本を読みながら、30年ほど前の記憶が甦った。
会社で20歳代の女性に買い物をお願いしたときのことです。
その女性は、お釣りを私に返すときに、差し出した私の右手を、左手で下から支え、ゆっくり丁寧に私の右手の手のひらに硬貨を置いたのです。
その自然な行為は、私にとって始めての経験だったこともあり、一挙に好感を持った記憶があります。
そして、彼女の記憶では、もうひとつ忘れられないことがあります。
会社を起業して、採用試験の面接をしていた時のことです。
面接を終えて、彼女はドアを開けて退出しました。
と思ったら、すぐにドアを開けて、再入室し「私、この会社でどうしても働きたいと思いましたので、よろしくお願いします」と言ってペコリとお辞儀をして退出したのです。
私は、そのときの彼女の微笑みが忘れられません。
私が彼女のことを思い出したのは、いま私が読んでいる本に、以下のような記述があったからです。
「ワシントン大学のヒギンズとフロリダ大学のジャッジは2004年の研究で、面接官は無意識のうちにある力の作用を受け,採用を決めるという事実を発見した。
採用の決め手は、適正でも経験でもなく、大事なのはただひとつ、応募者の好感度だった」
オリジナル論文は「The Effect of Applicant Influence Tactics on Recruiter Perceptions of Fit and Hiring Recommendations: A Field Study」のようです。
さらに、彼女を思い出して、ある言葉を思い出しました。
「現代ビジネス金言集 (1)」 (PHP文庫)で紹介されていた「無財の七施」です。
①微笑み
英米の中産階級では、最初のしつけとして三つの言葉と一つの行為を身に付けさせる。
プリーズ、サンキュー、エクスキューズミーとスマイルだ。
社会でスマイルの連鎖反応は大切だ。
②優しい言葉
「お母さん、これ咲いてた」との子供に、
「いま、忙しいの、後で」と返事するより、
「ありがとう。まあ、きれいね。」と返せば事態は変わる。
③優しい心
④優しいまなざし
⑤優しいそぶり
⑥場所を譲り合う
⑦乞うものには一宿一飯を与える
この七つの施しは、誰でもできる施しだということですが、これを日常生活で自然にできれば、人生は変わると思います😊😊