今回の投稿は、仙台市で女性防災リーダーを養成する特定非営利活動法人イコールネット仙台の代表理事 宗片恵美子さんです。
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特定非営利活動法人イコールネット仙台の宗片恵美子です。
男女共同参画をテーマに幅広い活動に取り組んでいます。
東日本大震災の発生直後から、被災女性に対する支援活動や調査活動を行ってきました。
これらの活動を通して、私たちは、被災地の女性たちが抱えた様々な困難を目の当たりにしました。
避難所では、プライベート空間が確保されず、着替えや授乳ができないためにストレスを抱えるケース。
子どもやお年寄りを連れて避難した女性たちは家族のケアのために仕事を辞めざるをえませんでした。
働く女性たちにつきまとう失業・退職・転職。
さらに、震災同居・家族離散・家族介護が女性たちを追いつめました。
しかし、被災地の女性たちは、困難の中に止まってはいませんでした。
自ら支援活動に取り組み、この困難を二度と繰り返さないために、女性たちの声を復興計画策定等の意思決定の場に届けなければならないと訴えています。
そこで、私たちの団体は、災害から地域を守るためには女性たちの力が不可欠と考え、女性防災リーダーの養成をすすめています。
平成25年から3年計画で、100名の人材を育てようとスタートし、現在61名に達しています。
受講生たちは、ネットワークをつくり、お互いに支え合いながら、まだまだ女性のリーダーが少ない地域において、自ら地域防災の担い手として貢献できると手を挙げ、声を上げて、存在をアピールしています。
心強い動きです。
その中には、仙台市宮城野区岩切地区で地域の女性たちと協力して「岩切・女性たちの防災宣言」をつくった受講生たちもいます。
地域のつながりや支え合いが災害から地域を守る大きなカギになることを自然体で伝えています。
この防災宣言が、今全国に向け世界に向けて発信され、多くの人々の胸に届いています。
女性防災リーダーの養成講座は、岩手県陸前高田市や宮城県登米市においても開催され、私たちも応援させていただいています。
これまで、マンパワーとして、もっぱら男性のサポート役を担ってきた女性たちが、今リーダーシップを発揮して地域を変えようとしています。
今年3月、仙台市で開催された第3回国連防災世界会議において、こうした女性たちの力強い姿を紹介し、高い評価を受けました。
震災から立ち上がろうと行動する女性たちは特別な存在ではありません。
昨日までリーダーになることなど考えもしなかった女性たちです。
しかし今、経験が勇気につながり、そこに生まれた共感のネットワークが女性たちの背中を押しています。
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◆次回予告
スタッフです。
次回の投稿は、航空整備士として活躍する全日本空輸の篠塚郁美さんです。
お楽しみに☆