まさか、今日だとは思っていませんでした。

意識は、朦朧としていたけれど。

血圧も、とても低かったけれど。

ずっと傍にいたから。

チューブで全身繋がれていても、

半目で目を直視できなくても、

そこにいたのは、
唯一無二の母でした。

唸っていました。

うわごとを言っていました。

それでも今日、

『おはよう』

と言うと、

『おはよう』

と、かすれ声で答えてくれました。

晩の今、『おやすみ』

の言葉が、

永遠の『おやすみ』

です。

あんな状態なのに、気丈な人です。強い人です。

母は、私の尊敬する人であり、唯一の理解者でした。

スキルス性胃癌末期と診断されて、1年3ヶ月。

今まで一番大変で、今までで一番幸せな時を過ごせたと思います。


お母さん、ありがとう。
私を産んでくれて、ありがとう。
私の母でいてくれて、本当に本当にありがとう。