクリアランス調整は

2箇所が規定値でしたがその他は全てクリアランスが少ない状態でした。

ひどい所は規定値に収める為にシムを2.50から2.30まで薄くするほどでした。

バルブクリアランスの規定値がINで0.13~0.19EXで0.18~0.24ですので

かなりぎりぎりです。

キャブはオーナーが調整したとのことでしたが、素人の言う事なので

ばらしてみました。すると、フロート室からガソリンを抜く時に

水が出てきました。これはいかん!とばらすと

フロート室内は以外にきれいジェット類も詰まりはなく

きっとガソリンフィルターのおかげかな

きれいに洗浄して調整後組み付けました。

キャブに水があったのでお次はタンクです。

D型のタンクはおかしな形状で全部のガソリンを抜く事は困難です。

下側の予備用のホース外すと中は錆びた水が出てきました。あっちゃー

中身を全部出すのにゆすったりいろいろして、最後はガソリン給油口から乾いたウエスを

入れてタンクをさかさまにして全ての中身を吸い込ませて取り除きました。

結果500ccほどの水と錆が取れました。

アイドリング不調の主な原因はこの水だと思われます。

長年にわたってタンク内部に発生した結露が溜まったのか

あるいは、どしゃ降りの雨の中タンクキャップから入ったものかは

不明ですが、一度も水抜きをやった事がない方はやってみてはいかがでしょう。

ガソリンスタンドで販売されている水抜き剤はバイクには無意味ですので。

春の天気の良い日に火気に気をつけてタンク内部を空っぽにして

タンクキャップを空けた状態で丸1日、天日で干せば完璧です。

とにかくバルブクリアランスをバッチリ調整して

点火系も新しくなり水も除去されたので。

アイドリング時の針の振れも少なくなり

ZZRはちゃんと治ったのでありました。めでたしめでたし(^_^)v