実は 「NEVER SAY GOODBYE」 みたいな結果に終わるんじゃないかと心配していた「眠らない男・ナポレオン」
予想に反してとても良かったです。
私が特に良いと思った点は3つ
1.曲 (名曲揃い)
2.小池先生の演出
3.夢咲さん
この3つはちょっと宝塚っぽくない点でもあるというか。
ジェラール・プレスギュルヴィック氏の曲が宝塚っぽくないのは当然として、小池先生についてはこんな風に書くとちょっと誤解されそうですね。
宝塚での演出が小池先生には一番合っているとは思いますけれど、先生は外部でもその力を発揮出来る演出家ですし、宝塚だけに縛られないスケールの大きさを持っているという事です。
夢咲さんは、実は私は今までちょっと苦手でして。
見た目は好きなのですが、あのねっとりとした感じといいますか・・・透明感が少ないというか現実的というか。
宝塚の娘役っぽくないところが気になっていたのですが、今回は作品も役もちょっと宝塚っぽくないせいか、とても馴染んでいて魅力的でした。正直、ジョセフィーヌが主役でも良かったと思うほどに印象的です。
衣装もセットも豪華で見応えあるし、専科さん達はもちろん素晴らしかったです。
ただ、良い事ばかりではありません。
やっぱり想像していた通り、脚本は今一つでしたねぇ。
1幕はただのあらすじ。2幕でやっと面白い展開になりそうと思いきや、小池先生、力尽きて終了って感じでした。
小池先生の挫折は見せなくていいんだってば。
ナポレオンの栄光と挫折とジョセフィーヌとの愛をしっかり見せてくださいよ。
あらすじ関係はもっと少なくして、心情をもっと掘り下げて欲しかったです。
非常にもったいないです。
演出もいつも程には冴えわたっていなくて、1幕の遠征のトコは手抜き感満載でした。
B席観劇だと映像もちゃんと見られないし。
あと、役が多いのは良いけれど、2番手3番手の扱いがオリジナルなのに酷すぎ。
星組トップコンビ&専科公演みたいでした。
ミュラはともかく、マルモンはもっと役を膨らませられたと思うんだけどなー。
グランマルモンからの流れでマルモンがストーリーテラーとして歌で表現していくという手もあっただろうし、なぜ裏切ったかをもっと掘り下げても良かっただろうし。
わざわざ役の比重を下げたような感じがしました。
多分小池先生的に時間が足りなくて力が及ばなかったのでしょう。
マルモンの比重が高くなれば、タレーランももっと活躍出来たかもしれませんね。稽古期間が短かかったみたいだから無理だったかもしれませんが。
みっちゃん、凄い存在感でめっちゃカッコ良かったです!!
歌も申し分無し。
ジェラール・プレスギュルヴィック氏の曲は歌ウマが歌うと物凄い破壊力です。
脚本のアラを全部引き受けさせられ、丸投げされていたのは柚希さんでしたね。
宝塚っぽくない所がとても良いと感じた作品でしたが、それだけでは宝塚でやる意味がありません。それを全力で宝塚作品に仕上げ、牽引していたのは柚希さんです。
本当に素晴らしいトップさんだと思います。
ただ、さすがに負担が重すぎたかと思います。
出番多すぎ、歌多すぎ。
柚希さんは直線的で力強くてスケールの大きい所が魅力で、ナポレオン役にぴったり。でもプレスギュルヴィック氏の曲はやや単調で流れるような美しさが特徴なせいか、柚希さん(ナポレオン)にはちょっと合わないように思いました。
柚希さん、超歌ウマでもないし。
それでもナポレオンの最後の歌い上げ、とても感動しました。
これで脚本がもっと良ければ・・・心情をしっかり描けていれば、柚希さんの表現力で更に大きな感動を呼べたと思うととても残念。
なんだか文句ばかりになってしまいましたが、私はこの作品が大好きです。出来れば脚本をもっと練り直して再演してもらいたいですが、今のままでも十分力のある作品だと思います。
ぜひ多くの人に観てもらいたいです。