イメージ 1
2010W杯で岡田ジャパンは16強にめでたく入りました。
指揮官としての岡田武史監督の評価はW杯前の国際試合で4連敗というさんざんな成績に終わった時はその采配ぶりや戦法に非難が集中し、進退伺いを提出して慰留されて監督継続となりました。著名なサッカー評論家からW杯予選突破は100%なしとの御宣託をされネット上でも悪評あきらめムード一色に覆われていたというのに、カメルーン戦、オランダ戦、デンマーク戦を2勝1敗と勝ち越して決勝トーナメントに進出し、惜しくもパラグアイ戦はPK戦に敗れはしたがチームワークよろしく堅固な守備に加えてこれまでの得点力不足の心配を払拭させるシュートがゴールネットを揺らせた光景を堪能できたサッカーファンは勿論、一夜限りのにわかファンまで岡田監督の指導力を認めることになりました。
その後のW杯の戦いの中で名手スナイダーの絶妙なシュートで日本戦を勝利したオランダが準決勝まで進み、ドイツと並び決勝進出の可能性が期待されている現状から岡田ジャパンの高健闘がますます見直されています。イメージ 2イメージ 3
こうした評価に対して当の岡田監督はパラグアイ戦後の選手らとの食事の席で自身が座右の銘としている「人間万事、塞翁が馬」(じんかんばんじ、さいおうがうま)を引き合いに出して挨拶したそうです。
「吉凶も禍福も予測は不可能だから災難も悲しむことはなく、幸福でも喜んでばかりはいられない。」という意味合いの諺は、一見人生に対して消極的だと思われるかも知れませんがそこに消極的というのとも異なる、しなやかな強さを感じる事ができそうです。
それは岡田監督のサッカー人生そのものといえそうです。
「全員守備、全員攻撃の攻撃重視スタイル」から「堅守速攻型」へと転換し、それに伴って先発メンバーを大きく入れ替えた結果重視の現実路線が成功に導いたと評価されています。決勝進出を決めた後、岡田監督が言った「サッカーがチームスポーツであることを証明しようという思いでやっている」は後世に残る名言となるかもしれません。
「人間万事、塞翁が丙午」の小説書いて直木賞を頂戴した青島幸男さんのようにこの諺をちゃっかり拝借して成功した人もいますが、人生後半に突入した名もなき「あらせぶ」の皆さんは「人間万事、塞翁が馬」の言葉そのもの、諦めずにそれぞれの人生のゴールポスト目指してそれぞれのやり方で前進しましょう。
mont-livre