今日はマンションの樹木管理の仕事です。
クスノキの強剪定と、モッコクの剪定でした。
写真はエントランスにシンボルツリーとして
植えられたクスノキです。

僕の初見の感想は、「カッコイイやん!」と思ったのですが、
マンションの住民の方にしてみたら、すぐ大きくなって
迷惑な木だと思う方が結構いらっしゃったみたいです。
というわけで、お客様のご要望をお聞きして強剪定をしました。

わずかばかりの小枝を残しましたが、強剪定が与える
木へのダメージは軽減されないだろうと思います。


今回は骨格剪定のつもりでクスノキを剪定しました。
5年後のプラン(毎年手を入れる前提)としましては、
クスノキの頭が平らで灯篭型のような形になればと思い
施業致しました。

余談ですが、
山の木とは違い都市部(街中)に生育している木は、
“人に見られる立場”を必然的に求められます。
そのような人間の生活圏内にある木は、
ある時は人に癒しを与え、ある時は人に
不快感のようなもの与えてしまいます。
その差は一体何なんだろうと考えた時にでた1つの考えは、
各個人が持つ生活圏(意識)に木の存在が入り込みすぎてしまうと
その木は邪魔で困ったヤツに変わってしまうんじゃないか
ということです。
例えば日差しを遮って家の中がくらい、
洗濯物を干すときに邪魔だ、
通路に被さりそうな枝がうっとうしい等等。

綺麗に透かし剪定をされた木でも、
洗濯物に当たりそうで嫌だからもっと強く剪定してほしい
とおっしゃっていたお客様もいました。

僕はそのお客様のご要望を伺った時に、
人と木(自然)が共生するには、
ある一定の心地よい距離感みたいなものが保たれないといけないのかなぁと感じました。

そういった距離感の中を人間側に土足で踏み込んでくるヤツを世間では危険木と呼びます笑
だけど、獣道しかないような山の中で、
大きな木がどんなに傾いていても、立ち枯れしていようとも、
人はその木を危険木とは言わないんだろうと思います。
危険木は人間の生活圏内にしか存在しないんだなぁということを言いたかったのかもしれません笑
長々と失礼いたしました。


各務原ツリーマネジメントの原です。
前回のブログでは強風によって倒木してしまった木(風倒木・ふうとうぼく)を紹介しました。
風による強い力が木を倒す要因となるのですが、倒れた木をよく観察してみると、
その木自体にも倒れてしまうだけの大きな原因が隠されていることが多いです。
今回もまた、何故木が倒れたのかを考えていき、
皆さまの身近な「心当たり」に引っかかれば幸いです。


ここは別荘地にある旅館の庭です。
台風の時に根っこから木が倒れ旅館のフェンスを直撃しました。幸いなことに怪我人はおらず、
倒れた全ての木は旅館の建物とは別の方向へ寝ていました。
※倒木処理後、形状比の基準値を超えたものを伐採しました。
下の写真のカラマツは半倒木状態で、
作業前は20度くらい傾いてるかなぁという具合でした。
地下部をみると、地面から30センチの深さの箇所にも根が張っておらず、棒でほじくってみても根っこが出てくる様子はありませんでした。

おそらく旅館の庭か敷地を囲うフェンスを作るときに、地面の高さ調整のために盛り土をされたので、フェンス際に生えてたカラマツは深植えされた状態になりました。
そのせいで根が酸欠で弱って腐りが進行し、最終的に強風によって地面の中でポッキっと幹と根の付け根が折れたのだと思います。

深植えは悪いことだとは言い切れないですが、
深植えによって起こる弊害を皆様に少しでも知って頂ければと思い書かせていただきました。

それ以前に、倒木の原因を作ったのは“人”だったというところに鳥肌が立ちます。無知は恐ろしい、、、

皆さまの中で‘心当たり’がある方は一度確認していただくことをおすすめいたします。





はじめまして。
各務原ツリーマネジメントの原です。
先日通り過ぎた台風は日本列島に猛威をふるいました。
掲載した写真は今回の台風により倒木したものではありませんが、
風倒木(強風によって倒された木)の一例として皆様に紹介できればと思いました。

このサクラが倒木した理由は、
「何度も風にあおられたこと」と「根株の腐朽」
に関係があると考えました。
どの様にしてこのサクラが倒れていったかを
うまく伝えられるように努めますので、
興味がある方は最後までお付き合いくださると
幸いです。

【サクラが倒木するまでの過程】
①もともとは1つの株から生えていた2本の幹

②時間の経過により幹は太りはじめ、
互いの幹が干渉し合うようになる

③その後、干渉部分の樹皮と樹皮がくっつきあい、
2本あわせて1本の幹のような形になった

※この状態を「入り皮」と呼びます。
入り皮は構造的に強度が弱く、
強い荷重がかかると繋がっていた幹が、
簡単に引き裂かれてしまうことがあります。

④1本のような幹の形になっていても、
長年風にあおられたことによって
互いの樹皮は完全にはくっつかなかった

⑤入れ皮部分の小さな亀裂から腐朽菌が侵入し
片方の材を腐らせていき、根株まで到達した

⑥強風により、腐朽した入り皮部分は引き裂かれ
倒木した
※もう片方も最終的に伐採しました。

倒木した木は、裂け目に堆積した土やチリ等に
新たに根を伸ばしていたことや、
もう片方の木から樹皮を通して養分・水分を
摂取していた為、
葉っぱも枝も健康そのものに見えました。

ただ恐ろしい事に、一見健康そうに見えても
地下部では根株が腐り、いつでも倒れる準備が
できていたということです。

私たちの生活圏内に、このような危険木が
潜んでいることがありますので、
心当たりがある方は是非ご自身で一度
確認していただくことをおすすめいたします。

人と木が互いに心地の良い距離感を保って
暮らせていければと思います。