第16回 唱題の大音《だいおん》

唱題の声は大宇宙に轟く
仏の大生命を涌現して勝て!

御聖訓
 今日蓮等《ら》の類い
 南無妙法蓮華経と唱え奉るは
 大風の吹くが如くなり
           (御義口伝、御書742㌻)

「十界同時」の変革

いかなる境涯の衆生も、妙法の光明に照らし出される。

妙法の薫風を 受けない存在はない。

誰人も仏になれるという 平等と尊厳の思想が、

法華経の魂です。

その思想的な基盤として、

「御義口伝」には次のように述べられています。

「所詮釈尊も文殊も提婆も竜女も 

一つ種の妙法蓮華経の功能なれば本来成仏なり、

仍《よ》って南無妙法蓮華経と唱え奉る時は 

十界同時に成仏するなり」(御書798㌻)


──釈尊も、文殊などの菩薩たちも、

さらには提婆達多や竜女たちも、皆、

妙法という一つの種の働きを示す存在であるから、

本来成仏しているのである。

ゆえに南無妙法蓮華経と唱える時、

十界の衆生が同時に成仏するのである──。

十界の衆生が、等しく、いついかなる時も仏になれる。

これは法華経のみの秘伝です。

南無妙法蓮華経は、大宇宙の根本法則です。


この妙法を唱え、行じ弘める生命は、

大聖人と一体なのです。

ゆえに、何ものも恐れることはありません。

「御義口伝」には、他にもこう仰せです。

「十界同時の成仏なり」(同712㌻)

「歓喜とは善悪共に歓喜なり十界同時なり」(同735㌻)

「南無妙法蓮華経と唱え奉るは十界同時の光指《さす》なり」

(同741㌻)

大聖人は繰り返し「十界同時」と仰せです。

これは甚深の御聖訓です。


ダイナミックな生命変革の原理です。

南無妙法蓮華経は、身近な活動も、

さらに大宇宙の運行も動かしていく法則であり、

力であります。


自分と社会を 共によりよき方向へ発展させていく

根源の大法なのです。

その原点は、あらゆる生命は「十界本有の仏」

(同1506㌻)であるとの悟りにある。

私たちの唱題は、自他共の十界の生命を

妙法の大光で照らし、

誰もが本来具えている仏の大生命を引き出し、

輝かせゆく人間革命の修行なのです。


池田名誉会長講義 御書と師弟 (2009.6.4付聖教新聞)

 聖教新聞「SEIKYO ONLINE」   

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<教学> 生命論 「 十界論 」

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