この小説は2009年に書かれたもので、当時購読していた毎日新聞に連載されていて読みそびれていたが行きつけの図書館で単行本を捜したので読むことにした。半年間の連載で結構な長編でどうかと思ったが読み進めているうちに筋が面白くなり飽きることなく読み終えた。
作者は直木賞作家で短編を何部か読んだことがあるが長編を読んだのは初めてである。(今では直木賞か芥川賞の選考作家にもなっている)
テーマは現代の子育て事情で落ちこぼれた息子と、それを反面教師として賢く就職し結婚まで順調に来たがそれでもつまずいてしまう娘を持つ母親の立場で書かれたもので、昨今の若者の恋愛事情、受験事情、就職事情と幅広く紹介され初めて知るものもありさすが現代女流作家だなと感心もした。
また、夫婦関係、親子関係も挟まれていて自分との比較なども考慮したりして面白い一作であった。

KAZUSAGA