今回の芥川賞、本谷有希子「異類婚姻譚」滝口悠生「死んでいない者」を読む。
「異類・・・」は夫婦で長く暮らしているとお互いの顔がだんだん似てくるようになり
終いには夫の顔が崩れていき最後は山芍薬の花になってしまうという不思議な結果になるまでの日常生活を淡々と語っていく。
自分も40年以上夫婦生活しているが顔が似てくるなんて経験もないし、思ったこともないのだがそういうこともあり得るのかと考えたりした。
「死んで・・・」は往生を遂げたおじいさんの通夜に集まった家族(子、孫、曾孫など)
20人ぐらいのそれぞれの生い立ちや途中経過、現在の環境などお互いの会話に織り交ぜて紹介していくというもので途中読みかけて再度読み始めたとき関係が分からなくなるような場面もあり注意が必要だった。
二作家とも複数回の候補者になっており確かに文章力は優れているとは思うが
筋が淡々としていて投げ出したくなるまではいかないが少し苦痛に感じる時もあり、前回の又吉の「火花」がまだ読みやすかったような気がするが審査する作家たちも大変だなと思うと同時に石原慎太郎が選者から降りたのもうなずける気がした。
KAZUSAGA