眠る時間が長くなった。

痛みで目が覚め、治まると寝る。


弟と義妹と私が揃ったときに、ごそごそと身の置き所のないような仕草をする。

背中をさすったり、向きを変えたりし、落ち着いて眠りはじめた。

しばらくして、「もうよかよ。もうよか」としっかりとした口調で言った。

この時はなんのことだかわからずに、「うんうん、もうよかとね」というと

「もうよか。もうよかよ。」と繰り返した。


それから、突然目を開けて「いかんでいいと」と聞いてきた。

仕事のことかなと思い、「夏休みよ。もう、しばらく休みやけんね。ずっとおるよ」と言うと

黙って目を閉じた。


午後から、ご近所歴、40年以上の仲良しが揃ってお見舞いに。

ぐっすり寝ていたにもかかわらず、起きて痛みを訴える。

昨夜、痛み止めの錠剤が喉につかえ苦しそうだったので、ゼリー状のものに替えてもらう。

ゼリーは苦いらしく、なかなか口を閉じない。

メロンの果汁をしぼって飲ませると、「おいしい」と言った。


薬が効いてそれから再び、よく眠った。

だんだん 呼吸の間隔が開いてきた。

7秒おきぐらいに深く呼吸をする。

反応もなくなったので深夜心電図をつけた。

このまま意識がだんだんなくなるかもしれないと言われた。

これが、属に言う「危篤」なんだろうか。