○2026年が4月26日(月) 10:20-15:30 MET LIVE VIEWING 2025-2026
ワーグナー「トリスタンとイゾルデ」 (現地時間: 2026年3月21日12時開演)
今シーズンのMET上演演目の中でも目玉の一つとされるワーグナーの傑作「トリスタンとイゾルデ」、今もっともMETで重用されていソプラノ、リーゼ・ダーヴィドセンが双子の出産から復帰しての大役であることのほか、これがロールデビュー(と言っていたような気がします😅)となるマイケル・スパイアーズのトリスタンに加え、MET初演出のユヴァル・シャロンなど、見どころ満載です
(お値段も破格の5200円
)
唯一の懸念は、インタビューや休憩等を含めて、5時間10分の長丁場を乗り切れるかどうかです😅
○キャスト等:
指揮 ヤニック・ネゼ=セガン(Yannick Nezet-Seguin)
演出 ユヴァル・シャロン(Yuval Sharon)
イゾルデ(S) リーゼ・ダーヴィドセン(Lise Davidsen)
トリスタン(T) マイケル・スパイアーズ(Michael Spyres)
フランゲーネ(Ms) エカテリーナ・グバノヴァ(Ekaterina Gubanova)
クルヴェナール(Br) トマシュ・コニエチュニ(Tomasz Konieczny)
マルケ王(B.Br) ライアン・スピード・グリーン(Ryan Speedo Green)
メロート(T) ジョナス・ハッカー(Jonas Hacker)
他
○感想:
いやー、凄いものを見せてもらいました
とにかく歌手陣がみな声が強く、圧倒されました
巨声(と称されています💦)リーゼ・ダーヴィドセンは、いつものように弱音から強音?まで実に柔らかでスムーズな発声、体の深い場所からの響きの豊かな声で底知れぬパワーを感じました
例えるなら5000ccか6000ccのエンジンを積んだ最高級車が静かに滑り出すも、あっという間に時速200kmに達しているような感じで声に余裕があります
演技面でも、1幕の愛憎半ばするエモーショナルな姿から、2幕は打って変わって柔らかな幸福に満ちた表情、3幕は「愛の死」での素晴らしい歌唱も含め、神々しさすら感じる入魂のレンディションで、これは彼女の代表的なレパートリーになるのは間違いないでしょう
対するマイケル・スパイアーズもこれがロールデビュー(のはず💦)とは思えないほどの出来で、本人が「バリテノーレ」というだけあって、しっかりした中低音域からどこまでも伸びる高音域まで、こちらもパワフルで重厚、まさにヘルデン・テノールです
この方は元々ロッシーニ歌いとのことですが、余程声帯に柔軟性があるのでしょう、これも資質と訓練の賜物でしょうか。
このほか脇を固める、トマシュ・コニエチュニ、ライアン・スピード・グリーン、エカテリーナ・グバノヴァなどの主役級の歌手陣も素晴らしい歌声を聴かせくれましたが、とりわけライアン・スピード・グリーンのマルケ王の演技には泣かされます
演出面では、賛否があると思いますが、楕円と円を組み合わせたような舞台装置は目を引きますし、映像を多用した映画的な作りも含めて中々意欲的なもので、豪華とは言えないかもしれませんが、神話的寓話的なこのお話には、それなりにフィットしていたのではないでしょうか。
それよりも驚いたのは3幕でイゾルデが登場した際の姿で、ネタバレになるので詳述しませんが、思わず「えーっ」と漏らしてしまいました💦ここはその後の展開と照らすと、やや、やりすぎの感が
また、全曲終了時のイゾルデの行動も、通常の解釈とは異なるかもしれませんが、愛の不滅若くは不滅の愛を完成させるのが死、というテーマを一方で推し進めるとこうなる、という意味とすれば理解できるところです。
ヤニック・ネゼ=セガンの指揮は、本人がインタビューで語っていたように、大きな海のうねりや波を感じるような悠揚迫らぬ、ゆったりとしたテンポでスケールの大きな演奏
驚いたことに、3幕舞台裏で羊飼いが吹く楽器、ワーグナーの発案?になるトリスタン・シャルマイ若しくはホルツトランペットを再現するべく、アルペンホルン風の木製のトランペット?を特製したそうで
その映像も映っていました。確かにイングリッシュホルンとは異なったトランペットに近い音色でした
ということでワーグナーの楽曲の素晴らしさはもちろん、リーゼ・ダーヴィドセンのスケールの大きさを再認識した今回の鑑賞、お陰でトータル5時間10分がさほど長く感じませんでした
METでは2027-2028シーズンから、同じ演出家で「指環」のチクルスを上演するそうなので、今回の歌手陣も大活躍することとなるでしょう
楽しみにしたいと思います
○評価:☆☆☆☆★








弱音とのダイナミックレンジの大きさは凄いです
そのせいか、オランダ人の声が一番飛んでこなかった気がします😅



この際響きがどうのというレベルではなく出せるだけでも驚異的な高音😅終幕、若干疲れもあるように見えましたが💦最後まで柔軟で美しいリリカルな歌声を聞かせてくれました












