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高槻天神先生のブログ

学研JR高槻前天神教室で行っている科学実験教室のブログです
基本、毎月第4土曜日に教室を開いています

今日は、表面張力のふしぎ実験の2回目でした。

 
最初は逃げるコショウという実験です。
洗面器に水をはり、コショウをパラパラ。
水面にコショウが浮いています。

この水面の真ん中につま楊枝を突き刺すと......
コショウが「イテテ」と逃げていきます。
別のつま楊枝でもやってみましたが、今度は何も変化がありません。
どういうこと?
実は、最初のつま楊枝には先に洗剤(食器洗剤のJOY)がつけてあったのです。
水を作っている小さな粒はお互いに引っ張り合っています。
これを水の表面張力といいます。
洗剤は、この表面張力を弱める働きがあります。
(界面活性剤といいます)
つま楊枝の先の洗剤がついたところの水は表面張力が弱くなってしまい、まわりの引っ張る力で外側に引っ張られていったのです。
 
テレビのコマーシャルでも油の浮いた水面に洗剤をつけると、油が外側に引っ張られて真ん中の水が広がるようなようすを見せています。その洗剤がいかにも強力なように見せていますね。
 
次は、表面張力が均一に引っ張っていることを目で見る実験です。
アルミの針金で直径20cmほどのわっかを作ります。
丸盆にシャボン液を入れて、アルミのわっかにシャボン液の膜を作ります。
濃い目のシャボン液なのでかなり丈夫な膜が張ります。
針金を上下させると膜がビロンビロンと上下します。
さて、このシャボン膜を壊さずに膜に穴をあけます。
どうすれば穴をあけることができるでしょう?
実は、糸を使います。
小さな糸の輪を作っておいて、シャボン膜の上にのせます。

糸の輪の内側をつま楊枝でつくと、まん丸の穴が開きます。

パッとまん丸の穴が開いたときは、ワァ~と歓声が上がりました。
この穴は、つまようじを使ってシャボン膜の上を自由に動かすことができます。
穴がまん丸にあいたことで、糸が均一に外側に引っ張られていることがわかります。
 
樟脳船というものがあって、船の後ろ(船尾、とも)の部分に樟脳のかけらを置くと船が走るというものです。
これと同じものを実験セットのプラシートとスポイトを使って実験します。
プラシートを船の形にはさみで切って、洗面器の水に浮かべて、スポイトで消毒用アルコールを一滴垂らします。
すると船が進みます。
プラシートの船を水に浮かべたときは、船は均一に表面張力で引っ張られているので動きませんが、船尾にアルコールを垂らすとアルコールの表面張力は水の表面張力よりも弱いため、水の表面張力が前から引っ張る力のほうが強くなって前に進んでいきます。
 
消毒用アルコールのほかにもお酒やワイン、ウィスキーでも船は動きます。
もちろんシャボン液や洗剤を垂らしても同じように走ります。
 
船のほかにもプラシートでヘビも作りました。
しっぽにアルコールを垂らすとヘビがくるくる回ります。
次は、先ほどのアルミのわっかを使ってシャボン玉のトランポリンの実験です。
わっかのシャボン膜の上にストローで作った小さなシャボン玉を膨らませて、トランポリンのようにシャボン玉を上下にはじきます。
写真はうまく取れませんでしたが、うまくできるとおもしろい遊びです。
シャボン膜はとてもよくのびちぢみすること、シャボン玉どうしが強く触れ合っても簡単にくっつかないことがわかります。
 
最後は、じっと浮かんでいるシャボン玉を作る実験です。
水槽に少し水を入れて、お風呂に入れて使う入浴剤のバブを金づちで粉々にしたものを入れます。
水槽にバブから出る二酸化炭素をためます。
二酸化炭素は空気よりも重いので水槽の下にたまります。
シャボン玉は空気よりは重く、二酸化炭素よりは軽いので、シャボン玉は空気と二酸化炭素の境目でとどまるはずです。
まず、二酸化炭素がどの辺までたまっているか調べます。
調べる方法は、マッチに火をつけて水槽の中に入れていきます。
マッチの火が消えたところまで、二酸化炭素がたまっていることがわかります。
うまくシャボン玉をちょうどいい位置に膨らませるのがなかなかむずかしいのですが、
何回かうまくできました。
実験の後は、みんなでシャボン玉遊びをしました。
特別に、洗剤に洗濯ノリと水に溶かした濃い砂糖水(コーヒのシロップでもよい)を混ぜて作った、ねばねばシャボン玉液でシャボン玉を作りました。
ビロ~ンと大きなシャボン玉ができます。

このシャボン玉は割れにくいのでハンカチの上にたくさん並べることもできます。
 

今日は、表面張力のふしぎ実験の1回目でした。

 
ゼムクリップは水より重いでしょうか?軽いでしょうか?
ゼムクリップは鉄製なので水より重いですから、水に入れたら沈みます。
しかしうまくやれば、このゼムクリップを水に浮かすことができます。
ゼムクリップを手でもって浮かそうとしてもむずかしいので、ちょっとした道具を使います。
こんなものをアルミの針金で作りました。

これにゼムクリップをのせて、水にそっと入れます。
確かに水に浮きました。
アルミの針金も浮きます。
アルミでできている一円玉も水に浮かべることができました。

これらは表面張力という、水の表面に働く力が、一円玉の上に水が入るのを防いでいるため一円玉が浮いていられるのです。
表面張力というのは、液体の表面がみずから収縮してできるだけ小さな表面積となろうとする力ということですが、よくわかりませんね。
水の分子同士がお互いを引っ張り合っていることによるものです。
アメンボも表面張力の力を利用して水に浮いています。
一円玉の浮いているようすをよく見てみると、水面から少し沈んで一円玉が浮いています。
表面張力が水面に沿って斜め上に引っ張ているように見えます。
一円玉の浮いているコップに洗剤を一滴垂らすと水の表面張力が弱まって、一円玉は浮いていられなくなり底に沈みます。
洗剤によって表面張力が弱まるのは、洗剤の界面活性剤の働きによるものです。
 
次はシャボン玉の実験をしますが、飛ばないシャボン玉を作ります。
水中にシャボン玉を作る実験です。
水に台所用洗剤を数滴入れてシャボン液を作ります。
プラコップにこのシャボン液を入れて、ストローを2、3センチ入れて指で上端を押さえて外に出して、水面から1センチほどの高さからとろんとストローのシャボン液を落とします。
すると水中にシャボン玉ができます。

みんなもやってみました。
なかなか、うまく作れなくて苦労をしていましたが、ストローの角度や高さをいろいろ試して、うまく水中シャボン玉を作ることができるようになりました。
この水中シャボン玉はどのようになっているのでしょう?
赤いシャボン液で水中シャボン玉を作ると、赤いシャボン液が中に入っているのがわかります。
コップのシャボン液と赤いシャボン液の間が透明になっています。
この透明な部分は空気です。
シャボン液が空気に包まれてシャボン液の中で水中シャボン玉になっているのがわかります。
空中にできるシャボン玉は空気と空気の間がシャボン液の膜で覆われているわけですが、水中シャボン玉はその反対の構造になっています。
 
水中シャボン玉と同じものですが、今度は水面にビーズ玉のような水玉をたくさん作ってみましょう。
みんなの実験セットにピペットが入っているのでそれを使って、先ほどの水中シャボン玉を作ったコップでピペットにシャボン液を吸い込ませて小さな水滴をシャボン液の表面に落としていきます。
すると表面にビーズのような水玉がたくさんできてとてもきれいです。
うまくしないと水玉ではなくて泡だらけになってしまいます。
 
最後は四角いシャボン玉を作ります。
アルミの針金とストローを使って、立方体の形を作ります。
これをシャボン液につけてシャボンの膜を作って、膜の中央の四角いところにストローで軽く吹くと四角いシャボン玉ができます。
生徒のみんなは、実験セットに入っているストローとアルミの針金で正四面体を作りました。

正四面体の場合は三角のシャボン玉を真ん中に作ることができます。

この実験はベランダに出てやりました。
正四面体や立方体のほかに直方体や三角柱の形などいろいろな形でシャボン玉の膜を作って中央にいろいろな形のシャボン玉を作りました。
最後はベランダでシャボン玉遊びになってしまいました。

大きなシャボン玉も作って飛ばしました。

今日は、磁石と電気のふしぎ実験の2回目でした。

 
最初はスローモーションで落ちる磁石という不思議な実験です。
アルミ製のコに字棒とネオジム磁石を使います。
ネオジム磁石は日本人が発明した世界一強力な磁石です。
以前は高価な磁石でしたが最近は100円ショップでも売られています。
大変強力なネオジム磁石でもアルミにはくっつきませんね。
もう一つアルミ箔を丸めた球を作っています。
このアルミの球とネオジム磁石を同時に落とすと同時に落ちますね。
では、アルミのコの字棒の中をネオジム磁石を落とすとどうなるでしょう。

不思議なことにネオジム磁石がゆっくり落ちていきます。
アルミの球だとストンと落ちますが、ネオジム磁石だとスローモーションで落ちていきます。
うまくやるとアルミのコの字棒には全く触れずにゆっくり落ちるのを観察できます。
この字棒を斜めにしてネオジム磁石を転がした場合もゆっくり転げていきます。
この実験をするときには北がどちらかをあらかじめ調べておく必要があります。
ネオジム磁石のN極を北に向けて落とさないとネオジム磁石が北に向こうと動いてしまうのです。
どうしてこうなるのかは、次の実験をしてから説明します。
 
こんどはコイン選別機の実験です。
透明プラケース2個を底のほうを向き合うようにして間に30cm定規を挟んでセロハンテープでとめます。
定規の上をコインを滑らすのですが、途中に2か所ネオジム磁石を貼り付けておきます。これでコイン選別機は出来上がりです。
つまようじを挿しているのは、コインがはさまらないためです)
定規の上を1円玉を滑らせます。
コロコロと転がっていくのですが、ネオジム磁石のところで一瞬止まったようになってゆっくり落ちていきます。
ほかのコインでも試してみます。
1円玉のように止まったようにはなりませんが、コインによって落ちる場所が違います。1円玉が一番手前に落ちます。次に10円、5円で50円、100円、500円は同じところに落ちました。

コインを作っている金属の違いで落ちる場所が違っているようです。
これで、コインを選別できます。
 
磁石の近くを金属が動いていくとその金属に電流が発生します。
金属に電流が流れるとその金属は電磁石になります。
そのため磁石同士の引き合う力が働いで、ゆっくり落ちていくわけです。
電磁誘導という現象によって誘導電流が発生しているということです。

次はアルミホイルの宇宙船というおもしろい実験をします。
使うのは電磁調理器です。
電磁調理器の中はコイルがいっぱい詰まっています。

コイルに強い電流を流すと、強力な磁場が発生します。この上に電気を通しやすい鉄、ステンレスといった金属を置くと、電磁誘導により渦電流が発生し、抵抗により金属が発熱するので鍋を温めることができるわけです。
この原理を電磁誘導加熱(IH)といいます。
 
電磁調理器の上にトイレットペーパーの芯を立てて、ドーナッツ形に切ったアルミホイルを置きます。
そして電磁調理器のスイッチを入れるとアルミホイルが宙に浮きます。

しかししばらくすると落ちてきます。

下に落ちるとまたふわりと浮き上がります。
この浮いたり落ちたりを繰り返しています。
長くやっているとアルミホイルが熱くなってしまうので時々電気を切りましょう。
これも電磁誘導によってアルミホイルに電流が流れてアルミホイルは磁石になってしまうため電磁調理器の磁力に反発して浮いているわけです。
電磁調理器は台の上に金属が載っていないと安全装置が働いて自動的にスイッチが切れる仕組みになっているため、アルミホイルが浮いているとスイッチが切れて自然落下します。下に落ちるとまたスイッチが入ってアルミホイルが浮きます。
これを繰り返しているわけです。
トイレットペーパーの芯を立てているのは、こうしておかないとアルミホイルが飛んで行ってしまうからです。
スイッチが入ったり切れたりしているようすを目で見えるように、コイルにつけたLEDを電磁調理器の上に置いてみましょう。
確かにアルミホイルが上がるときにLEDが点灯します。

LEDの明るさは電磁調理器の中心に近いほど明るく、外側ほど光が弱くなるのがわかります。
 
こんどは不思議なイヤホンの実験です。
100円ショップで買ってきたイヤホンを切って、ミニプラグ側とイヤホン側の2つにします。

 
そして、それぞれにコイルをつなぎます。
CDラジカセにミニプラグをさして、コイルの上にイヤホンのつながったコイルをのせるとラジカセの音が聞こえます。

プラグとイヤホンは直接つながっていないのにふしぎですね。
これも電磁誘導によるのもです。
ミニプラグから流れる電流の強弱によってコイルの磁力に強弱が起こります、イヤホン側のコイルは、この磁力の強弱によって発生し電流の強弱によってイヤホンを鳴らしているわけです。
 
最後は実験セットを組み立てました。
磁石をモーターでぐるぐる回す、渦電流マシンです。

この上にアルミでできたコマをのせるとコマが回ります。
先ほどのコイルにつないだイヤホンをこのマシンの上にのせるとブォーンという音が聞こえます。スイッチを入れたり切ったりすると音の高さが変わるのがわかります。
磁石の回転の速度によってイヤホンに発生する電気の強さが変わるからです。
これは発電機の仕組みと同じです。
水の力で磁石を回せば水力発電、火力で蒸気を作れば火力発電、原子力で蒸気を作れば原子力発電になります。
自転車の発電機も同じ仕組みです。
 
今日は、磁石と電気のふしぎ実験の1回目でした。
 
磁石と電気にはとても密接な関係があります。
今日はそれを実験で確かめてみましょう。
 
方位磁針(コンパス)に導線を貼り付けています。

この導線に電気を流すと方位磁針の針はどうなるでしょう?
乾電池をつなぐと、針が大きく動きました。ぐるぐる回ったりします。
方位磁針の針は磁石です。電気が流れたことで磁石に何らかの力が働いたことがわかります。
 
こんどはコイルのかえる跳びという実験です。
ペットボトルの中にネオジム磁石が入れてあります。
エナメル線を巻いて作ったコイルを作って、両端をセロテープで机に貼り付けておきます。
ペットボトルのふたの上にコイルを置いて、乾電池で電気を流すと、コイルがぴょんと飛び上がります。
かえる跳びのようです。
方位磁石の実験では一本の導線でしたが、コイルの場合はその巻いた回数分の電気が同じところをながれていることになります。
導線に電気が流れると磁石になります。(正しくは、導線のまわりに磁界ができます)
電気が流れたことで磁石になったコイルはペットボトルの中のネオジム磁石と反発しあってぴょんと飛び上がったのです。

電池の向きを逆にして電気を流すとコイルは下に動きます。
流れる電流の向きで発生する磁石(磁界)の向きが変わります。
 
木ねじにエナメル線をぐるぐる巻いたものに電池でをつなぐと磁石になってクリップをたくさん吸い付けます。

電磁石はこのようにして作られています。
電磁石は電気が流れた時だけ磁石になるので、鉄を持ち上げて別のところに移したりするときなどに利用できます。
 
磁石とコイルを利用したものはいろいろなところで使われています。
スピーカもその一つです。
もっとも簡単なスピーカを作ってみます。
材料はコイルとフェライト磁石とファイルケースを小さく切って作った入れ物とミニプラグです。
コイルをケースの中に入れて磁石をケースの中に一つケースの外に二つをくっ付けます。コイルの両端をミニプラグにつないで出来上がり。
CDプレーヤで音楽を流して、ミニプラグをイヤホンジャックにつなぎます。
ボリュームを最大にして、ファイルケースを耳にあてると音楽が聞こえます。
確かにスピーカができました。
イヤホンジャックから出る微小な電気がコイルに流れると電気の強さによって強さの変わる磁石になります。ファイルケースの中と外の磁石ではさまれたファイルが振動することで音楽が聞こえるわけです。
モータも磁石とコイルを利用してできている製品です。
このモータもスピーカになります。
割りばしにモータの芯を挟んで、イヤホンの先を切って作った線につなぎます。
CDプレーヤにこのイヤホンジャックをさして音楽を聴くのですが、その聞き方はちょっと変わっています。
割りばしを口にくわえて耳をふさぎます。
すると音楽が確かに聞こえます。

これは空気中に伝わった音を聞いているのではなく、歯から体の中の骨に伝わった音を聞いています。
これを骨伝導といいます。
マイクロモータで作った骨伝導イヤホンも作ってみました。

これを歯にあてても、こめかみに合わせても音が聞こえます。
一番よく聞こえるのは耳の中の骨にあてた場合でした。
耳の不自由な人のために、骨伝導イヤホンというものも市販されています。
 
昔ベートーベンは、晩年耳が聞こえなくなってしまいましたが、それでも作曲を続けています。
どうやって作曲していたかというと、指揮棒を口にくわえてその先をピアノに押し当ててピアノの音を聞いていたそうです。
骨伝導で音を聞くことができることをベートーベンは知っていたのですね。
 
モータはぐるぐる回るものと思っていますが、ぐるぐる回らないモータがあります。
リニアモータです。リニアとは直線、まっすぐという意味です。
ぐるぐる回らずまっすぐ進むモータです。
リニアモーターカーという言葉はよく聞きますね。
そのリニアモータを作ってみましょう。
ステンレストレイを逆さに置いて、絶縁用の紙を敷きます。
その上にフェライト磁石をならべて、両側にアルミパイプを置きます。
二本のアルミパイプに電池をつないで、アルミパイプを上に短いアルミパイプを置くとそのパイプが走ります。
電池の向きを変えると反対方向に動きます。

フェライト磁石の向きを逆さにした場合も、反対方向に走ります。
電流と磁界と力のはたらく方向はある法則で決まっています。
これはフレミングの左手の法則というものです。

最後は、とても簡単な構造のモータを作ります。
電池にゼムクリップを半分伸ばしたものをセロハンテープで貼り付けます。
エナメル線を巻いて作ったコイルをこのクリップの間にのせるのですが、一つ仕掛けが必要です。
コイルの片方の端は紙やすりですべてはがしてますが、もう一方の端は上半分だけしかはがしていません。
モータとして回るためにはこの仕掛けが必要なのです。
この仕掛けを整流子といいます。
コイルをクリップにぶら下げて磁石を近づけると回るのですが、最初のきっかけとしてちょっとコイルを動かしてやります。
生徒のみんなにもやってもらいました。
とても上手に回すことができた生徒もいましたが、あまりうまく回せなかった生徒もいます。
少しコツというか練習が必要です。
 

今日は、振動のおもしろ実験の2回目でした。

 

最初はビヨヨンリングです。
使うものは、針金ハンガー、輪ゴム、荷紐です。
針金ハンガーの下の部分をひょいと引っ張って伸ばします。
これに輪ゴムをひっかけて、回すための紐を結びつけて出来上がり。
紐をもってビヨヨンリングを回転させると、ブォーンブォーンと音が鳴ります。

この音は何に似ていますか?
ヒコーキとか扇風機とか虫の羽音などいろいろな意見が出ました。
回す速さを変えると音も変わります。
また、輪ゴムも太いものや中くらいのもの、細いもので音が違いますね。

回転させるとゴムが振動して音が出ているのがわかります。
風が強く吹くと電線もビュービューと鳴りますが、これも同じです。
 
ゴムが風を切った時にできる空気の渦がゴムを振動させています。

どんな渦ができるのか、次の実験で見てみましょう。
ステンレストレイに薄く水を入れておきます。
ここに牛乳をそっとトレイの端から入れて、牛乳がトレイの底全体にいきわたるのを待ちます。
次にストローを立ててトレイの中を直線的に動かすとストローの後ろに交互に変わった形の渦ができるのがわかります。
この渦はカルマンの渦とかカルマン渦列と言われています。
流体力学者のカルマンさんに、ちなんでいます。
この写真ではうまく伝わらないかもしれないので、ウィキペディア(Wikipedia)の画像をつけておきます。
みんなもストローをもってカルマンの渦を作ってみました。
カルマンの渦は気象衛星からも観測することができます。
島にあたった風によってカルマンの渦の雲ができています。
電線に強く風があたっとときも電線の後ろにカルマンの渦が発生し、電線が激しく振動しているわけです。
洗面器に入れた水の中をストローをもってゆっくり動かしてみると、ストローの進む方向とは垂直な方向にストローが振動するのがわかります。

目で見ていてもストローの上のほうが横にふれているのが見えました。
 
振動で音が出ることがよく分かったところで、カンタン紙笛をみんなで作りましょう。

コピー用紙を4分の1に切った紙に切る部分に線を書いておきました。
振動板になる部分を切り残して、ストローや鉛筆でくるくる巻いてセロテープでとめて筒を作ります。

振動板を折り曲げれば出来上がりです。
さあ、鳴らしてみましょう。
先生は鳴るのに、みんなは鳴りません。
生徒のみんなは吹いているからです。
普通笛は吹いて鳴らすものですが、この笛は吹くのではなく軽く吸って鳴らします。
強く吸うと振動板がペタンと筒にくっつてしまいますので、ゆるく吸わないと音が出ません。
ゆるく吸うと振動板がぶるぶるとふるえて音が出ます。
振動板を切って少し小さくすると音が高くなることがわかります。
 
次は、紙ではなくストローを使って大きな音の出るストロー笛を作りました。
ファイルケースを1cm×4cmくらいに切ったものをストローにつけます。
ストローの先を斜めに切って、ファイルケースで作った振動板(リード)をセロテープでつければ出来上がりです。
これも吸って鳴らすのですが、リードのほうを口の中に入れて大きく息を吐くとブー、かベーといった音が鳴ります。
ストローをつないで長いベーベー笛にするととても低い音が出ます。
音を出しながらはさみでストローを切っていくと音が高くなっていくのがわかります。
この笛に風船をかぶせてセロテープでくっ付けるとべーべー笛ができます。

ストローを吹いて風船を膨らませて口をはなすと風船がしぼむときの空気でストロー笛が鳴ります。
最後は、ベーベー、ぶーぶーとやかましい教室になりました。