「何時も好奇心」さんの勧めもあり漱石を読んでみることにした。
ちょっと恥ずかしいが漱石の小説に向き合うのは初めてだった。
「こころ」にしたのは3部作のどれかにすると、あとの2冊も読まなければならないだろうと思ったし「坊ちゃん」
だと筋はだいたいわかっているので図書館の漱石全集の中でこれに決めた。
結構な長編で読み応え十分で、文章も旧かな遣いで関係をくわんけいだとか会社をくわいしゃにしてあったりとかで少し苦労したが、ストーリー展開はわかりやすくスラスラ頭に入った。

内容は主人公が先生と呼ぶ相手が友達を裏切ったことを苦にして何十年も生きてきたがついに耐えられず明治天皇崩御と乃木大将の殉死を目の当たりにして自害するという少し暗いものであるが、先生の恐ろしく長い手紙に託された心情の変化、いきさつ、結末は本当に「こころ」に響くものがあった。
またこのころ(明治から大正に移る頃)の東京の町名が所々に散見され興味深かった。
機会があればあと一冊ぐらいは読んでみようと思う。

KAZUSAGA