久し振りに投稿します。
少し遅くなりますが、話題が多かった又吉直樹とあと一作羽田圭介が同時に掲載された文芸春秋が販売されたので購入して読んでみました。
{火花」は先輩芸人と後輩芸人(主人公、又吉を連想させる)とのやり取りをこれでもかというぐらいに延々と綴ったストーリーで少し疲れたが、漫才師の日常と苦労が理解できた。
また予想に似合わずといったら失礼だがしっかりした文章力は少し驚かされた、これは今までの彼の読書量によるものでしょう。次回作も期待できそうだ。
あと一作の羽田の「スクラップ・アンド・ビルド」は元特攻予備兵で老後子供たちの家庭をたらいまわしされた80代の祖父と孫(主人公、ニート生活で就活中)の日常をこれも綿々と綴ったもので読みごたえがあるというよりこれも少し疲れた。この中でこの青年が介護に対して、年金問題に対して彼なりの疑問を持つがここら辺は理解共感を持つこともできたのが収穫だったか。
両作品を通じて感じたのは少し文章が長くて、インパクトに欠けてはいなかったかということで、村上龍の「限りなく透明に近いブルー」や慎太郎の「太陽の季節」と比較してしまい、近くでは綿矢りさの「蹴りたい背中」や金原の「蛇にピアス」を思い出してしまった。
KAZUSAGA